人間にとって成熟とは何か の商品レビュー
著者は成熟の一つの証 として立ち振舞いの品 の良さを説きます。 しかし、それは外聞を 取繕う術を身に着けた だけで、 その道の行先における 内面は最期まで未熟な ままではないかと。 人生は常に問題がつき まとうのが当たり前で、 不足に思うことがある のも当然です。 ある...
著者は成熟の一つの証 として立ち振舞いの品 の良さを説きます。 しかし、それは外聞を 取繕う術を身に着けた だけで、 その道の行先における 内面は最期まで未熟な ままではないかと。 人生は常に問題がつき まとうのが当たり前で、 不足に思うことがある のも当然です。 あるいはまた、 齢を重ね諦観を持つに 至るも、 それらを人生の重さの 実感だとして深く感謝 出来るまでの、 その次元の成熟に至る 人は一体どれだけいる のでしょう。 かく言う私は未だ諦観 の入口に留まったまま、 日々累々の細事に際し 問題や不足に不平不満 を禁じ得ません。 外聞を取り繕うことに 長けること。 人生に諦観を持つこと。 問題や不足に感謝する こと。 これらはそれぞれ次元 が異なる成熟の境地と 考えます。 ・・・ なんて堅苦しく書いて みましたが、 要するに、 困難に直面したときに いかに反応するか。 表向き冷静をよそおい つくり笑顔が出来るか ではなく、 こんなものさと諦めて 淡々と事にあたるでも なく、 よもやその困難にさえ 感謝の念を抱くことが 真に目指す境地であり、 そこまで至る人はごく 少数ではないかと。 なんて、 秋の夜長に理屈っぽい 酔っ払いの戯言でした。
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人間にとっての成熟は、どういうことか、筆者の考えが書かれてあります。 なるほどと思うものもあるし、それはどうかなと思うものもあります。 いろんな考えの人がいて当たり前であるため、なるほどと思うことは参考にさせていただきます。
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まともなこと言うなあと言う点と老害ぽさが目立つ(保守的すぎる)点が散見されたがたまにはこの手の本もいいね
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Na図書館本 なかなか手厳しいお考えもありましたが、何にでも表裏はあるものだし、正しいだけの人なんていない。もっと尊敬されいという思いが、自分も他人も不幸にする、まさしく。 品は写真の時にピースしないとか、耳が痛いこと。 健康、美容に心がける? 否、曽野流は、教養をつけ心を鍛え...
Na図書館本 なかなか手厳しいお考えもありましたが、何にでも表裏はあるものだし、正しいだけの人なんていない。もっと尊敬されいという思いが、自分も他人も不幸にする、まさしく。 品は写真の時にピースしないとか、耳が痛いこと。 健康、美容に心がける? 否、曽野流は、教養をつけ心を鍛える。
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まるで教科書みたい。 お説教みたいと読み進めたが、 最後に わたしたちはいい人ばかりの人でもなく 絵に書いたような悪人でもない。 あの人もこの人も似たりよったりなのだ。 とことばは 自分のことは棚にあげて ひとの批判ばかりしてしまう自分の心に刺さりました。
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人生も後半にさしかかって、人としての成熟、円熟 というものに目が向くようになった。 曽野さんがこの本を書いたのは80歳以上の時。 たくさんの高齢の方々を見てきた上で、 人の成熟に対する考えや意見は、 かなり偏ったところもあるなと思いつつも、 大変興味深いものがあった。 「人間に...
人生も後半にさしかかって、人としての成熟、円熟 というものに目が向くようになった。 曽野さんがこの本を書いたのは80歳以上の時。 たくさんの高齢の方々を見てきた上で、 人の成熟に対する考えや意見は、 かなり偏ったところもあるなと思いつつも、 大変興味深いものがあった。 「人間にとって諦めることも一つの成熟だが、 その場合も爽やかに諦めることができたという、 自覚は必要だ」と。 つまり諦めるにしても自分なりの努力で、 やるだけやったと言い切れれば、悔いなく諦められる ということだろう。 諦めるというと、消極的、敗北的な響きがあるけど、 そういうものも飲み込んで、卑屈にならないくらいに 心の器の大きくしていくことも、人の成熟には 必要なんだなと感じた。 素晴らしいお年寄りよりも、私の周りには老人なのに 成熟していない人の方が多いように感じる。 経験や智慧が蓄積されるメリットと、 自分の考えに固執したり、頑固になったり、体が思うようにならなくて、心に余裕がなくなるデメリットは、 おそらく自分にも同時に来るのだろう。 最近世間でよく耳にする「老害」というものだけには、 自分はなってはいけないなと強く思った。
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80歳の曽根さんが語る、人間の成熟について。 すべてに賛同出来る訳ではないが、身が引き締まるようなお話が多くて、日々を改めてキチンと過ごして行こうと思いました。 人生は嫌なことや上手くいかない事があってあたりまえ。 そういってもらえて、心が軽くなりました。
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敬虔なカソリック信徒としての思想をベースに「人間にとっての成熟」について、深く辛口で論じたエッセイ。 古き良き日本人の美意識や品格、謙虚さ、「老い」や「他人」など、自分の力でどうなるものでないことを受け入れる姿勢等を冷徹に語っている。 初めはシニカルに感じる部分もあるが、じっくり...
敬虔なカソリック信徒としての思想をベースに「人間にとっての成熟」について、深く辛口で論じたエッセイ。 古き良き日本人の美意識や品格、謙虚さ、「老い」や「他人」など、自分の力でどうなるものでないことを受け入れる姿勢等を冷徹に語っている。 初めはシニカルに感じる部分もあるが、じっくり読むとじわっとした味わいを感じる。 ・肉体は衰えて行っても、魂や眼力に少し磨きがかかる。成熟とは、鏡を磨いてよく見えるようにするこ と。 ・謙虚に一人の人として誰とでも付き合うと、誰もが貴重な知識を教えてくれ、それが成熟した大人に導 いてくれる。 ・過去の民主党のようにマニフェスト通りにやって、膨大な経費を無駄にするというのでなく、方向転換 は良くても、その処置は緩やかにするのが、人間の叡知 ・世間からどう思われてもいい。人間は確実に他人を正しく評価できないのだからと思えることが成熟の 証。 ・成熟した人間になるためには、沈黙と会話の双方の達者な使い手になること。
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絆は、自分の心の寂しさや、物質的な困窮を救ってもらうために必要な関係ではない。むしろ絆は自分の周囲の人たちの、悪い運命をも引き受ける覚悟をすることなのである。
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雑誌に連載されていたもので、著者が感じたことを人間の成熟というテーマに絡めてつらつらと書き連ねているというものでした。分析的な文章ではないのは小説家の方だから当たり前ですね。本のタイトルに釣られてしまいました。 この本は、ちょっと昔の日本人の世間様意識、キリスト教的な人間の不完全...
雑誌に連載されていたもので、著者が感じたことを人間の成熟というテーマに絡めてつらつらと書き連ねているというものでした。分析的な文章ではないのは小説家の方だから当たり前ですね。本のタイトルに釣られてしまいました。 この本は、ちょっと昔の日本人の世間様意識、キリスト教的な人間の不完全さという観点、そして年寄りならではの自分と違うものを否定する偏狭さといった物なんかからできています。 所詮人間なんて神様じゃあないし、成熟といったって、聖人君子になることなんて無理でしょう。でも、できる限り人を思いやって、自分は自分と覚悟して、何か目的を定めて、死ぬまで前を見ていくんだ、ということが自然にできれば成熟したと言うことなのかなあと思いました。
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