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半藤一利と宮崎駿の腰ぬけ愛国談義 の商品レビュー

3.8

48件のお客様レビュー

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2023/10/09

"歴史探偵"半藤一利とジブリの宮崎駿監督の対談本。"風立ちぬ"上映後の対談ということで、同作の舞台でもあった関東大震災~戦後すぐくらいの昭和初期の思いで語りが中心。お互い好きだという夏目漱石についての語りもあり。タイトルから連想されるような...

"歴史探偵"半藤一利とジブリの宮崎駿監督の対談本。"風立ちぬ"上映後の対談ということで、同作の舞台でもあった関東大震災~戦後すぐくらいの昭和初期の思いで語りが中心。お互い好きだという夏目漱石についての語りもあり。タイトルから連想されるような零戦・戦艦長門、日本海海戦の裏話あたりのミリタリーねたもあるけれど、それも昔語りの中の一つという感じかな。個人的には昔の東京下町の風景などお二人(&ご両親etc)を通してみる昭和の姿が興味深かった。東京大空襲で他人に助けられた半藤少年と、関東大震災で突き放された堀辰雄の対比も心に残る。 タイトルは半藤氏のコメントから。お二人の反戦・日本人観は共感できるところもあれば、それは老人の戯言・先を観ない理想論だよと思うところもあるけれど、少なくとも、日本人は自分のことを見つめなおして、変に偉ぶるでなく、地に足をつけて生きていくことを考えた方がいいのかなと個人的にも思う。

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2023/07/26

しゃべっているのは半藤氏が2、宮崎監督が8くらいに感じるくらい、半藤氏が聞き手で、嬉々として語る宮崎監督が容易に想像できる本書。旧日本軍の航空機や軍艦への愛情がページから溢れています。 また、宮崎監督が両親や祖父についても語っており、宮崎家のルーツにも触れることができます。 「風...

しゃべっているのは半藤氏が2、宮崎監督が8くらいに感じるくらい、半藤氏が聞き手で、嬉々として語る宮崎監督が容易に想像できる本書。旧日本軍の航空機や軍艦への愛情がページから溢れています。 また、宮崎監督が両親や祖父についても語っており、宮崎家のルーツにも触れることができます。 「風立ちぬ」の公開に合わせて行われた対談なので、作品の裏話が豊富でもう一度作品を見たくなりました。 「尖閣諸島を一旦棚上げ」など、相変わらず政治思想はまったく共感できないですが(笑)、読み物としてはとても面白かったです。

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2023/03/23

半藤さんと宮崎さんの対談となれば きっと面白いだろうと思いましたが やはり面白く読めました。 対談とかは苦手ですが このお二人の話題は面白く 退屈せずに読めました。 こういうのを読むと 半藤さんが亡くなったのは 本当に残念です。 日本の過去を知りそして未来を考える人が もっと沢...

半藤さんと宮崎さんの対談となれば きっと面白いだろうと思いましたが やはり面白く読めました。 対談とかは苦手ですが このお二人の話題は面白く 退屈せずに読めました。 こういうのを読むと 半藤さんが亡くなったのは 本当に残念です。 日本の過去を知りそして未来を考える人が もっと沢山いて欲しいですね。 宮崎さんも 半藤さんのように 過去を調べて 考える人なので 半藤さんの 思いを引き継いでいって欲しいですね。

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2022/07/18

「半藤一利」と「宮崎駿」の対談を収録した作品『半藤一利と宮崎駿の腰ぬけ愛国談義』を読みました。 『風立ちぬ』を観て、『零戦 その誕生と栄光の記録』を読んで、零戦のことや「堀越二郎」のことを、もう少し知りたくなったんですよね。 -----story------------- 世...

「半藤一利」と「宮崎駿」の対談を収録した作品『半藤一利と宮崎駿の腰ぬけ愛国談義』を読みました。 『風立ちぬ』を観て、『零戦 その誕生と栄光の記録』を読んで、零戦のことや「堀越二郎」のことを、もう少し知りたくなったんですよね。 -----story------------- 世界の「宮崎駿」×歴史探偵「半藤一利」が語り尽くす! 『崖の上のポニョ』ぶりの「宮崎駿」作品として話題を集める『風立ちぬ』の主人公は、ゼロ戦設計士「堀越二郎」がモデル。 世界の「宮崎駿」が書生となって、敬愛する「半藤一利」と語り下ろす。 「宮崎駿」監督が「かねてからお目にかかりたかった」という昭和の語り部「半藤一利」さん。 「漱石好き」という共通点からふたりはたちまち意気投合。 「宮崎」作品最新作『風立ちぬ』で描かれる昭和史をたどりつつ、持たざる国・日本の行く末を思料する―7時間余にわたってくり広げられた貴重な対談を完全収録した、オリジナル作品。 ----------------------- 初体面の「半藤一利」と「宮崎駿」が、大正~昭和初期の時代や、『風立ちぬ』について、自由気儘に語った対談を収録した作品です。  ■第1部 悪ガキたちの昭和史   共通点は漱石好き   隅田川の青春と朝鮮戦争   日露戦争と建艦競争   狙われた半藤少年と「宮崎飛行機」 他  ■第2部 映画『風立ちぬ』と日本の明日   3・11のあとで   気の強い母・遊び人の父   とっつきづらかった堀辰雄   遅れてきた軍国少年の涙 他 初体面とは思えないほど対談内容が盛り上がっており、読む立場でも愉しむことができました。 東京の下町で少年時代を過ごしたり、「夏目漱石」好きだったり、兵器(軍艦と戦闘機の違いはありますが… )好きだったりと、二人に共通点が多いことから、対談が始めって直ぐに打ち解けて、意気投合したようですね。 大正11年のワシントン軍縮会議で建艦競争が停止となったことから、工員や鉄が大量に余り、それが橋の博覧会とも言われる隅田川の立派な橋の数々になったことや、 ドイツは黄禍論の本場で、日清戦争での三国干渉主導や、日露戦争でロシアの味方だったこと、そして第一次大戦では日本とは敵国同士、第二次世界大戦では仲間だったはずのヒトラーが『我が闘争(マインカンプ)』では日本を卑下している… そのあたりの事実から、実はドイツ人は親日家ではないということ、、、 等々、なかなか印象深い対談内容でしたね。 『零戦 その誕生と栄光の記録』の読後に感じた、『風立ちぬ』に登場する「堀越二郎」と、『零戦 その誕生と栄光の記録』の「堀越二郎」に違いや違和感については、本書を読んで解決、、、 『風立ちぬ』の「堀越二郎」は、「宮崎駿」の創作人物で、「堀越二郎」と「堀辰雄」と「宮崎駿」の父親… 三人の要素が織り込まれて創られた人物だったようです。 タイトルの"腰ぬけ愛国談義"ですが、二人の対談の以下の部分からネーミングされたようですね。 ≪半藤≫ 「日本は脇役でいいんです。   小国主義でいいんです。   そう言うと、世には強い人がたくさんいましてね。   そういう情けないことを言うなと、私、怒られちゃうんですがね。」 ≪宮崎≫ 「ぼくは情けないほうが、勇ましくないほうがいいと思いますよ。」 ≪半藤≫ 「腰ぬけの愛国論だってあるのだッ と声だけはちょっと大きくして言い返すのですがね(笑)。   へっぴり腰で。」 ≪宮崎≫ 「ええ、ほんとにそう思います。   いいですね、腰ぬけ愛国論か…。」 これって本当に同感です。 勇ましくしようとして失敗したのが、第二次世界大戦までの歴史ですからねぇ… これからも腰ぬけで良いと思います。 この会話が印象的で、イチバン共感できる内容でしたね。

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2021/10/10

読後、映画「風立ちぬ」を見ると、その背景が一層理解できる。 設計者として美しいものを作る。目先の利益ではなく、国家百年の計として未来を構想することが出来るか。 先が見えなくても、いや真っ暗でも意思の強さ、美しさ、悲しさを知ることができる。希望、理想を捨てるなかれ。 風立ちぬ、い...

読後、映画「風立ちぬ」を見ると、その背景が一層理解できる。 設計者として美しいものを作る。目先の利益ではなく、国家百年の計として未来を構想することが出来るか。 先が見えなくても、いや真っ暗でも意思の強さ、美しさ、悲しさを知ることができる。希望、理想を捨てるなかれ。 風立ちぬ、いざ生きめやも。 ヴァレリーや堀辰雄、漱石のメッセージもそうなのかもしれない。 しかし、映画は詰め込んだ感じで、一回では分からないでした。

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2021/05/15

好きな2人の対談。 宮崎監督が半藤さんとの対談を希望された様で、 終始半藤さんと会話出来るのが楽しくて仕方ないといった印象を文章からも受け、読んでいてこちらもワクワクする。 愛国談義とはあるけれど、直接的な政治発言は少なく、風立ちぬ公開あたりの対談なので、風立ちぬに関する話題がメ...

好きな2人の対談。 宮崎監督が半藤さんとの対談を希望された様で、 終始半藤さんと会話出来るのが楽しくて仕方ないといった印象を文章からも受け、読んでいてこちらもワクワクする。 愛国談義とはあるけれど、直接的な政治発言は少なく、風立ちぬ公開あたりの対談なので、風立ちぬに関する話題がメイン。その中で戦争体験の話がチラチラと出てきて、お二人の反戦への想いが見え隠れする。 半藤さんが亡くなられたので、もう2度とこの対談を見る事は出来ないのかと思うと寂しい。

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2021/04/18

映画「風立ちぬ」公開に合わせて、公開前と公開後に実現した長時間座談の内容を記録したもの。半藤一利さんの追悼特集を読んで、やはりちょっとは読んでおきたいと思い手に取った。宮崎駿72歳、半藤一利83歳、8年前の対談である。 お二人とも軍事オタクだから、軍艦や飛行機の話になれば花が咲...

映画「風立ちぬ」公開に合わせて、公開前と公開後に実現した長時間座談の内容を記録したもの。半藤一利さんの追悼特集を読んで、やはりちょっとは読んでおきたいと思い手に取った。宮崎駿72歳、半藤一利83歳、8年前の対談である。 お二人とも軍事オタクだから、軍艦や飛行機の話になれば花が咲く。そのあい間にお二人の半生もちょこちょこ出てきて面白い。そしてやはり「風立ちぬ」の中身に突っ込んだ話が半分くらい占めて、私はあまり評価していなかったこの作品をも一度見直したくなった。 以下面白かった部分の要旨を箇条書き。 ・半藤一利「日本は、海岸線が長くて、資源が無くて、守れない、持てない国だ。それなのに、基本的には外交で守るしかない、とは誰も思わなかった。生命線とか愚かな思想が出てくる。現代は、長い海岸線に54基もの原発を無計画につくる。原発のひとつでも攻撃されたら、日本が滅ぶというのに。この国は武力による国防なんてどだい無理なんです。日本は脇役でいいんです。小国主義でいいんです。(66-69p) ・宮崎駿「アニメはこの50年でやり尽くした。あとは子供の人口が減って、どんどんジリ貧になる。大人の観客が増えて鈍化はしたけど、流れは止まらない。 ・宮崎駿「新河岸川の5分アニメを企画したことがある。郷土資料館で使ってもらえないかと。舟運の仕組み・歴史が一眼でわかる。でもついつい作ろうとすると30分ぐらいになっちゃう。 ・宮崎駿「堀越二郎のことを描かないと、かつてのこの国のおかしさは出てこない。(略)これを描くと子どもは土俵の外に置かれる、と言ったら誰かが「あとでわかる時が来るかもしれませんよ」と言って「そうかもしれない」と思ったのです。(略)あの時代を代表する二人は、自分にとって堀越二郎と堀辰雄だったんです。零戦だって、ぼくは描きたくないと思っていました。(略)終わりの草原はノモンハンのボロンバイル草原だよ、とスタッフに言っていた。(略)庵野は選びあぐねていた時に気が付いたんです。庵野秀明と出会ったのは、ぼくが43歳、彼が23歳、最初見た時は宇宙人がきたと思いましたよ。とうとうこういう人間が日本に現れたか、と。近頃ではいろいろなものを背負って歩いている。ギリギリのところで生きている。(略)やっぱり存在感が大事なんです。思い入れたっぷりに演技されるよりも、ボソッと喋ってくれた方がいいんです。 ・宮崎駿「堀越二郎は、真面目に一生懸命に仕事をしている。世界がいろいろ動いてもあまり関心を持っていない日本人。つまり、(宮崎駿の)親父です。(略)みんな刹那的でした。ドキュメンタリーをやってくれる人はいっぱいいますから、それはお任せしておいて、ぼくはやっぱり親父が生きた昭和を描かないといけないと思いました。 ・半藤「まだうまくいっていませんが、それでも東アジアが向かうべきはEUのような方向ですよ。 宮崎駿「ええ。それしかないですよね。 ←このことに関しては、私も全く「それしか無い」と思う!!

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2020/10/14

半藤氏の宮崎監督作『風立ちぬ』鑑賞を前後して対談しているため、前後の2部に分かれています。 自然と内容は『風立ちぬ』に巡るものが中心となっており、後半はとくに半藤氏が監督へのインタビューを務めたものとしても読めます。仮に他のインタビュアーであれば宮崎監督に恐る恐るお伺いを立てる...

半藤氏の宮崎監督作『風立ちぬ』鑑賞を前後して対談しているため、前後の2部に分かれています。 自然と内容は『風立ちぬ』に巡るものが中心となっており、後半はとくに半藤氏が監督へのインタビューを務めたものとしても読めます。仮に他のインタビュアーであれば宮崎監督に恐る恐るお伺いを立てる形になっていたかもしれませんが、半藤氏が当たることで素朴な質問に宮崎監督が率直に答えていて、『風立ちぬ』の背景が理解しやすくなっています。上映に合わせたこの対談は、とても良いタイミングと人選で行われたと思えます。 映画も含めて、二人の共通するテーマとして軍艦や戦闘機、戦争前後の日本、夏目漱石についてとくに多く触れられます。このあたりの話題や『風立ちぬ』に興味を持っていない方にとっては、取っかかりがなく感じるかもしれません。

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2020/04/03

風立ちぬを観て、読売新聞のコラムを読んで急いで読む。昭和の歴史の理解を助けてくれる。部屋の隅の風とおしのよいところで大人しくしている、という表現がぴったり来る。本当に全力でよく生きていく必要が出てきた。

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2019/10/14

宮崎はもちろん飛行機マニアで最後の長篇として大人向け戦前日本が舞台『風立ちぬ-生きよう』を作った。アニメを五十年作ってきて「もう無理」「トトロ続篇は緑が昔と違うので描けない」300×180のセル画で零戦の独特なカーブを描くのは困難。でも出さない訳にもいかない。半藤は少年時代、米軍...

宮崎はもちろん飛行機マニアで最後の長篇として大人向け戦前日本が舞台『風立ちぬ-生きよう』を作った。アニメを五十年作ってきて「もう無理」「トトロ続篇は緑が昔と違うので描けない」300×180のセル画で零戦の独特なカーブを描くのは困難。でも出さない訳にもいかない。半藤は少年時代、米軍機から機銃掃射された体験があるので軍艦マニアだと言う。大正大震災で被服工場跡地から助かったとは。軍国主義と見られるのを警戒してか、表題の如く「司馬遼太郎の言うように日本は表座敷に上がろうというのは思い上がりだった」  戦前も日本は民主主義で今の北朝鮮のような先軍主義ではない。戦前日本を『軍国主義』と言うのは変な言葉で、軍人は日米開戦は破滅とわかっていた。ただし政治家も国民も保護領を持つことを禁じられるのには堪えきれなかったに違いない。核兵器時代になって アイゼンハワーは「先制攻撃は許されない」としたが、真珠湾攻撃の前にはアメリカから耐え難いほど挑発があった。隠忍自重できるのは余程腰抜けか、冷徹な独裁者だけだろう。

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