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know の商品レビュー

3.9

185件のお客様レビュー

  1. 5つ

    44

  2. 4つ

    69

  3. 3つ

    47

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

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2014/02/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「知る」ということ、脳と情報処理にスポットをあてた近未来SF。知りたいという欲求、情報、ファジーなコミュニケーションの価値、曖昧さの重要さ。そんなことを感じられた一冊でした。

Posted byブクログ

2014/01/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

超情報化対策として、人造の脳葉〈電子葉〉の移植が義務化された近未来の京都が舞台。今で言えばスマホでできるようなことは誰でも頭の中でできるようになり、電子葉に慣れた若者はその場で調べられることを「知っている」と認識するようになっています。「知る」の定義が今と違うわけ。それでは、その「知る」とはどういうことなのか、猛烈な処理能力を誇る「量子葉」を持つ人間が全てを知ったときには何が起こるのか……。そんな疑問に突き動かされ、冒険が加速度的に進んでいきます。 近未来SF小説でありながら、冒険小説でもあり。銃撃戦や恋愛要素も少しあり。エンディングまでなかなか楽しく読むことができました。 面白いのは、登場人物たちの名前。主人公は、情報庁の官僚「御野・連レル」。その恩師で行方不明になっているのが「道終・常イチ」。恩師によって引き合わされた少女が「道終・知ル」、という具合です。近未来的なネーミングセンスなのだという認識で読み進めましたが、読み終えてから、名前が物語における役割を示しているということに気づきました。 久々にSF的な本に向かいました。たまにはこういうのも良いものですね。

Posted byブクログ

2014/01/14

攻殻機動隊的な世界観ということで勧められて読んだのだけど、面白かった。深く理解するためにはもう一回読みたいなぁ。なかなかテンポ良く進むので理解が追いつかないまま読んでしまったかも。

Posted byブクログ

2018/02/08

Twitterにて飛浩隆氏が楽しく読んだ旨を投稿していたので手を出してみたが、303ページで床に叩きつけたのが今さっき。 文章自体は基本的に洗練されているものの、ライトノベルレーベル出身作家特有の表現技法や性格づけ、言い回しなどが時折顔を出す。実際、出版当時に購入をためらったの...

Twitterにて飛浩隆氏が楽しく読んだ旨を投稿していたので手を出してみたが、303ページで床に叩きつけたのが今さっき。 文章自体は基本的に洗練されているものの、ライトノベルレーベル出身作家特有の表現技法や性格づけ、言い回しなどが時折顔を出す。実際、出版当時に購入をためらったのも試し読みした際冒頭2、3ページの展開から既に軽い嫌悪を覚えたためだ。 『失踪した恩師の目的とは?』というサスペンスじみた展開になり始めてからは確かに面白い。科学の門外漢である私にはこの本の娯楽小説としての側面しか理解しきれないが。展開が突飛でご都合主義であること、描写が雑で門外漢には難解であることから星はふたつとさせていただく。 繰り返すが、303ページでとうとう床に叩きつけた。そんな上手い(美味い?)話があってたまるかよ。

Posted byブクログ

2014/01/08

電撃文庫出身の野崎まどが書いたSF作品。いやー、面白かった。 物語の舞台は超情報化対策として人造の脳葉・電子葉の移植が人間に義務付けられた近未来の日本。人とコンピュータが一体化してるような感じですね。そんな世界で情報を管理する情報庁に務める官僚の御野は、恩師にして天才的研究者だ...

電撃文庫出身の野崎まどが書いたSF作品。いやー、面白かった。 物語の舞台は超情報化対策として人造の脳葉・電子葉の移植が人間に義務付けられた近未来の日本。人とコンピュータが一体化してるような感じですね。そんな世界で情報を管理する情報庁に務める官僚の御野は、恩師にして天才的研究者だった道終が情報素子コードに残した暗号を発見し・・・。 「情報の進化によって、人は今まで誰も知ることができなかった世界を見ることができるようになるかもしれない」と感じさせられる興味深い作品でした。

Posted byブクログ

2014/01/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

野崎まど早川文庫進出初作品。おめでとうございます! 誰もが補助脳としての電子脳を有し「知る」の意味が変わってきた時代。夢のようなガジェットとそれを当たり前とする世の中が面白い。先生の存在と謎、彼女と過ごす4日間などストーリー展開は悪くなく、安定している。だが惜しい。デビュー作のようなカタルシスには到達できなかった。彼女が死から戻ってこれたのか分からないラストは悪くなかった。誰もが死後を知っている、そのことを示唆するラストは悪い訳じゃないのに惜しいと感じた。なんだろう。結局14才の中学生と身体を繋いでしまうことが悪い意味で昔のSFらしいというか。悪くはないが、野崎まどならもっと先へ行けただろうと思う。次作を待つ。

Posted byブクログ

2014/01/06

久々の一気読み。 攻殻機動隊の電脳のように、脳をネットワークに接続すべく「電子葉」を移植が義務化された世界の話。(といっても話はその技術の最先端である京都で完結する) 「電子葉」はありとあらゆるものに使用されている「情報材」を介して情報を取得する。 人にも全て情報が付与されてお...

久々の一気読み。 攻殻機動隊の電脳のように、脳をネットワークに接続すべく「電子葉」を移植が義務化された世界の話。(といっても話はその技術の最先端である京都で完結する) 「電子葉」はありとあらゆるものに使用されている「情報材」を介して情報を取得する。 人にも全て情報が付与されており、いわば国民総タグ付けの世界である。 また、人のクラスによって、取得できる情報量と守られる情報量が決定されている。 伊藤計劃の「ハーモニー」的な世界観に近いか。 情報社会のあり方だとか将来的な話かなと思って読み進めていたが、どっこいもはや哲学のお話である。 「哲学は自然科学の最前線だよ」

Posted byブクログ

2014/01/05

なんと言えばいいか、オチには不満だけど、物語としては終盤近くまで楽しませてもらいましたというところ。 野崎まどなので、ちょっと警戒したのは事実だけれど、何も知らない人がそのまま読んでも問題はないでしょうね。おそらくは語られないままの何らかの世界設定があるのでしょうが、それが、あま...

なんと言えばいいか、オチには不満だけど、物語としては終盤近くまで楽しませてもらいましたというところ。 野崎まどなので、ちょっと警戒したのは事実だけれど、何も知らない人がそのまま読んでも問題はないでしょうね。おそらくは語られないままの何らかの世界設定があるのでしょうが、それが、あまり意味をもっているわけじゃないだろうと思います。舞台が京都であることとかね。 ただ、アイディアと、ヒロインの強烈さで引っ張りすぎなので、それ以外の部分の味わいが不足してて、もったいない。ああ、結構頻繁にもったいないって言ってるなぁ。思うに、登場人物それぞれにもっとドラマがあってしかるべきだし、まあ、そういうことを始めると、翻訳物なみの厚さになるだろうけれど、そういうのが読みたいし、そういう様々なドラマを配置しうるだけのストーリーたりうると思います。だから、これをモチーフというか、「ノルウェイの森」における「蛍」のようなものにして、あるべき本編たる長編小説を書いてくれればいいのにな、なんて思ったり。 あと、蛇足ながら。 オチが嫌いなのは、それが救いのような仮面を被っているからですよ。とはいえ、どうやら、そこがキモのアイディアなので悩ましい。別れた人にもう会えないということには、切実さがあるがゆえに、物語としての味わいをもたらすと思うんですがね。

Posted byブクログ

2013/12/28

いやあ、これはこれは!久々に「SF」を読んだなあという満足感でいっぱい。危うくパスするところだった。よくぞ読んだものだ。 大森望さんの「萌え要素をちりばめながらそっち方面には行かない」という評がなかったら、この表紙ではまず手に取らなかっただろう。控えめではあるけれど、はっきりと...

いやあ、これはこれは!久々に「SF」を読んだなあという満足感でいっぱい。危うくパスするところだった。よくぞ読んだものだ。 大森望さんの「萌え要素をちりばめながらそっち方面には行かない」という評がなかったら、この表紙ではまず手に取らなかっただろう。控えめではあるけれど、はっきりとラノベ的。おまけに冒頭部分があまりにも陳腐で、投げ出したくなったのを我慢して読んでいったら、だんだん引きこまれていった。大森氏の言う「ちりばめられる萌え要素」はまったく好きではないけれど、物語の行き着く先は堂々たるSFの大技だ。 もっとはっきりちゃんとしたSFってわかるようにしてよね!と思いかけて、ふと気づく。いやこれは逆なんだな。「本格SF」じゃないなら読まないもん!なんて奴より、ラノベ風の看板にひかれて読んだら、あらまあこれってすごいんじゃない?って思う人の方がずっと多いってことだ。 提示されるビジョンの大きさがとてもいい。想像力を駆使して、思いも寄らない景色を見せてくれるのがSFの醍醐味だろう。しかもそれが突飛なものという感じがないところが本作の優れているところだ。いやまあ、常識的には十分突飛なんだけど。 あと、大森氏も書いていたが、京都で学生生活を送った身には、設定が感涙ものだ。2080年の未来にも京大がまだあって、それより何より、進々堂が創業150年を迎えているというんだから!確かに京都は(特にあの近辺は)少々の時の流れにはびくともしない感じがある。いろんな意味で楽しんで読みました。

Posted byブクログ

2013/12/18

SFをほとんど読まない私が一気読み。面白かったー。非常に読みやすく馴染みやすいのだけど、多分しっかりと理解して読むとものすごいことが書かれているんだろうな、と思う。SF初心者にもラノベ世代にもオススメだ。と思っていたら本の雑誌社「オススメ文庫王国2014」で大森さんがベスト10に...

SFをほとんど読まない私が一気読み。面白かったー。非常に読みやすく馴染みやすいのだけど、多分しっかりと理解して読むとものすごいことが書かれているんだろうな、と思う。SF初心者にもラノベ世代にもオススメだ。と思っていたら本の雑誌社「オススメ文庫王国2014」で大森さんがベスト10に入れていたのできっと本格的SFファンでも楽しめるんだろう。 「知る」という事の本当の意味は多分この世界にいる限り「知る」ことはできないのだろうね。

Posted byブクログ