1,800円以上の注文で送料無料

know の商品レビュー

3.9

185件のお客様レビュー

  1. 5つ

    44

  2. 4つ

    69

  3. 3つ

    47

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2024/09/24

野崎まど小説作品は初。アニメ『バビロン』の衝撃を受け観終わった後すぐに購入していたが他の読書に気を取られ積読。しかし、読み始めると止まらず久々の一気読みに陥る。 テーマは攻殻機動隊とかにも見られる、IT技術を脳に搭載して爆発的に扱える知識量が増大しているという世界。ではあるが、...

野崎まど小説作品は初。アニメ『バビロン』の衝撃を受け観終わった後すぐに購入していたが他の読書に気を取られ積読。しかし、読み始めると止まらず久々の一気読みに陥る。 テーマは攻殻機動隊とかにも見られる、IT技術を脳に搭載して爆発的に扱える知識量が増大しているという世界。ではあるが、物語の幅とそのディテールが半端ない。縦横無尽に話題は移ろい、仏教の悟りからイザナギとイザナミの古代神話、果てはエデンの園までとその情報量の洪水で知的好奇心への刺激がいい。 そんな中にも一貫したテーマである知ること=生きることというへと収束させていくこの手腕。圧巻のストーリーテーラーです。ゾクっとする、手に汗握る、ふふって心が温かくなる、などなど感情が常に揺さぶられる作品です。 ラストの結び方もほんとに素敵。 SFなので理論的な難しい設定はあるけれど、発売当時よりも現代のほうがさらにこの作品の世界に近づいている実感があるからか、そこまで理解できないってことはなかったな。その感触に少し末恐ろしさはよぎるのですが。

Posted byブクログ

2024/08/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

情報の処理能力を突き詰めるとまるで超能力のようになり、人間のまま神に近づいていくような知ルを見ているのが面白かった。 クラス5だと威張っていたエリートの連レルが、知ルに出会ってからはすっかり低クラスの顔をしているのもなんだか面白かった。 情景が浮かんできて読みやすいし、このコンビなかなか良いぞと楽しく読んでいたが、どうしても気になったのが終盤で二人が男女の関係になったこと。そしてそれを肯定する第三者が用意されていること。 成人男性と少女。今の感覚ではナシだけれど、10年前ならアリだったんだろうか。電子葉や情報処理の話、人智を超えた力を読むのはとても楽しかったのに、二人の関係ありきで話が作られているのだなと気づいて評価が下がってしまった。

Posted byブクログ

2024/08/12

野崎まど劇場を見た後なのでただただびっくり。ライトノベル作家だと思ったらこんなにしっかりした文章を書かれるのかと感心しました。 内容は途中でラノベでいそうなイカレキャラみたいなのが出て来たり物理的に無理だろうとかいうところもありますが、文章の読みやすさと大枠ができていることでカ...

野崎まど劇場を見た後なのでただただびっくり。ライトノベル作家だと思ったらこんなにしっかりした文章を書かれるのかと感心しました。 内容は途中でラノベでいそうなイカレキャラみたいなのが出て来たり物理的に無理だろうとかいうところもありますが、文章の読みやすさと大枠ができていることでカバーされています。 最後の一文がとても好きです。こんな世界になったらいいのになぁと思う、綺麗なお話でした。

Posted byブクログ

2024/07/18

面白かった! 知ると生きるは同じこと、と言う台詞が印象に残った。 SFだが読みやすく、わかりやすかったのも良かった。

Posted byブクログ

2024/07/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

薦められて読んだ。 設定が行き届いていて引っかからず読めつつ、情報素子や情報材などは星新一のようなざっくりしたSFっぽさで好みだった。 文体が小難しくなく平易なのもよかった。 うまいこと段階的に情報が明かされていって、主人公の独白のみかつ京都で4日間だけの話と限定された中で中弛みせず読ませられた。 知ルの倫理観が理解し難い場所に到達しており先生ともども死を厭わず、個人の生存欲求よりも上回る知識欲のための行動を命を捨ててまで選択させることで、人間の根源的に最も強い欲求は知識欲であることを強めに示していていいですね、と思った。自分もそれが起きたら自分はどうなるのだろう?ということを知りたいがために自分の身体を使うという感覚で何かを試すことがあるため、程度は違うが感覚的に共感した。 ちょっとあれだったのは、27歳と14歳に性行為をさせるのは2013年のラノベおい!!!と思った。水を差すようだが本当にどうかと思うしノイズになるから未成年を性的に扱うのは本当にやめて欲しい。痴漢だの最悪な目に遭わせられている実在する女性の苦しみについて考え、JKをユニコーンみたいな実在しない動物だとでも思ってんのかよ…とか色々本筋と関係ない言いたいことが湧き、無駄にノイズになる。本当にやめて欲しい。 序盤の悪役は品がなく短絡的で好みではなく若干テンション下がってしまったので、最期のやり合いはそのようなものでなく安堵した。 ドレスに着替えて踊りながら銃弾を避けるシーンは好きだった。ああいった周囲の空気感とメインキャラクターの雰囲気に乖離があるシーンは好きだ。ダンスといい、最期にキスをして一度目の死を迎えることといい、ロマンチックなのが好きらしいな。私が結構好みだったのはキスとセックスでキスをよりよいものとして捉えているらしいのは話のわかるやつだな、と思った。セックスは理性が欠けてコミュニケーションとしての側面が失われがちなので、愛情表現という意味ではキスはまさに最高の情報といえる。 独白で進むから没入感があり一気に読めた。エピローグでさらっと知ルが戻ったのが示されて、爽やかな幕引きで良い読後感だった。

Posted byブクログ

2024/06/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

個人的初の野崎まど作品。舞台は今から約60年後、電子脳の移植が義務付けられた超情報化社会。あらすじから勝手にディストピア系作品を想像してましたが、全然違いました笑。正直なところキャラクターには全く共感できず、14歳の女の子とやり始めたときはちょっと引きましたが、世界観は非常に好きな作品でした。ラストは?って感じでしたが、エピローグ的に死後の世界の情報も仕入れて記憶引き継いで転生する世界ですかね。。(何度も転生してたら俺でも東大入れるかな。。あ、みんなするから無理だわw)。その後が気になる作品でした。

Posted byブクログ

2024/05/08

人生で3冊目のSF、充分面白かった。圧倒的な世界観と設定の緻密さ。しかしそれだけで終わらず、しっかりとしたストーリー展開と素晴らしい読後感がある。途中から登場する1人の少女をキッカケに、前半とは全く異なる話になっていった。 設定も天才的ではあるが、全てを追おうとするとかなり難解...

人生で3冊目のSF、充分面白かった。圧倒的な世界観と設定の緻密さ。しかしそれだけで終わらず、しっかりとしたストーリー展開と素晴らしい読後感がある。途中から登場する1人の少女をキッカケに、前半とは全く異なる話になっていった。 設定も天才的ではあるが、全てを追おうとするとかなり難解であり、序盤は設定に入り込むのが少しキツかった。 因みに本題からはそれるが、SFの中でもより現実的に則したものもあれば、よりアニメっぽい、ラノベっぽいものもあるように思うが、自分はあまり後者は得意ではないのかもしれない。 それは個人的には良くない考え方に根ざしていると感じる。というのも読書とはアニメなどとは違うべき、といった無意識の思想がある気がする。さしずめ、せっかく読書をするのだから、身になるものを読まなければ、といった固定観念だろう。それはあまり好ましくないので今後もできる限り選り好みせず、幅広く読書をしていきたい。

Posted byブクログ

2024/03/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

世界観と物語の締め方は好き。ただキャラクターには全く魅力を感じられなかった。あえてそういう描き方かもしれないけど。終盤のロリコン的展開にはドン引き。部下の女性キャラもほぼ意味がなかった。

Posted byブクログ

2024/03/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

最近は久しぶりに死後の世界とか霊とかおばけとな、そう言った類のことを考える機会がおおかったけど、今回もそんな感じの話にぶち当たって、やっぱり考えているものは引き当てるものなんだなと思った。2歳の息子は自分になる前を覚えてるっていうし(日本以外の国の男性で独り身だったらしい笑)やっぱり魂の生まれ変わりとか、死後の世界とか、あったらいいなって思う。知りたい!とは生きるということと言われて、ああ、良かったと思った。

Posted byブクログ

2024/05/27

情報のやり取りは脳に埋め込まれた「電子葉」で処理がされるのが当たり前の未来社会。全知を手にいれるために行動する天才学者とその娘。 ブラックホールの中を覗ける場にいたら、覗きにいくだろうか?2度と戻ってくることができないとわかっていても。知りたいという欲求を叶えるために、天才はあ...

情報のやり取りは脳に埋め込まれた「電子葉」で処理がされるのが当たり前の未来社会。全知を手にいれるために行動する天才学者とその娘。 ブラックホールの中を覗ける場にいたら、覗きにいくだろうか?2度と戻ってくることができないとわかっていても。知りたいという欲求を叶えるために、天才はあらゆる準備を重ねるのだ。凡人には思いもよならい方法で。 今回も私の想像を超える世界を見せてくれた作品でとてもおもいしろかった。

Posted byブクログ