里山資本主義 の商品レビュー
★あくまでサブの選択肢★これもしばらく前に読んだ記憶だが、お金が乏しくなっても水と食料と燃料が手に入る仕組みとして、里山資本主義を挙げる。あくまで「サブシステム」という留保をつけているはずなのに、これで生きていけるように世間でとらえられがちなのは、あまりに声高々に唱えるからか。 ...
★あくまでサブの選択肢★これもしばらく前に読んだ記憶だが、お金が乏しくなっても水と食料と燃料が手に入る仕組みとして、里山資本主義を挙げる。あくまで「サブシステム」という留保をつけているはずなのに、これで生きていけるように世間でとらえられがちなのは、あまりに声高々に唱えるからか。 NHKのプロデューサーやディレクターの書きぶりが、盛り上げるためかもしれないが、地に足が着かず空々しい。具体的な事例は分かるけれど、それだけじゃ成り立たない。本気で信じているなら盲目的すぎるし、ポーズなら表現が下手すぎる。
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岡山の銘建工業は、木くずによるバイオマス発電によって、年間1億円の電気代の節約と5000万円の売電による収入を得ただけでなく、産業廃棄物処理費用の年間2億4000万円をゼロにした。発電で使い切れない木くずはペレットにして販売している。 オーストリアの森林面積は日本の15%だが、...
岡山の銘建工業は、木くずによるバイオマス発電によって、年間1億円の電気代の節約と5000万円の売電による収入を得ただけでなく、産業廃棄物処理費用の年間2億4000万円をゼロにした。発電で使い切れない木くずはペレットにして販売している。 オーストリアの森林面積は日本の15%だが、タワーヤーダーやなどの最新鋭の機械を導入して丸太生産は日本より多い。ペレットを生産し、ボイラーには助成を出して推進している。ギュッシング村は、バイオマスを利用した発電とセントラルヒーティングでエネルギー自給率72%を達成した(「100%再生可能へ!」滝川薫)。 藻谷氏は「マネーに依存しないサブシステムを再構築しよう」と書いているが、人間は植物の生産力なしには生きていけないのだから、国土を保全して植物の生産力を維持し、それを利用し続ける制度や技術を維持していくことは人間活動のベースになるべきものだろう。
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里山は最先端の仕事場! バイオマス発電、ペレットボイラー、エコストーブ、CKTなど、時代が必要としているものは里山で生まれている! 新しいものが作られれば仕事が生まれる! 井戸から水を汲み、山で拾った焚き木で火をつけ、畑や田んぼで育てた米や野菜と山や川で獲れた魚や獣を食べている生...
里山は最先端の仕事場! バイオマス発電、ペレットボイラー、エコストーブ、CKTなど、時代が必要としているものは里山で生まれている! 新しいものが作られれば仕事が生まれる! 井戸から水を汲み、山で拾った焚き木で火をつけ、畑や田んぼで育てた米や野菜と山や川で獲れた魚や獣を食べている生活をしていれば、収入が少なくても安心して暮らしていける! 今ではネット環境が充実しているから、現代的な生活を手放す必要もない! 保育所が足りないなんてこともないから子育てしながら働くこともできる! すぐに役立つマネーはすぐに役に立たなくなる! 古来からの循環システムを今こそ利用しなければ!
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東京から鳥取に来たというと、「なんでこんな、なにもない田舎に?」と必ずと言っていいほど聞かれる。なんでもある東京から来た私にとって、「なにもない」ことがむしろ新鮮なのだ。そしてもちろん、「なにも」なくはない。東京みたいに沢山のお店や分刻みの電車、便利さはないけれど、東京にはないも...
東京から鳥取に来たというと、「なんでこんな、なにもない田舎に?」と必ずと言っていいほど聞かれる。なんでもある東京から来た私にとって、「なにもない」ことがむしろ新鮮なのだ。そしてもちろん、「なにも」なくはない。東京みたいに沢山のお店や分刻みの電車、便利さはないけれど、東京にはないものが、とても沢山ある。それが、私が鳥取を退屈だと思わない理由だ。 「こんな田舎」だなんて、謙遜であっても言って欲しくない。 「ようこそ、鳥取はすてきなところでしょう?」と、自信を持って言ってくれる地元の人が増えれば、田舎はもっと、どんどん魅力的になっていくと、心から思う。 過疎を逆手に取る会(通称:逆手塾)に参加して、この本に出てくる沢山の方とお会いすることができて、本当に光栄だった。 里山資本主義の向こうに広がる、金銭換算できない「豊かな」世界。人との絆と自然の恵みを大切にする、揺るがない世界。 マネー資本主義が抜け切らない私だからこそ、痛い所をつかれてちょっときまりが悪いと共に、ものすごく響く里山資本主義の考え方。0か100かではなく、自分なりの良い塩梅を見つけていきたいと思う。 ————————————————————— マネー資本主義に染まりきってしまった人の中には、自分の存在価値は稼いだ金銭の額で決まると思い込んでいる人がいる。それどころか、他人の価値までをも、その人の稼ぎで判断し始めたりする。違う、お金は他の何かを買うための手段であって、持ち手の価値を計るものさしではない。 (中略) 人は誰かに「あなたはかけがえのない人だ」と言ってもらいたいだけなのだ。何を持っていなくても、何に勝っていなくても、「何かと交換することはできない、比べることもできない、あなただけの価値を持っている人なのだ」と、誰かに認めてもらいたいだけなのだ。さらにいえば、何かの理由でお金が通用しなくなったとしても、何かお金以外のものに守られながら、きちんと生きていくことができる人間でありたかったはずなのだ。
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文体が興奮しすぎで「少し落ち着け」という気持ちになるが、主張には賛同できる。 お金だけに頼らないで生きていくシステムを構築する、 資本主義の補助システムが必要だというのは良い主張だと思う。 資本主義に限らずあらゆるシステムは万能ではない だからそれをカバーする別のシステムを用意し...
文体が興奮しすぎで「少し落ち着け」という気持ちになるが、主張には賛同できる。 お金だけに頼らないで生きていくシステムを構築する、 資本主義の補助システムが必要だというのは良い主張だと思う。 資本主義に限らずあらゆるシステムは万能ではない だからそれをカバーする別のシステムを用意しておくことは必要だ。 ただこれってお金の代わりに人間関係やコトモノのやりとりを重視するわけで、 それは社会主義に近いのではと思う 余った農作物を融通したり労働力を提供したりというのは つまり共同体の中で成果物を分配しているのだから社会主義的だ もちろんお金を否定しているわけではないので資本主義的な面もあるのだが。 木材加工から出た木くずをペレットにして発電や冷暖房器具に使用するバイオマスエネルギー利用は 山林の多い日本には適していると思う 切れる手札は多ければ多いほどいいので、この方面の技術革新は進んでほしい 資本主義も社会主義もそこまで詳しいわけではないのだが、 ざっくりとしたイメージでは資本主義という名称には違和感がある 実際、名称だけ見たときは「自然に帰れ」みたいな印象を抱いていた その点は筆者らも気にしていたようで資本主義か里山資本主義かの2択で考えることは文中で戒められている。 帯にも文中にも何度も出てくるが、あくまでもバックアップシステムとしての位置づけなので あまり叩かないで上げてほしい。
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この本はぼくの中にある矛盾を突いてきます。 大阪という大きな田舎で生まれ育ってきたのでマッチョな成長の方が良いに決まってると頭では思っています。 でも心のどこかで徳島や和歌山で山から燃料を得て畑です果物を作ってジャムとか特産品を作りたいという思いもあります。 今は何もできないです...
この本はぼくの中にある矛盾を突いてきます。 大阪という大きな田舎で生まれ育ってきたのでマッチョな成長の方が良いに決まってると頭では思っています。 でも心のどこかで徳島や和歌山で山から燃料を得て畑です果物を作ってジャムとか特産品を作りたいという思いもあります。 今は何もできないですけど心を揺さぶられる本でした。
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以前聴いた藻谷さんの講演が、面白かったので気になっていたんですが、やっと読めました。 グローバリズムとマネー資本主義に反旗を翻す動きは、世界のあちこちで出てきてるんですが、この本は右翼勢力の台頭みたいなマッチョな解決方法じゃなく、日本らしいしなやかなオルタナティブを提案してくれ...
以前聴いた藻谷さんの講演が、面白かったので気になっていたんですが、やっと読めました。 グローバリズムとマネー資本主義に反旗を翻す動きは、世界のあちこちで出てきてるんですが、この本は右翼勢力の台頭みたいなマッチョな解決方法じゃなく、日本らしいしなやかなオルタナティブを提案してくれます。 NHKの『マネー資本主義』も面白かったし、この『里山資本主義』も素晴らしい。こういう番組~書籍が作れるのがNHKの魅力だと思うんだけど、最近の御用メディアに凋落したかのような姿は残念で仕方ないですね。 しかし、太陽光発電とかもほんまアホ臭く感じる。 20年そこそこで有害な処理の難しいゴミにしかならんパネルより、半永久的にエネルギーと資材を提供してくれる森林のありがたさを顧みるべきちゃうかな~。
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「里山資本主義」という名称で損をしている。ぼく自身、偏見を持っていた。 「木材資源を活用したエネルギーの自給自足・地産地消を、先端技術によるスマートシティ化とあわせて推進する」という主張なら、多くの人にとって乗りやすいはずだ。 この主張を広めるためには、「里山」「絆」「反マネ...
「里山資本主義」という名称で損をしている。ぼく自身、偏見を持っていた。 「木材資源を活用したエネルギーの自給自足・地産地消を、先端技術によるスマートシティ化とあわせて推進する」という主張なら、多くの人にとって乗りやすいはずだ。 この主張を広めるためには、「里山」「絆」「反マネー」といったイデオロギー色を消したほうがいい。そもそも「里山資本主義」という名称がマズい。受け入れがたい。 その意味で、ジブリのイラストを用いた新装は逆効果だ。すごく「古い左翼」のイメージを強化してしまっている。 ああ、もったいない。
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少子高齢化、デフレ、需要の低迷などなど行き詰った日本とマネー資本主義をどうするか。そこにひとつの回答として、サブシステムとしての里山資本主義を提言する。単純に言えば、あるもので豊かになろう、ということ。示唆に富んだ一冊。
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グローバルな金の流れにあえて逆らうローカルな仕組みをこれから沢山作っていくことがいかに大事かを学ばせてもらった。
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