わたしをみつけて の商品レビュー
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*施設で育ち、今は准看護師として働く弥生は、問題がある医師にも異議は唱えない。なぜならやっと得た居場所を失いたくないから―* そんな「捨て子」の弥生が、揺るぎない信念を持つ師長に出会い、徐々に自身の存在を認めて成長していく物語。弥生だけでなく、周辺の看護師たちも一斉に変化していく展開は小気味いいものの、院長の手術直前のセクハラや乱暴で雑過ぎるオペ や対処の仕方に違和感が残ったし、菊池さんのその後までせめてエピローグ的に書いて欲しかったなと思い、☆は3つ。
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人との出会いを通じて、かわっていく主人公。「わたし」は、独りで作られるものではなくて、人に育ててもらうものなのだと気付かされた。
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自分が自分として生まれてきたことを、それがたとえどんな風であれ、感謝してみたとしたら、何か変えられるのかもしれない。 それすらできずに、失われてしまう命があるという現実を思えば、なおさら。
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ひりひり、ひりひり、する。 でも最後の最後に、なんとかほほ笑むことができる、 そんなお話。 きみはいいこ、がよかったので、 他のもよんでみよーと思い手にとる。 いやあ、中脇さん、いいなあ、好きです。 文は比較的易しいので、一見児童文学的でもあるんだが、 内容は、なんかこう、人の核心をついてる、とゆーような印象。 「名づけは親の最初の暴力みたいなものだし」 に衝撃とともに、ちょっと納得。 そりゃあ、大抵は子を想ってつけてるんだろうし、 どちらかというと最初の贈りもの、なんだろうけど、 それが、そうじゃない場合もあるんじゃないだろうか。 最近のキラキラネームとか、親のエゴが強すぎる気も・・・。その名前で呼ばれて、その名前で生きていくんだもんなあ。 九九の呪文ペーパーを書いてた菊地さんに、感動。 え?なに、この人、どんだけいい人なの!!!? こんな出会いってあっていいの?? ありがとうっ!ってな感じで、落涙ものでした。 にしても、トンでも病院だな。 こんな病院あっていいのか。あるわけないよな、と思いたいが、どっかの大学病院でもそーいや何人も患者死なせてたよなあー。 もちろん、真摯に患者と向き合っている人たちだって いるんだろうけど、運悪く、こーゆー医者もどきにあたってしまったらどうしたらよいのだろう?? ラスト、悪い予感は的中して、院長、お前が死ね、と呪いました。 うう、菊地さん、絶対助かってくれよ~~~。 親に捨てられた。 その自分に対する最初の拒否に深く傷ついて、 その傷を抱えたまま生きてきた主人公が、 新しい出会いによって、少しづつ強く、前をむいていく。 こーゆー出会いは、素敵だ。 間違っていることに、慣れちゃだめだ。 人は簡単に染まってしまうから。 でも、変わることだって、きっとできる。
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タイトルが、切実に響く。 「わたしをみつけて」 いつでも、誰かのことを見つけられる存在でありたいと願いながら。
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どんなに望んでも手にいれられないものが弥生にはあった 自分の本当の名前、本当の誕生日、本当のお父さんとお母さん もしかしたらいたかもしれない兄弟 七夕の短冊やサンタさんの手紙に「お母さん」と何度も 書いて願ったのに叶わなかった。 東京の産院で捨てられ、乳児院で育てられ二歳...
どんなに望んでも手にいれられないものが弥生にはあった 自分の本当の名前、本当の誕生日、本当のお父さんとお母さん もしかしたらいたかもしれない兄弟 七夕の短冊やサンタさんの手紙に「お母さん」と何度も 書いて願ったのに叶わなかった。 東京の産院で捨てられ、乳児院で育てられ二歳になると 児童養護施設へ、弥生にとって準看護師の仕事は 生きていくための手段にすぎず、せめてやらなくては いけないことさえやっていればそれ以上は責められない いい子でさえいればクビになることもない そうやってこの病院で11年働いてきた弥生 ひっそりと息を潜めるように生きてきた彼女に 新しい出会いが訪れます。 一人は新しい師長の藤堂、入職1日目にして入院患者52人 すべての状態と課題を把握しているとても有能な人で 患者のためになるかどうか、それだけを考えて 仕事をしている人。弥生はこの人に色々な事を 気付かされていきます。 そしてもう一人は弥生が仕事の帰りに知り合った 菊池さんが入院してきたこと 菊池さんは弥生が誰にも知られたくない事を 知ってしまっても、弥生を気遣い見守ってくれた 師長は厳しくも温かい言葉で弥生を成長させてくれていた。 自分がお腹いっぱいご飯を食べて寝ることができ 自分に寄りそってくれたひとがいたこと、自分ひとりで 育ってきたわけじゃなかった。 見守ってくれていた人がいたことに気付いた時、 この人を守りたいと思った時、今まで自分が避けて やり過ごしていた事に立ち向かいます。 新な目標を持ち他人にもう一歩寄り添えた弥生は もう、いい子のふりも悪い子のふりもしない 私はわたしなのだと前を向いて歩いていけそうです。 これからの弥生にエールを送りたくなります 藤堂師長もいい人でいい先生の下につくと いい看護師が育つというのがよくわかります 師長と菊池さんの懐の深さが沁みました。
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出会う人によって人間って変われるんだなぁ〜弥生の成長を応援します。私にも素敵な出会いがありますように!
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『きみはいい子』を読んでから少したって、また手にとった中脇初枝さんの本。 主人公の准看護師の弥生は、3月に捨てられていたから、その名がついた。 親を知らず、施設で育ち、看護師としていい子でい続けようと決め、周りとの諍いなく、日々勤め、暮らしていた。 いい子でいれば捨てられない、...
『きみはいい子』を読んでから少したって、また手にとった中脇初枝さんの本。 主人公の准看護師の弥生は、3月に捨てられていたから、その名がついた。 親を知らず、施設で育ち、看護師としていい子でい続けようと決め、周りとの諍いなく、日々勤め、暮らしていた。 いい子でいれば捨てられない、そう心に決めて。 新しい看護師長、近所の菊池さんとの出会いから、少しずつ固くなになっていた心が溶けていく弥生。 自分のいる場所を見つけ、そこで頑張ると決める。 3月に『拾われた』わたし。 3月に祈られたわたし。 いろいろ考えさせられました。 施設のことも、病院のことも。 師長や菊池さんのように、常に他人を思いやれる、そんな人には、どうしたらなれるのか、とか。 最後の弥生の決意に涙が出ました。 明日の見える終わり方で良かった。 いい本でした。
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見えなくていいものもある 気付かなければ見えないものもある 何を選ぶかは人それぞれなのだろうけど よいものを受け取る感度の高い人は幸せだろうなーと思った。 その感度が高い人は、 真っ直ぐな愛情をたっぷり受けてきた人 もしくは 後天的に気づくことができた人 どちらにしても自...
見えなくていいものもある 気付かなければ見えないものもある 何を選ぶかは人それぞれなのだろうけど よいものを受け取る感度の高い人は幸せだろうなーと思った。 その感度が高い人は、 真っ直ぐな愛情をたっぷり受けてきた人 もしくは 後天的に気づくことができた人 どちらにしても自分で自分をきちんと認めることが大切なのかなあと。 そのためには、他者の優しさの積み重ねと手放しで存在自体を認めてくれる人が必要不可欠なのかな。 小さな善意に気づけるようにありたいなあと。 気付かなければ見えない優しさを持てるようになりたいなあと思う。
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新刊の「みなそこ」を手に取ったものの、一旦置いてこちらを先に読むことに。とても良かった。児童文学作家という側面を持つ著者の、虐げられた者の弱さを知りながらも光の方へ向かう力を信じているような視線が好きだ。
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