折れた竜骨(下) の商品レビュー
中世ファンタジーと本格ミステリが見事に融合した特殊設定ミステリ。犯人の条件は割と分かりやすく示されるが、それを満たす人物を絞り込むのはかなり難しかった。 同じ世界観で続編が出てほしい。
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米澤先生の作品の中でも珍しいというか、本格ミステリの印象が強いイメージがあるのですが、こういった特殊な設定のミステリも描かれるんだとは思いませんでした。 舞台は、12世紀のイングランドに属するソロン諸島。領主であり、王でもあるローレントが誰かに暗殺されたところから物語が始まる。 ...
米澤先生の作品の中でも珍しいというか、本格ミステリの印象が強いイメージがあるのですが、こういった特殊な設定のミステリも描かれるんだとは思いませんでした。 舞台は、12世紀のイングランドに属するソロン諸島。領主であり、王でもあるローレントが誰かに暗殺されたところから物語が始まる。 犯人探しから、呪われたデーン人との闘いから、まるでロールプレイングゲームの中に自分がいるかの如くストーリーは進んでいきます。 私の個人的な意見として、ミステリとファンタジーが結びつくのか、魔法が出てきたら世界観が崩れるんじゃなかと最初は感じていたのだが、読み進めていくうちに、その魔法が事件の解決にいいアクセントで繋がるので、より良い方向に読み進めていくことができました。 日常の謎もいいけど、こういった特殊ミステリも 好きになりました。
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12世紀イングランドの架空の島が舞台、しかも魔法あり。そこでしか描けない本格ミステリの素晴らしさ。 マジックからロジックへと、流れるように繋がる美しい展開。理詰めで犯人を特定する鮮やかさ。 キャラクター造形も魅力的で、完全無欠な読後の満足感。
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折れた竜骨下巻 全てにおいて秀逸。謎解きも、デーン人達との戦いも、登場人物達の動かし方も。物語の結末についても大団円に相応しい、余りにも完璧な完結だ。 上巻では領主を殺害した犯人は誰かが一番の本筋だったが、下巻でそれを踏襲しながらもデーン人達と傭兵達との戦闘シーンが山場に据え...
折れた竜骨下巻 全てにおいて秀逸。謎解きも、デーン人達との戦いも、登場人物達の動かし方も。物語の結末についても大団円に相応しい、余りにも完璧な完結だ。 上巻では領主を殺害した犯人は誰かが一番の本筋だったが、下巻でそれを踏襲しながらもデーン人達と傭兵達との戦闘シーンが山場に据えられており、この場面の項数は限られているのだが小説一作分の面白さがあり、読みごたえ充分だ(ゲームやアニメ等、別媒体でも最高の物語になるだろう) 胡散臭い傭兵達が余りにも見事に活躍し、これ程巧みに登場人物達を持ち味通りに活躍させる作家はいない。 最後、真犯人の追及はあらゆる探偵小説に沿って行われているが、このパートで登場人物達の秘密が少しずつ明かされていき、驚きを持ちながらも最後、真犯人がわかった時の衝撃は今後起こることは無いかもしれない(この手の真相で一番上手に活用されている。) 騎士フィッツジョンと従者のニコラ。捕虜だったデーン人の真実。一人一人の物語がとても魅力的で終わって欲しくない作品だ。 アミーナの決断は大きく、彼女の生き様と覚悟を感じる事ができた。ニコラが成長し、改めてデーン人達との死闘を描いた作品も見てみたいなぁと思いつつ(ミステリーじゃ無くてもいいので)、最高の作品を読む事ができた余韻に浸る。
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中世ヨーロッパを舞台としながら、架空の島国、魔法という特殊設定をあしらい、本格推理小説として作られた作品。 孤島という大きな密室で起こった殺人、不死の軍団との戦争、魔法使い同士の因縁、とミステリーをベースにした話と同時にファンタジックなストーリーが並走する。 最後はミステリーらし...
中世ヨーロッパを舞台としながら、架空の島国、魔法という特殊設定をあしらい、本格推理小説として作られた作品。 孤島という大きな密室で起こった殺人、不死の軍団との戦争、魔法使い同士の因縁、とミステリーをベースにした話と同時にファンタジックなストーリーが並走する。 最後はミステリーらしい解決がなされ、散りばめられた伏線も回収される。小説ならではの面白さが詰められた作品だった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
長編ファンタジーミステリー小説の後編。 とても面白かったです!魔法と魔術の世界できちんと伏線回収しミステリーとして成立していたのがとても良かったです。現当主殺害の犯人はだれなのか、トーステンはどう塔から消えたのか、傭兵達が隠す秘密などの要素もキチンと解決していて面白かったです。 そして、ミステリーとしても面白いですが、陰の主人公とも言えるニコラの物語でもあるなと思いました。本当の真実にたどり着き、犯人であるファルクを斬るという最後はニコラがある意味師匠を超え成長していくための通過点なのでは無いかと思いました。タイトルの『折れた竜骨』の意味がアミーナとニコラの深い友情が垣間見える形になっていたのがとても良かったです。終わり方は爽やかで彼らの物語の続きを読みたいと思いました。 この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。 アミーナ・エイルウィン:東山奈央 ファルク・フィッツジョン:諏訪部順一 ニコラ・バゴ:悠木碧 アダム・エイルウィン:阪口大助 エイブ・ハーバード:石川界人 コンラート・ノイドルファー:安元洋貴 イテル・アプ・トマス:岩田光央 ヒプ・アプ・トマス:吉野裕行 ハール・エンマ:茅野愛衣 スワイド・ナズィール:杉田智和 イーヴォルト・サムス:中村悠一 マーティン・ボネス:飛田展男 マードック:間宮康弘 トーステン・ターカイルソン:浪川大輔
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中世ヨーロッパを舞台にしたミステリ×ファンタジー。 読後の感想は、「お腹一杯」。 とてもしっかり物語に没入できたのは、なんといっても主人公アミーナを始めとする登場人物の造形がしっかりしていたから。魅力的でほころびが無い人々が紡ぐ物語は、彼らの運命に共感して目頭が熱くなってしまう。...
中世ヨーロッパを舞台にしたミステリ×ファンタジー。 読後の感想は、「お腹一杯」。 とてもしっかり物語に没入できたのは、なんといっても主人公アミーナを始めとする登場人物の造形がしっかりしていたから。魅力的でほころびが無い人々が紡ぐ物語は、彼らの運命に共感して目頭が熱くなってしまう。 特に、ニコラとアミーナの絆に感動する。 それと個人的に「戦闘シーン」が好き。もっと読みたいと思った。
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ファンタジーミステリーの傑作だと思いました。最高です。 上を読んでいた段階でファルクとエドリックを兄弟という設定にする必要はあるのかと疑問に思っていましたがそれも上手いこと利用した物語だったと感じました。 儀式のシーンは探偵が犯人を指さす状態になり、ファルクとニコラの2人の...
ファンタジーミステリーの傑作だと思いました。最高です。 上を読んでいた段階でファルクとエドリックを兄弟という設定にする必要はあるのかと疑問に思っていましたがそれも上手いこと利用した物語だったと感じました。 儀式のシーンは探偵が犯人を指さす状態になり、ファルクとニコラの2人の推理は完璧なものでした。 デューン人が襲来した際の迫力もしっかりあり、ファンタジー、ミステリーの両方辛みてもこの小説はとても良かったです。
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中世(十字軍の時代)の欧州。背景が分かりづらいが、登場人文はみんな強くて義理堅い。最後はこれでよいのか。。。
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ミステリーとファンタジーが絡み合って一気に盛り上がるおかげで、ページを繰る手が止まらない。意志と矜持の気高さが光るとともに、物語としての奥行きもとても広いく印象に残る。
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