折れた竜骨(下) の商品レビュー
ミステリーなのに魔法が存在なんてなんでもありではと思ったら、実は非常に論理的で、伏線と思っていなかったことまで回収されていって、非常に楽しみました。久しぶりに一気読みで睡眠不足… すすめてくれた後輩に感謝。
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魔術や呪いが使える世界感が好き。キャラクターが一人一人特徴的で、ファルクとニコラのコンビが面白い。作られたファンタジーの世界の中で推理をするというのがワクワクした。
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昨今、ミステリのパターンはかなり出尽くしたといわれているがファンタジーとミステリとを組合せた分野というのは、他の分野に比べてそれほど多くはない。 その最たる理由は、ファンタジー要素を全面に出すと「なんでもアリ」になりかねないからである。how done it?をテーマにしづらいのだ。そういう意味で、本作では、操られた人間が下手人にすることでミステリ色を損なうことがなくなっている。まあ、真犯人は魔法が使える人間でもあったわけだが…。アミーナやニコラを主人公にした続編が出ればぜひ読みたいと思う。
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下巻は一気読み。 カタカナ名でなかなか誰がどれかわからなかったり、戦いの風景があまりにも親しみがなかったり、魔術を理解するのが難しかったり…があるものの、 最後の捲り方はすごい! そこまで伏線だったのか…ってところも。 そして、最後のシーンに残る二人はかっこよすぎる。 これは心に残る。
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3.5って感じ。 舞台設定、描写、推理の過程と悪くはないのだが冗長。 ヒントを撒きながらラストの回収に向かうまでが長すぎてややダレてしまった。
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上巻で殺害されたソロンの領主が生前恐れていた『呪われたデーン人』の襲来が現実のものとなる。 彼らは海から船でソロン諸島にやってきた。その身体は剣で斬りつけても血は流れず、決して死なない。頭を狙う以外に倒す方法はないのだ。 ソロンの港では商人や町の人々がこの戦いに巻き込まれ、その命...
上巻で殺害されたソロンの領主が生前恐れていた『呪われたデーン人』の襲来が現実のものとなる。 彼らは海から船でソロン諸島にやってきた。その身体は剣で斬りつけても血は流れず、決して死なない。頭を狙う以外に倒す方法はないのだ。 ソロンの港では商人や町の人々がこの戦いに巻き込まれ、その命を落とすことになったが、事前に集められた腕利きの傭兵たちの活躍により、ソロンは辛くも勝利をおさめた。 殺人事件についてだが、実は小ソロンが密室ではないと分かったことにより(渡し船を使わずに海を渡る方法があったのだ!)容疑者は更に増えたのだが、ファルクにはどうやら犯人の目星はついているようだ。 戦の勝利を祝う宴の席で、ファルクは今回の事件の真相を語り始める。 全体を通して面白かった。 この著者は文章が完結で、とても、なんていうか、しっかりしている。地に足が着いている文体とでも表現すればしっくりくるのか。 登場人物が多く、この名前の人はどういう人だっけなーとゴチャゴチャしてしまうときもあったが、それでも尚、読む人を物語に引き摺り込み、息もつかせず読ませてしまう勢いがあると感じた。 その犯人は禁じ手なんじゃないのかと思ったりもしたが、そもそも魔法が存在する世界に『ノックスの十戒』が通用するはずもなく、これはこれでいいのだろう。 登場人物の中でも、ニコラが特にいい。 ラスト、この本のタイトルである『折れた竜骨』とは何を意味するものなのか、それが分かったとき、わたしはアミーナを羨ましく思った。 わたしにもニコラのような存在がいてくれればよかったのにと思った。
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とても面白かったです。 戦闘シーンがあってよかった、無ければひたすら事情聴取していく謎解きで終わっていたと思う。戦闘があってやっとファンタジーと言われる部分がリアルになったように思う。 このルールが先行したファンタジー設定、米澤穂信は日常ミステリーの方が好きだなーと思った。
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中世ヨーロッパソロン島を舞台にしたファンタジー要素満載の異色ミステリー。最後は驚かされたけど、あまり納得いかない。まぁただの好みの問題かもしれない。世界観の完成度が高くて、活気のある街並みや排他的な雰囲気の小ソロンの館のなんかは目に浮かぶようだった。おもしろかったです。
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論理的に謎を解決するのが醍醐味であるミステリーにおいて、"魔法"が登場するというのは本来ありえない。 しかし、その魔法は誰が使えるものか、どのような効果をもたらすのか、ということが明確に記されていれば、"本格ミステリー"として成り立たせるの...
論理的に謎を解決するのが醍醐味であるミステリーにおいて、"魔法"が登場するというのは本来ありえない。 しかし、その魔法は誰が使えるものか、どのような効果をもたらすのか、ということが明確に記されていれば、"本格ミステリー"として成り立たせるのは可能である。 本作はまさにその、特殊設定ミステリーの代表作であるといえる。 そして犯人当てだけでなく、戦闘シーンの描写もなかなかに迫力がある。 日本推理作家協会賞受賞に納得。
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推理もので魔法を出すなら魔法で出来ることと出来ないことを明確にして欲しい。 今作の場合それらは示されていないので言ってしまえば何でもあり状態。 空だって飛べるし瞬間移動も出来るし、遠く離れた場所から部屋に飾ってある剣を人に刺すことだって出来てしまう。 推理のしようがない。 また、...
推理もので魔法を出すなら魔法で出来ることと出来ないことを明確にして欲しい。 今作の場合それらは示されていないので言ってしまえば何でもあり状態。 空だって飛べるし瞬間移動も出来るし、遠く離れた場所から部屋に飾ってある剣を人に刺すことだって出来てしまう。 推理のしようがない。 また、折れた竜骨という言葉が最後の方に出てきてタイトル回収をするが、ちょっと無理矢理感があるかなあ。
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