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絶叫委員会 の商品レビュー

4.2

105件のお客様レビュー

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2019/10/18

(本書冒頭を引用) 「絶叫委員会」では、印象的な言葉たちについて書いてみたいと思います。映画や小説の名台詞、歌謡曲の歌詞、日常会話、街頭演説、電車の吊り広告の見出し、怪しいメール、妻の寝言など、いろいろなところから言葉を拾ってくるつもりです。 (引用ここまで) というわけで、...

(本書冒頭を引用) 「絶叫委員会」では、印象的な言葉たちについて書いてみたいと思います。映画や小説の名台詞、歌謡曲の歌詞、日常会話、街頭演説、電車の吊り広告の見出し、怪しいメール、妻の寝言など、いろいろなところから言葉を拾ってくるつもりです。 (引用ここまで) というわけで、印象的な言葉エッセイ。 よく、笑える看板や立て札なんかの写真が「面白画像」としてネットに出回ったりしますが、この本で拾ってこられた言葉たちは、それ自体のインパクトという意味でいうと「面白画像」ほどのパンチはなく、穂村さん「印象的」の沸点低いな~と、読みはじめのころはやや不満にさえ感じたが、日々のすきますきまにちびちび読み進めていくうちに、むしろその沸点の低さこそ言葉のプロのプロたる所以じゃないかと気付き、それでいて、「こんな言葉の面白さに感動しちゃう俺の感受性すごいでしょ」というような"ドーダ"は感じさせず、あくまでその言葉をポエムたらしめたその話者や、その状況に対する敬意が第一にある、そういうところが良かった。

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2019/09/24

『言葉』というものを中心に据えて書かれたエッセイ。普通の人なら聞き流してしまいそうなちょっとした『言葉』を発見し、考察する研ぎ澄まされた感覚というか、センスがすごい。文章を書く人が言葉に敏感なのは当たり前なのかもしれませんが、俳句や短歌を作る方は文字制限があるぶん、さらに言いまわ...

『言葉』というものを中心に据えて書かれたエッセイ。普通の人なら聞き流してしまいそうなちょっとした『言葉』を発見し、考察する研ぎ澄まされた感覚というか、センスがすごい。文章を書く人が言葉に敏感なのは当たり前なのかもしれませんが、俳句や短歌を作る方は文字制限があるぶん、さらに言いまわしなどに敏感にならざるを得ないのでしょうかね。

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2019/02/25

読んでいる間ずっと、幸せでした。 著者がまちで出合った言葉を掬い上げ、考察した本。 まず、冒頭あたりにある著者の友人の短歌に感じ入りました。 「『俺の靴どこ』が最後の言葉ってお母さんは折れそうに笑って」 巧まざるユーモアに、思わず吹き出すものも。 たとえば、姿を消して久しい駅の伝...

読んでいる間ずっと、幸せでした。 著者がまちで出合った言葉を掬い上げ、考察した本。 まず、冒頭あたりにある著者の友人の短歌に感じ入りました。 「『俺の靴どこ』が最後の言葉ってお母さんは折れそうに笑って」 巧まざるユーモアに、思わず吹き出すものも。 たとえば、姿を消して久しい駅の伝言板にあった言葉。 「犬、特にシーズ犬」 よく分からないのに面白い。 談志のイリュージョンにも通じるところがあります。 若い男の子同士の会話もいいなぁ。 「俺さ、Tシャツないんだよ」 「俺あるよ」 「嘘まじ?」 「うん」 「Tシャツだよ」 「うん、Tシャツ」 「あるの? Tシャツ」 「めちゃめちゃあるよ」 「1個くれよ」 「うん、やだ」 「2軍でいいからさ」 この他愛無さ。 著者の言うように、「2軍」がいい。 あと、やっぱりフレッド・ブラッシーの逸話ですね。 母から「リングの上の怖ろしいお前と、私の知っている優しいお前と、どっちが本当のお前なの?」と聞かれた時のブラッシーの答えがこれ。 「どちらも本当の私ではない」 痺れる。 痺れます。 これらはほんの一部。 意外性に満ちた言葉の数々に括目しきり。 それらを拾い上げる著者の目線の低さにも敬服します。 さて、本書でも、言及していますが、うっかり下手なことを言えない時代になりました。 正論、正義が大手を振ってネット世界を闊歩しています。 大変に息苦しい時代。 そう感じている人にぜひ読んでほしい。 世の中、捨てたもんじゃないと感じると思います。

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2018/12/23

【天使の呟き,叫び.輝く言葉の宝石―】 穂村さんが出会った言葉の紹介だけでも面白いのに,そこに穂村さんの鋭い考察が交われば,そりゃもう言葉は入りません. 素晴らしい.

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2018/10/18

穂村さんの本、初めて読みました。 久しぶりに、本を読んで笑い転げました。 朗読会の課題図書ですが、このお話、朗読できるかな?

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2018/10/17

眉の間に縦皺を立てて 「言霊」とは! なとど大仰に叫ばなくともよい そこいら辺に ひょいと ころがり出てしまった 「コトダマ」が 穂村さんの耳にひっかかると 日本語はこんなにも 豊かだったんだ と心から思わせてもらえます 何度 読んでも あぁ 日本語の国に暮らせて 良かった ...

眉の間に縦皺を立てて 「言霊」とは! なとど大仰に叫ばなくともよい そこいら辺に ひょいと ころがり出てしまった 「コトダマ」が 穂村さんの耳にひっかかると 日本語はこんなにも 豊かだったんだ と心から思わせてもらえます 何度 読んでも あぁ 日本語の国に暮らせて 良かった という 豊かな気持ちに させてもらえます

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2018/08/02

言葉遊びが中心の、クスッと笑えるエッセイ集。感触としては、岸本佐知子作品が頭に浮かんだ。ってこれは、個人的にはかなりの賞賛言葉で、期待以上に楽しめた。機会があれば他の作品も是非、って感じ。

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2018/01/24

「偶然性による結果的ポエム」 ヤクザの、恋人同士の、小学生の、女性の、発した言葉を切り取って書き留めると、こんなにも味わい深い言葉の世界が覗ける。発した人が詩人ではなく、その言葉に面白みを感じて書き留めることこそ、センスがないとできない。

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2017/11/08

いろいろなところから言葉を拾う。まぁまぁオモロイやんと読み進めたら、途中から笑う笑う。もしも電車の中で読んでいたら相当怪しいひとになっていたはず。 拾われた言葉たちを発した当人たちは至極まじめというのも可笑しい。私にも覚えがあります。姑の「ペットボルト」とか。上司の「とうきゃー...

いろいろなところから言葉を拾う。まぁまぁオモロイやんと読み進めたら、途中から笑う笑う。もしも電車の中で読んでいたら相当怪しいひとになっていたはず。 拾われた言葉たちを発した当人たちは至極まじめというのも可笑しい。私にも覚えがあります。姑の「ペットボルト」とか。上司の「とうきゃー」(「そうか東京は」と言おうとした模様)とか。いつぞやのラジオでは、公務員が下着泥棒をしたというニュース。アナウンサーが「動機について、ムラムラした、とのことです」。まじめがワラける。 鮨屋で〆に穴子か鰻か迷いつつ注文したら、「あなぎ」と言ってしまったことも。鮨屋の大将が「うおっ、合体しとるがな」ときっちり拾ってくれました。拾い拾われる言葉の楽しさ。

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2017/10/15

ここで穂村さんが綴っている、印象的な言葉たちは、実はわたしたちの生活の中でもけっこう現れてる気がする。聞いた瞬間、「おおおおっ!!!」ってなるのだけど、いつのまにか忘れてしまう。 それを発する人に魅力を感じるのはもちろんだけど、それを忘れずにこうして残してくれる穂村さんのような存...

ここで穂村さんが綴っている、印象的な言葉たちは、実はわたしたちの生活の中でもけっこう現れてる気がする。聞いた瞬間、「おおおおっ!!!」ってなるのだけど、いつのまにか忘れてしまう。 それを発する人に魅力を感じるのはもちろんだけど、それを忘れずにこうして残してくれる穂村さんのような存在はほんとに大変ありがたい。

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