愛に乱暴 の商品レビュー
章の頭と終わりにある主人公桃子の日記が印象的な、夫に浮気された女性の物語。 後から日記の部分だけ読んでもおもしろい。
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不倫のおはなし。略奪愛。 愛人と妻を交互に描写してるのかと思っていたらば、妻の過去(日記)と現在だった。 それが明かされたあとの怒涛の展開が面白い。 夫の不倫相手に子供が出来て離婚を迫られている主人公、 なぜか無性に気になる和室の床下をチェンソーで暴く主人公、 主人公が暮らしていた‘離れ’は、昔、お妾さんが暮らしていた‘離れ’だったと知る主人公、 義母や夫から狂人扱いされる主人公、 正気と狂気の間の主人公。 終盤。主人公の「相手の女には負けたくない」という心の根っこが掘り起こされる。 夫との略奪愛も、高価な食器の購入も、姑との好関係も舅の介護も、離婚への抗いも 相手の女(元妻や不倫相手)に負けたくないから。 主人公の「負けたくない」執念は、‘離れ’の下に埋められていた妾の「正妻に負けたくない」執念とリンクしているように見える。 離れに住んだから狂気に染まっていったのか、主人公の狂気が妾の狂気を掘り起こしたのか *** でも読んでいる最中の私の気持ちは最初から最後まで ただひとつ。 「私なら、速攻別れる案件」 でした。
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読み終わった後に全く何も残らない。中途半端、これで終わり?しか感じられない。読むに値しない。吉田修一の本を読みたい人、多くの人のレビューを見てから読み始めるのをお勧めします。
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吉田さん、そうこなくっちゃ‼ ただの恋愛小説と思うなかれ。期待もしない時に騙される快感たら、なんにも言えねえ。 これでもかというくらいのダメ夫に、すっかりいいように騙されてる女2人… 実生活でもこんな風に物語を読むように、全体を眺めることが出来たら、と思わずにはいられない。 少...
吉田さん、そうこなくっちゃ‼ ただの恋愛小説と思うなかれ。期待もしない時に騙される快感たら、なんにも言えねえ。 これでもかというくらいのダメ夫に、すっかりいいように騙されてる女2人… 実生活でもこんな風に物語を読むように、全体を眺めることが出来たら、と思わずにはいられない。 少しずつ狂っていったのか、初めから狂っていたのか、もはや誰にも分からない。
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アタシにはわかる。 よ~くわかる。って、思いました。 タイトルの『愛に乱暴』がしっくりこなくって。 ラストに新聞小説で『愛の乱暴』を改題し、改稿したものです。 と、なっていて。 アタシには『愛の乱暴』の方がしっくりくるなぁ。 って、感じました。 やっぱり、新聞小説だったのね。 主人公の日記、葉月・・・。 やられましたぁ。 なるほどね。 吉田修一の新作ここんとこずっと読めているのだけど。 ジャンルがぁ、まったく違う。 テイスト、もの、すっごく変えている??? あっという間に読めるわ。 ある意味コワイけど。
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例によって、図書館で借りてきました。 しかーし!まず装丁から「えっ?誰の本予約したんだっけ??」と思うほど吉田修一さんにしてはチョット意外。 そして冒頭「あ。不倫がテーマなの?吉田修一さんが?なんだか意外~」とまたしても違和感。 結果、やられましたよ~。 読み進めると途中からまんまとしてやられた感。 取りようによってはもはやホラーです。 夫の浮気によって壊れてゆく妻。 自分が気付かないうちにこんな風に心が壊れちゃったら恐ろしいなぁ。。 意外性に★4つ
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作者は女性なの?と疑ってしまいたくなるくらい 桃子の細かい描写がすごい。 チェーンソーを買ってみたり、床下を掘ってみたり 分からないけど、分かるっみたいな 嫌な話なんだけど読む手が止まらない 不思議な一冊。
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なんかとっちらかったまま終わってしまった感。 投げ出された気分。 なかなか物語に入り込めず、最後はザラッとした不快感で読み終わった。
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内容紹介 “妻も、読者も、騙される! 『悪人』の作家が踏み込んだ、〈夫婦〉の闇の果て。これは私の、私たちの愛のはずだった――。夫の不実を疑い、姑の視線に耐えられなくなった時、桃子は誰にも言えぬ激しい衝動に身を委ねるのだが……。夫婦とは何か、愛人とは何か、〈家〉とは何か、妻が欲した言葉とは何か。『悪人』『横道世之介』の作家がかつてない強度で描破した、狂乱の純愛。本当に騙したのは、どちらなのだろう?” 内容はありふれた男と女のドロドロで、読んでいてヒリヒリしてきます。 読み間違いをしていることに気付くと、再読したくなる。その構成は俊逸で、楽しめます。
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