内向型人間の時代 の商品レビュー
本書で内向型人間について書かれていることのほぼ全てが自分にも当てはまった。外向型が理想とされる社会で、自分の性格は一般的な基準からすると「二流以下」であるということは、中学生の頃から自覚していた。本書は我々内向型人間にとって、大きな慰めであり希望であり戒めである。 “もし、物静...
本書で内向型人間について書かれていることのほぼ全てが自分にも当てはまった。外向型が理想とされる社会で、自分の性格は一般的な基準からすると「二流以下」であるということは、中学生の頃から自覚していた。本書は我々内向型人間にとって、大きな慰めであり希望であり戒めである。 “もし、物静かなタイプと声高なタイプがほぼ同数ずつ、それぞれの考えを持っているとすると、雄弁で説得力がある後者がつねに勝利を得ることになるのではなかろうか。となれば、悪い考えがよい考えを押しつぶして勝利するという事態が、しばしば起こりかねないだろう” p.71 “内向型の人々は外向型の人々よりも、オンライン上で自分について親や友人が読んだら驚くようなことまであきらかにし、「本当の自分」をさらけだし、オンラインの会話により多くの時間を割くことがわかっている。彼らはデジタルコミュニケーションの機会を歓迎する” p.87 “もっとも重要なのは、あなた個人にとって非常にやりがいを感じさせる事柄に取り組まなければならない、という点だ。ひとりでいるときにだけ、あなたは「自分にとってやりがいのある事柄に、まともに向き合える” p.103 “オープンオフィスは生産性を減少させ、記憶力を損なうことがわかっている” p.107 “集団でのブレインストーミングは実際には機能しないのだ。……24組のうち23組の人々がグループよりも個人で考えたほうがたくさんのアイデアを生み出した。……能力とやる気がある人々には、創造性と効率が最優先で求められる場合には単独作業をするよう勧めるべきだ” pp.112-113 “成長しても高反応・低反応の痕跡は消えなかった。……性格を変化させることはできるが、それには限度があるのだ。自由意志は私たちを大きく変えるが、それは遺伝子が定めた限界を超えて無限にという意味ではない” p.150 “内向性と外向性はそれぞれ特定のレベルの刺激を好むのだと理解すれば、自分の性格が好むレベルに自分自身を置くようにすることができる。……心理学者がいうところの「最適な覚醒レベル──私はこれを「スイートスポット」と呼んでいる──を知っていれば、今よりもっとエネルギッシュで生き生きとした人生が送れる” p.158 “内向型は報酬を重要視せず──熱狂を殺す、とも表現できる──問題点を入念に調べるように、生まれつきプログラムされている。……さらに、内向型は新しい情報を自分の予想と比較する傾向があるそうだ。「予期したとおりのことが起きたのか。なるべくしてこうなったのか」も、彼らは自分自身に問いかける” p.213 “もし、あなたが内向型ならば、持って生まれた能力を使ってフローを見つけよう。内向型は、持続力や問題を解決するためのねばり強さ、思いがけない危険を避ける明敏さを持っている” p.220 “関係を尊ぶ東洋の心は美しく望ましいが、個人の自由や自己表現を尊ぶ西洋の心もまた美しく望ましい。肝心なのはどちらが勝っているかではなく、文化的価値観の大きな違いが、それぞれの文化において好まれる性格タイプに強力な影響を与えていることである” p.240 “私たちは特定の性格特性を持って生まれるが……自分にとって非常に重要な事柄、すなわち「コア・パーソナル・プロジェクト」に従事するとき、その特性の枠を超えてふるまえるのであり、実際にふるまっているのだ。つまり、内向型の人は、自分が重要視する仕事や、愛情を感じている人々、高く評価している事物のためならば、外向型のようにふるまえる” p.263 “外向型のふるまいがとくに得意な内向型は、「セルフモニタリング」と呼ばれる特質の得点が高いことがわかった。セルフモニタリングがうまい人は自分の言動や感情や思考を観察して、周囲の状況から必要性に応じて行動をコントロールできる” p.267 →状況や相手に合わせて言動を変える、ということ “自分の性格にそむいて行動する最大の秘訣は、できるかぎり本当の自分のままでいることだ──日常生活において、「回復のための場所」をできるだけたくさんつくることからはじめるのだ” p.276 “内向型は友好的な状況で出会った人を好み、外向型は競争的な状況で出会った人を好む” pp.292-293 “外向型は、中身のない話を軽蔑するように思える内向型が、じつはうちとけた気楽な話ができると知るべきだ。そして、自分がまじめな話ばかりしがちなのはよくないと思っている内向型は、他人からすれば、そういう話ができる有益な存在なのだと自覚するべきだ” p.303
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星5をつけておいてこんなことを言うのもなんだが、タイトルの訳がミスリードを誘う。この本は外向型の人間を貶したり下に見る本ではないので、直訳ではあるが「内向型人間のもつ力」でよかったと思う。 内容であるが、明確に内向型に分類されるであろう自分には非常に勇気づけられる内容だった。高反...
星5をつけておいてこんなことを言うのもなんだが、タイトルの訳がミスリードを誘う。この本は外向型の人間を貶したり下に見る本ではないので、直訳ではあるが「内向型人間のもつ力」でよかったと思う。 内容であるが、明確に内向型に分類されるであろう自分には非常に勇気づけられる内容だった。高反応、敏感という世間であまり褒められることのない特性が自分だけのものでない、これだけでも救われる気分になれた。 この本の素晴らしいところは、「内向型であるからこうあるべき・こうするべき」という型にはめようとする話が出てこない事だ。あくまで内向型のままでどのように他の人と付き合っていくかに焦点をあて、ある程度のベクトルを示した後は本人の自由であるとする。恐らく著者自身が長い間内向的であることに苦しんだ経験がそうさせているのだろうが、お陰で気持ちを重くせずに読むことができる。 もう1つ素晴らしい点は、前述したとおり外向型の人間を貶したり下に見ることがない事だ。節々で外向型のメリットを挙げているほか、外向型の人間が内向型の人間とどう向き合っていくかについても指示している(当然こちらも安直なべき論には陥っていない)。 前に読んだ「自己啓発の教科書」と合わせ、自己啓発本にもこういった本があるのだな、と気づかせてくれた1冊。
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日々感じていたストレスの原因というか生きづらさというかどんな風に考えればいいのか、考え方にすごく納得した。 訳書ということもあり少し分かりずらかった部分もあったけれど本質的に的を射た意見が多くありすごくためになった。 また数年後に読み返したい。 その時その時で感じ方学べることが...
日々感じていたストレスの原因というか生きづらさというかどんな風に考えればいいのか、考え方にすごく納得した。 訳書ということもあり少し分かりずらかった部分もあったけれど本質的に的を射た意見が多くありすごくためになった。 また数年後に読み返したい。 その時その時で感じ方学べることが変わる気がするので。
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思えば昔から、「E(私)は勉強が好きだから」と(時には賞賛を、時には皮肉を込めて)周囲に言われて育ってきました。 私からすれば、知的好奇心を満たしてくれて一人で取り組める学業は肌に合い、反面、騒がしいクラスメイトとの交流は不得手でした。同世代の子たちが「何故?」と思えるような...
思えば昔から、「E(私)は勉強が好きだから」と(時には賞賛を、時には皮肉を込めて)周囲に言われて育ってきました。 私からすれば、知的好奇心を満たしてくれて一人で取り組める学業は肌に合い、反面、騒がしいクラスメイトとの交流は不得手でした。同世代の子たちが「何故?」と思えるようなことで盛り上がっているのを遠巻きに眺めているような子でした。 そしてそんな態度が、(私にはまったくそんなつもりはないのに)見下している、蔑んでいる、孤高を気取っていると言われたこともありました。 本書のことは少し前から気になっていて、いつか読みたいと考えていましたが、とうとうその時が来ました。 もっと早くに読んでいたら良かったのに! と、思わずにはいられませんでした。 いままで、「陰気」「卑屈」「社交性がない」「頭の悪い人間を馬鹿にしたよそよそしい態度」と内向性のことを悪く言う意見にばかり出会ってきましたが、やっと“自分側”のチームに加入できた。そういう気持ちです。 かといって、外向型の人間を過度に見下したり、内向型と外向型を対立させるような構図は本書では採られておらず、 「どちらも世界には必要な存在。でも、外向型の世界はもっと内向型を評価してもいい頃だよね」 という本書の立場には大きく賛同できます。 自分にはどうやらHSP気質もあるようなのですが、HSPを謳う本にはHSPとそれ以外を分けて「HSPでない人達は~(否定的意見)」と書いてみたり、HSPは素晴らしいということを書きたいがために、それ以外の人々を貶めてしまっている本が少なくありません。そういった本を読んだことがあるからこそ、この本は本当に素晴らしいということがよくわかりました。 私もそうなのですが、内向型の人々が他人に「放っておいて欲しい」と感じる主な原因は、自分の周りの人々が「同じテンションになれよ」と強く求めすぎるからなのだと思います。 少し離れた場所から皆を見ているのは、馬鹿にしているからでもなければ相手を嫌っているわけでもなく、ただそこ(部屋の隅)が最も心地良いから。それに尽きるのです。 以前、職場で同僚に「Eさん(私)って三人以上になると急に静かになりますよね」と非難めいた感じで言われたことがあるのですが、それも本当に難しい問題で、考えてから話すタイプの私と、おしゃべりが得意なその他大勢とでは会話のテンポや深さが全く違うので、なかなか噛み合いません。妥協策として取れたのは、同意していますよというサインになる頷きや相づちだけは(自分の頭が考え事でビジー状態の時でも)必ずするということくらい。ところが、不思議なことに同じタイプの人と一対一なら、五時間でも六時間でも平気で話せるのです。 これを私は単なる「相手との関係性の問題」と考えていましたが、本書を読んでその答えが漸く理解できました。 通して全文を読み終えた今抱いた感想は、「私、今のままでもいいんだ」ということです。 ブラッシュアップ(磨きをかける)する必要はあるけれど、リビルド(再構築)する必要はどこにもない。それどころか、リビルドは自己否定してしまうことになるし(今の自分がダメだからやり直すということ)、折角持っている才能の芽を失ってしまうことかもしれない。 そう考えると、これからの人生が少し楽しみになってきました。 内向型の人はもちろん、「物静かな人がどうも苦手なんだけど」と感じている外向型の人には是非読んで頂きたい内容です。両方が互いに手を伸ばさなければ協同することは難しいのです。
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外向型人間を理想としている現代社会において、内向型人間の重要な点をまとめている本。世の中には1/3から1/2が内向型人間と言われており、擬似的に外向型を装っているとの事。 自分は完全に内向型なので、この本の内容は腑に落ちることばかりだが、果たして外向型の人が理解してくれるか、そも...
外向型人間を理想としている現代社会において、内向型人間の重要な点をまとめている本。世の中には1/3から1/2が内向型人間と言われており、擬似的に外向型を装っているとの事。 自分は完全に内向型なので、この本の内容は腑に落ちることばかりだが、果たして外向型の人が理解してくれるか、そもそもこの本を読んでくれるかは個人的には微妙に思う。
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以前一度読んでいたのだが再読。 ”内向型”という気質の特徴を丁寧に、そして実例を多用して解説してくれる。 確かにいまだに世の中や会社は圧倒的に”外向型”向けに組織されていて、居づらく感じることは多い。 しかし、それを理解して自分なりに受け入れることで自己の肯定感や長所を理解でき...
以前一度読んでいたのだが再読。 ”内向型”という気質の特徴を丁寧に、そして実例を多用して解説してくれる。 確かにいまだに世の中や会社は圧倒的に”外向型”向けに組織されていて、居づらく感じることは多い。 しかし、それを理解して自分なりに受け入れることで自己の肯定感や長所を理解できる意味で本書は価値がある。 読みやすく、実例も多いので再読でも楽しく読めた。
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自分は内向型なので、偽外向型の擬態者同士で張り合ってる姿とか、自分の本心を無視して周囲にがなり続ける外向型には、げんなりしてた。鈍感にやり過ごすんじゃなくて、多様性だと向き合えば新しい展開があるんだとワクワクした。
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目的:少し内向型の傾向があるから、考え方の参考にしたいと思ったため 仮説:研究等で明らかになった内向型の人の行動特性が紹介されている 要約: 内向型とは、一人でいることを好み、一つのことに深く、粘り強く取り組む傾向がある性質である。内向型の反対が外向型である。この2つの差は外界か...
目的:少し内向型の傾向があるから、考え方の参考にしたいと思ったため 仮説:研究等で明らかになった内向型の人の行動特性が紹介されている 要約: 内向型とは、一人でいることを好み、一つのことに深く、粘り強く取り組む傾向がある性質である。内向型の反対が外向型である。この2つの差は外界からの刺激に対する反応の程度で決まる。刺激に対して高反応(とても驚く、等)なら内向型で、低反応なら外向型である。 自分の内向型・外向型の傾向とうまく付き合う方法のうちを2つを紹介する。 1つ目は自分に程よい外部からの刺激を見つけることである。これによりパフォーマンスが向上する。例えば、見知らぬ人と出会ってどのように感じるか、それが不快ならあまりそういう機会を作らないことでストレスを減らし、パフォーマンスを向上させる。 2つ目は、必要に応じて自分のとは異なる性格特性を演じることである。自由特性理論というものがある。これは内向型・外向型のように生まれ持った性格特性はあるが、自分にとって重要なイベント・仕事(=コア・パーソナル・プロジェクト、CPP)になれば、その性格特性を超えた振る舞いができるというものである。自由特性理論にのっとり自分を演じる際には注意しておくべきことが3つある。1つ目はCPPのために自分が今演じていると認識する必要があること。2つ目は演じた後に回復するための時間と場所を確保しておくことである。3つ目は自己否定で新しい自分になることではない、ということである。 内向型は恥ずかしい思いや気後れしてしまうことがあるが、本書を読んでそれは違うと考えるようになった。主な理由は以下の3つ。 ・内向型・外向型はスタイルが違うだけ(内向型は考えるということに、外向型は反応することに重きを置く) ・一人で作業するということが、考えを深めることにも、アイデア出しにもとても大切 ・どんな声量で発信しても、信念は信念である また、完全な内向型な人も、外向型な人も存在せず、それぞれの性質が混ざり合っている。 Act:自分にとってのCPPを見つけるために本書で紹介されている以下の3つの質問を深堀りしてみよう。 1. 子供の頃大好きだったことは? 2. 自分はどんなことに興味を持っている? 3. 自分は何を羨む・妬むのか 自分にちょうどよい刺激を見つけるために、日記等で出来事とその時に感じたことを記録しておく
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これまで友人と会うことにすら疲れるなぁと感じていた私にとって、「内向型人間」と言う定義を与えてくれただけでも非常に素晴らしい本であった。世の中に内向型人間がいることや、資本主義社会においては特に外交型人間の方が有利であることを素直に説明しながらも、内向型の人間がどのようにして生き...
これまで友人と会うことにすら疲れるなぁと感じていた私にとって、「内向型人間」と言う定義を与えてくれただけでも非常に素晴らしい本であった。世の中に内向型人間がいることや、資本主義社会においては特に外交型人間の方が有利であることを素直に説明しながらも、内向型の人間がどのようにして生きていくのかを0時する素晴らしい内容であった。
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