1,800円以上の注文で送料無料

読書について の商品レビュー

4

105件のお客様レビュー

  1. 5つ

    31

  2. 4つ

    31

  3. 3つ

    25

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2025/10/19

読書という姿勢について哲学的視点から読み方と良書の選び方を勧め単に読むことで情報を鵜呑みにするのではなく、自分の頭で考えながら思索し、批判的姿勢、疑問、問いを浮かべながら読むという行為をすることを推奨している。 本に限らず、動画やSNS等で様々な質の悪い誰が言ったのかもわからない...

読書という姿勢について哲学的視点から読み方と良書の選び方を勧め単に読むことで情報を鵜呑みにするのではなく、自分の頭で考えながら思索し、批判的姿勢、疑問、問いを浮かべながら読むという行為をすることを推奨している。 本に限らず、動画やSNS等で様々な質の悪い誰が言ったのかもわからない情報や誤情報で溢れている。本でも同じことを情報への向き合い方について本著は示すものだ。100年前の書物であるが、良書とは何か、悪書とは何かを自分自身で吟味すると良いだろう。 著者が推奨する良書というのは時代を超えて価値を持つ本というものは、古典のように、長く読み継がれた理由があるもの。短命な流行書ではなく、世代を超えて人間の本質に訴える書物であり、その書かれた本の著者の独自の思想と体験に根ざしていること。金銭や人気のために書かれた本ではなく、思想や経験を伝える使命感から生まれたものである。 読者の思考を刺激し、創造性を喚起することであり、受け身の読書ではなく、思索を促すものであること、普遍的な真理や深い洞察を備えていること:単なる情報や技術書ではなく、人生や存在への洞察を提供するものを指している。 著者のショーペンハウアーは明確に「良書を読むための条件は、悪書を読まぬことである」と述べ、人生の時間と知的エネルギーには限りがあるため、価値の乏しい書物にそれを消費してしまえば、真に読むべき本に触れる機会を永遠に失うと警告しました。悪書は「知性を毒し、精神を損なう」とされ、彼にとって最大の敵と明確にしている。 私は思う。本著が指す内容を正確に読もうとするのは知的生産には特化しているが、本著もまた自身の読書について時代を超えて読まれるということは良書であるといえる。時間は有限であり、この著者が読書についてを発表してから100年経過して消えた本は数多にある。ネットの情報はもっと早いだろう。 本著は思索を読みやすく解説している。一度手に取り読むことをオススメする。読むという行為は人間である以上無くならない。デバイスは紙から変わるかもしれないがそれでも向こう遠い未来まで読み継がれる良書であるといえよう。

Posted byブクログ

2025/10/02

本書には『余録と補遺』(『意志と表象としての世界』の注釈)にある「自分頭考える」「著述と文体について」「読書について」の3篇がおさめられている。3篇の内容は、密接なつながりがある。 哲学者ショーペンハウアーの読書についての考え(ただ、本をたくさん読めばいいのではない。自分で考え...

本書には『余録と補遺』(『意志と表象としての世界』の注釈)にある「自分頭考える」「著述と文体について」「読書について」の3篇がおさめられている。3篇の内容は、密接なつながりがある。 哲学者ショーペンハウアーの読書についての考え(ただ、本をたくさん読めばいいのではない。自分で考えなければダメ)は、聞いたことがあった。実際に文章全体を読んでみると、とても分かりやすく納得のいくものだった。“良書を読むための条件は悪書を読まない”ということも、肌身で感じているところである。“目の健康のために一定サイズより小さな活字を使わないよう”なんてことも書いてあり、配慮の細かさにびっくりした。 ドイツ人に対する手厳しい批評は痛烈だが、それだけ母国愛が深いことの裏返しと言えるかもしれない。ドイツ人の国民性にまで及んで論を展開している。ドイツ語が貧しくなっていることを危惧し、ドイツ人は文章作法がなっていないと、こっぴどく書いている。はて、日本語は日本人は現在どうか気になった。そしてドイツ人の現在も。言葉を大切にし、自分の頭で考えることの大切さを肝に銘じた。 【印象に残ったフレーズ】 ・思索は人間のようなものだ。いつでも好きなときに呼びにやれるわけではなく、あちらが来てくれるのをじっと待たねばならない。外からの刺激が、内なる気分や心の張りと、なごやかに首尾よく出会うと、あるテーマについて自然に考えられるようになる。こうした思索は、博覧強記の愛書家には決して経験できない。 ・少なくとも読書のために、現実世界から目をそらすことがあってならない。…具体的なもの、リアルなものは、本来の原初的な力で迫ってくるため、ごく自然に思索の対象となり、思索する精神の奥底を刺激しやすい。 ・書くときもあらゆる不要な詳述、総じてあらゆる過剰表現を慎み、けがれなき文体を心がけるべきだ。余計なものはみな、マイナスにはたらく。「飾らず簡素」という掟が崇高さとも調和するので、すべての芸術にあてはまる。 ・いつの時代も大衆に大受けする本には、…. 手を出さないのがコツである。 ・常に読書のために設けた短めの適度な時間を、もっぱらあらゆる時代、あらゆる国々の、常人をはるかにしのぐ偉大な人物の作品、名声鳴り響く作品へ振り向けよう。 ・良書を読むための条件は、悪書を読まないことだ。なにしろ人生は短く、時間とエネルギーには限りがあるのだから。 ・「反復は勉学の母である」重要な本はどれもみな続けて二度読むべきだ。 ・古典作家のだれでもよいから、たとえ30分でも手に取ると、たちまち心はかろやかに、清らかになり、高揚し、強くなる。 *ロシアの文豪トルストイは、友人宛ての手紙で次のように、ショーペンハウアーを絶賛している。 「今私はショーペンハウアーは多くの人間たちの中でもっとも天才的な人物だと確信します…これは信じられないほどはっきりと、美しく照らし出された世界です」(解説より) 以下、私の読書についての余談です。 今年(2025年)に入って“正岡子規の出てくるところを読みたい”という理由だけで、『坂の上の雲』を読みました。読後にユーザーの方々の感想を読み、あまりにも歴史を知らない自分に愕然としました。と同時に、長編を読む力も足りないということも感じました。 社会人になってから、読書の楽しみを忘れてしまい、読書量は微々たるものです。ユーザーの方々の本棚を拝見し、読もうと思ってそのままの本がたくさんあることに、ブクログをはじめて5年たって気づきました。 学生時代に読んだ方が良かった、日本や海外の古典や、歴史を学べる本を、今後も多く読んで思索を深めていきたいと思っています。

Posted byブクログ

2025/10/04

常に考え続けることを辞めてはいけない この本を読んでより一層そう感じました 惰性で本を読むのではなく、自分のアタマで考え続けることが重要

Posted byブクログ

2025/08/27

「読書は自分で考えることの代わりにしかならない。自分の思索の手綱を他人に委ねることだ。」 「本を読むとは、自分の頭ではなく、他人の頭で考えることだ」

Posted byブクログ

2025/07/20

本書は散漫な読書や軽薄な文筆に対する罵詈雑言集だ。 ショーペンハウアー曰く、 ・紙に書き記された思想は、砂地に残された歩行者の足跡以上のものではない。なるほど歩行者がたどった道は見える。だが、歩行者が道すがら何を見たかを知るには、読者が自分の目を用いなければならない。 な...

本書は散漫な読書や軽薄な文筆に対する罵詈雑言集だ。 ショーペンハウアー曰く、 ・紙に書き記された思想は、砂地に残された歩行者の足跡以上のものではない。なるほど歩行者がたどった道は見える。だが、歩行者が道すがら何を見たかを知るには、読者が自分の目を用いなければならない。 なるほど、読書は受動的な行為であると考えていた私にとって耳が痛い言葉だ。 ・真の思索家タイプや正しい判断の持ち主、あるテーマに真剣に取り組む人々はみな例外にすぎず、世界中いたるところで人間のクズどもがのさばる。クズどもは待ってましたとばかりに、例外的人物の十分に熟考した言説をいじくり回して、 せっせと自己流に改悪する。 ・風刺は代数のように抽象的で不定の数値に向けられるべきで、具体的数値や量を備 えたものに向けられるべきではない。生きた人間を解剖してはならないように、風刺してはならず、これを顧みない者は皮はぎの刑、死刑に処せられるべきだ。 ・書く力も資格もない者が書いた冗文や、からっぽ財布を満たそうと、からっぽ脳みそがひねり出した駄作は、書籍全体の九割にのぼる。評論雑誌は当然、それらを容赦なくこらしめ、書きたい気持ちにまかせてペンを走らせる詐欺まがいの売文行為を阻止しなければならない。それなのに著者や出版業者とのさもしい馴れ合い から、それらを奨励し、読者から時間と金を奪っている。 心が痛くなるほどの批判の数々!どの言葉も骨身に染みる。

Posted byブクログ

2025/06/10

全体を通して批判的な文章なのだが、文章力強くエネルギーに満ち溢れていて一種の爽快感となっている。 本書内でも語られている通り比喩表現が秀逸で哲学書をあまり読まない自分でも比較的読みやすかった。 「著述と文体について」は当時のドイツ文学界に対する批判が延々と綴られているので現代に読...

全体を通して批判的な文章なのだが、文章力強くエネルギーに満ち溢れていて一種の爽快感となっている。 本書内でも語られている通り比喩表現が秀逸で哲学書をあまり読まない自分でも比較的読みやすかった。 「著述と文体について」は当時のドイツ文学界に対する批判が延々と綴られているので現代に読む自分としては冗長に感じる部分もあるがそれだけ感情がこもっているとも受け取れる。 現代においても学ぶところの多い名著。

Posted byブクログ

2025/05/16

ブ、ブチギレてる....? 清々しいばかりのキレ方と、その主張や論旨の鮮やかさに、スッキリ感満載の素晴らしい読書でした。今抱えている問いともぴったりでした。 大衆よ、アホになるから読書するなよ〜 他の訳は読んでないけどこの訳めっちゃ読みやすい!光文社の新訳シリーズほかにもチェッ...

ブ、ブチギレてる....? 清々しいばかりのキレ方と、その主張や論旨の鮮やかさに、スッキリ感満載の素晴らしい読書でした。今抱えている問いともぴったりでした。 大衆よ、アホになるから読書するなよ〜 他の訳は読んでないけどこの訳めっちゃ読みやすい!光文社の新訳シリーズほかにもチェックしてみようと思える!

Posted byブクログ

2025/04/28

「自分の頭で考える」「著述と文体について」「読書について」の3章から成っているが、1,3章と2章で全く印象が異なる。 1,3章は現代にも通ずる鋭さがある。読書は他人の思索の過程をなぞる行為にすぎないという視点は秀逸。まぁ、何も考えないで生きてるよりは読書をする方が100倍マシであ...

「自分の頭で考える」「著述と文体について」「読書について」の3章から成っているが、1,3章と2章で全く印象が異なる。 1,3章は現代にも通ずる鋭さがある。読書は他人の思索の過程をなぞる行為にすぎないという視点は秀逸。まぁ、何も考えないで生きてるよりは読書をする方が100倍マシであると思うけど。 しかしながら、2章が酷い。言ってることは「格式高い昔の文法を大事にしようね。端折るのはダメ。」ということだけなのに、それになんと106ページも費やしている。彼は「ドイツ人の文は曖昧で、入り組んだ長い挿入文が満載」と述べているが、ここまで綺麗なブーメランは見たことがない… それでも歴史的大著であることは間違い無いので、読む時は2章を飛ばしましょう

Posted byブクログ

2025/04/11

読書をしている人間なら、必ず一度は読むべき作品。 読書は自分で考える力を衰えさせるという言葉は、自分の胸に深く突き刺さった。ただ、彼の言葉を引用している時点で、私は自分で物を考えられてはいないのかもしれないが。 昨今読書の有用性ばかり主張されるが、今の世の中には悪書が蔓延って...

読書をしている人間なら、必ず一度は読むべき作品。 読書は自分で考える力を衰えさせるという言葉は、自分の胸に深く突き刺さった。ただ、彼の言葉を引用している時点で、私は自分で物を考えられてはいないのかもしれないが。 昨今読書の有用性ばかり主張されるが、今の世の中には悪書が蔓延っている。だからこそ、読むべき本は選ばなければならない。

Posted byブクログ

2025/03/18

ブックオフの100円コーナー本クオリティ。 「悪書は読者から、本来なら良書とその高尚な目的に向けられるべき時間と金と注意力をうばいとる」(P144)とか言ってるけど、ブーメラン刺さってますよ。 本書の主張は以下に尽きる。「むやみに本を読むな、自分の頭で考えろ」「流行りの薄っぺら...

ブックオフの100円コーナー本クオリティ。 「悪書は読者から、本来なら良書とその高尚な目的に向けられるべき時間と金と注意力をうばいとる」(P144)とか言ってるけど、ブーメラン刺さってますよ。 本書の主張は以下に尽きる。「むやみに本を読むな、自分の頭で考えろ」「流行りの薄っぺらい本は読むな、古典の原典を読め」「文章はわかりやすく書け、文法を乱すな」。本当にこれだけなのだ。200ページ足らずのごく短い書物とはいえ、たったこれだけのことを伝えるには冗長すぎる。 残りのページはひたすら、「卑劣な三文文士」への憎悪を撒き散らすだけ。矛先は匿名の批評家、文法の乱れ、分かりやすさ重視の古典の解説書など。現代日本にもよくいる欲求不満おじさんみたいで、ちょっと見てられない。 これを「舌鋒鋭い批判」と形容する人もいるが、果たしてこれが相応しい表現なのか、以下の引用を読んで考えてみてほしい。 「(匿名批評家は一人称に)自己を卑下する形を用いるべきだ。たとえば「情けない取るに足らぬ私」「こずるい卑怯者の私」「覆面をした無能な私」「ろくでなしの卑しい私」などだ。それは、「ひとめにつかない田舎文芸新聞」の暗い穴から、シュシュッと走り出るアシナシトカゲのような連中、いいかげん悪行から足をあらうべき覆面の詐欺師にふさわしい修辞だ。」(P57)

Posted byブクログ