よだかの片想い の商品レビュー
顔の半分を覆うような大きなアザとともに生きてきたアイコ。恋とは無縁だった彼女が、24歳にして初めて人を好きになる。 読後すごく難しい気持ちになって、その気持ちをなんて表現して良いかわからなかったんだけど、ああこれは羨ましさなのかもしれないとやっと思い至った。アザがあるせいでから...
顔の半分を覆うような大きなアザとともに生きてきたアイコ。恋とは無縁だった彼女が、24歳にして初めて人を好きになる。 読後すごく難しい気持ちになって、その気持ちをなんて表現して良いかわからなかったんだけど、ああこれは羨ましさなのかもしれないとやっと思い至った。アザがあるせいでからかわれたり奇異の目で見られたり、もちろんツライことはたくさんあるに違いないんだけど、でもアザがあるからこそ磨かれるところも確実にある。というのを、アイコ自身がすでに気付いてるから。それに気付いちゃったら最強じゃね? 怖いもんなくね?って思うのだ。 自分の初恋と比べたらアイコはなんて積極的で冷静なんだろうと驚いてしまうけど、アイコがアザを通して得た人間関係のなかで、相手に全幅の信頼を寄せてきたことを考えれば納得がいく。気持ちを偽ることなく堂々と生きるアイコの姿は、最後まで清々しい。
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誰にでもコンプレックスはあるもの。 それが他人からみてすぐわかるものかそうでないものかの違いがあるとしても。 相手に対して素直なアイコが眩しい。 カッコつけたりせず、ありのままの自分を曝け出せるところが魅力だなぁ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
生まれつきほっぺにアザがある女の子が24歳で初恋をした、というお話。こんなにまっすぐに人を好きになれたらなぁ。もう十何年もそんな気持ち抱いていないな。ミュウ先輩や原田君もいい。お母さんの苦しみをアイコが覚えているところがすごい。母親はどんなに自分を責めたことか。この飛坂さんがまた魅力的なんだよね。まぁ好きになったアイコ目線で語られているから余計に。振られても、好きになれたことを感謝できるような人に出会いたいものだ。この先、恋愛することがあるかなぁと思う。
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生まれつき顔に大きなアザがあるアサコ。 アザを異物とされ、からかわれたり見て見ないふりをされてきた彼女は着飾ることや女性らしくあることにも頓着しないようになるが… アザをきっかけに舞い込んだインタビューの依頼と、そこで出会った監督。微笑むことも出来ない硬い表情の彼女に「強い」と...
生まれつき顔に大きなアザがあるアサコ。 アザを異物とされ、からかわれたり見て見ないふりをされてきた彼女は着飾ることや女性らしくあることにも頓着しないようになるが… アザをきっかけに舞い込んだインタビューの依頼と、そこで出会った監督。微笑むことも出来ない硬い表情の彼女に「強い」と言い、抱えてきた思いに理解を示してくれた監督と彼の撮る映画に恋をしてしまうアサコ。 不器用なくらいまっすぐなアサコの想いに胸打たれる。と、同時に監督のような男性に惹かれたら傷つくのは必至なので、やめておきな!とも思う。 島本作品では今作が一番好きかも。
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アイコの強さはかっこいい。 諦めとか嫉妬とか、それでも希望を抱いてしまうところとか、 胸がキューとなりました そして飛坂さんが魅力的すぎる…! しあわせにできないと、先に言っちゃうなんてズルすぎる…! でもとても惹かれます とてもカクバリさんにピッタリきて 勝手にイメージしな...
アイコの強さはかっこいい。 諦めとか嫉妬とか、それでも希望を抱いてしまうところとか、 胸がキューとなりました そして飛坂さんが魅力的すぎる…! しあわせにできないと、先に言っちゃうなんてズルすぎる…! でもとても惹かれます とてもカクバリさんにピッタリきて 勝手にイメージしながら読んでました 相変わらず島本さんの作品は読み終えたらすごく切なくなります 今までの作品で2番目にすき!
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島本理生さんの比較的新しい単行本。 顔のアザをコンプレックスに持つ主人公のアイコ。 「アザを通して世界を見てきた」「アザがあったから信頼できる人と付き合ってこれた」とミュウ先輩とのシーンが良かった。 あと、お母さんは最初罪悪感のあまり過保護・過干渉に接するタイプなのかと思いきや、...
島本理生さんの比較的新しい単行本。 顔のアザをコンプレックスに持つ主人公のアイコ。 「アザを通して世界を見てきた」「アザがあったから信頼できる人と付き合ってこれた」とミュウ先輩とのシーンが良かった。 あと、お母さんは最初罪悪感のあまり過保護・過干渉に接するタイプなのかと思いきや、研究室生活や夜勤続きのバイト、そして恋愛まで結構寛容で懐の深い人物に描かれていた。 片思いは結果実らないんだけど、主人公の成長物語として読むと面白い。
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読み終わって、 脳内が答えの出ない感情のループになった。 島本さんの作品の中で久々に 深部をえぐって、痛みを感じるような 文章とストーリーでした。
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これこれ、こうこなくっちゃ。 島本理生健在! ナラタージュを彷彿させる感じ。 年上の人を好きになるからかな。 純粋で高潔で知的な主人公、人当たりが良くて、甘え上手な彼。 突如、潔くサヨナラしたからびっくりしたけど、研究室のET君と微笑ましい感じになってよかった。 お母さんも...
これこれ、こうこなくっちゃ。 島本理生健在! ナラタージュを彷彿させる感じ。 年上の人を好きになるからかな。 純粋で高潔で知的な主人公、人当たりが良くて、甘え上手な彼。 突如、潔くサヨナラしたからびっくりしたけど、研究室のET君と微笑ましい感じになってよかった。 お母さんも教授もミュウ先輩もそれぞれのキャラクターが立ってて、物語をうまくつないでくれる。 嫌な人がいないパターンだけど、それがいい。 誰とどうなっても、アイコは監督を一生好きなんだろうな。
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ひさしぶりの島本さん。 きゅんきゅんした。 監督さんに恋する気持ち、わかるなぁー。。。 島本さんて、こういう恋愛書かせたらうますぎる。 女子のツボを心得てるねぇ。 こんな男の人、ほんまにおるしなぁ。
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久しぶりの島本理生。はじめの頃の作品に近いような、胸にしんしんとしみる話だった。生まれつき顔にアザのあるアイコが主人公。ひっそりと目立たないように生きてきたが、恋愛を通して変わっていく様が描かれる。アイコの不器用なところとズルくは生きられないところが魅力でもあり、もどかしくもあり...
久しぶりの島本理生。はじめの頃の作品に近いような、胸にしんしんとしみる話だった。生まれつき顔にアザのあるアイコが主人公。ひっそりと目立たないように生きてきたが、恋愛を通して変わっていく様が描かれる。アイコの不器用なところとズルくは生きられないところが魅力でもあり、もどかしくもあり、なんでうまくいかないのかなぁと切なさに涙がついこぼれてしまった。終わりの方で、アザを通して他人を見てきたから、信頼のできる人とだけ付き合ってこられたという心境に至ったアイコが眩しい。希望の持てる終わり方はほっとするものがあった。
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