よだかの片想い の商品レビュー

島本理生【著】

2023/03/02

私は、人生で二人、顔にあざのある男性を知っている。
一人は、私の親戚で、暗く、集中すべき時に、友達から絶交されるほど反対されるような彼女を作るほどの恋愛依存だった。
もう一人は、小学校の同級生で、明るくて、クラスの人気者で、私も好きだった。

男女で違うのかもしれないが、この主人公はどちらかというと、私の親戚より。確かに、親戚にも心ない言葉が寄せられることがあり、親子で闘っていた。でも、どこか、この本の内容のように思っていたかというと、違うような気がした。

恋愛に経験がないから、フラフラと責任の伴わない優しさをもつ男性に惹かれてしまったと思うので、やっぱりちょっと不幸だと思ってしまった。

2016/03/20

主人公が自分に似てると言えばおこがましいけど、多々共感できて一気に読んでしまった。でも主人公、強いよなあ。見習わないとなあという感想。

2016/03/14

顔に大きな痣のある女性の恋愛話。

痣じゃなくても、大小あるコンプレックスとどう向き合うかを考えさせられる話。

本人がどう向き合っていくかも大切だけど、どんな人と出会えるかも大切。
そんな機会を逃さないようにしないと。

2015/12/31

痛いなぁと思うことばっかり。
幸せにできないなんて、やってもみてないこと言うのはズルくて弱い。

直感、信じていきたい。
信じてきたんだけど。

2015/12/13

　顔にアザがある女の子、アイコの恋愛にまつわる物語だけど、おそらく何らかのコンプレックスを持っているであろう全ての人に送られたお話であるように感じた。
　相手との距離の取り方、気持ちの思い遣り方など、アイコちゃんの恋愛が本当に丁寧で誠実で、私も立ち返るべき姿勢だと思い、少し反省も…。また、飛坂さんとの恋愛がアイコちゃんを確実に成長させ、前向きにさせたラストは爽やかだった。読後はとても気持ちの良い一冊。

2015/12/06

幸せにしてあげられないという男に、何もいらないと頷くアイコ。ああそんな男だめだよ〜と思いながらも、惹かれる気持ちはどうしようもなくわかる。

恋って人に色んな感情を与えたり、違う目線に気づかせたりして、成長させてくれるものなんだな。
この言い方を彼女は嫌がるだろうけど、アイコはやっぱり強い。強いってことは、弱い部分がないってことじゃない。弱さもひっくるめたアイコの優しさ格好良さに参りました。

2015/12/03

23歳にして、初めての恋に落ちたアイコ。
不器用で生真面目でまっすぐなアイコの恋は
やっぱり不器用で真面目でまっすぐで、読んでいてせつなくなるくらい純粋なのでした。
アイコには生まれつき顔に大きなアザがある。
アザが目立たぬよう、顔を隠し背中を丸め
人の視線から逃れるように生きて来た彼女が、
恋をすることでとてつもない成長を遂げて行く過程は
本当に素敵です。
そう、だって恋の始まりは『私を見て！』なのだもの。
コソコソうつむいていじけていたら恋なんてできない！
この物語後の彼女の人生を、いつか読んでみたいなと思いました。

2015/06/26

生まれつき顔にアザがあるアイコは、２４歳になり初めて恋をする。今まで自分に自信がなかったアイコだが、好きな人ができて気持ちが上向きに変わっていく。服を買いに行ったり髪を整えたり、恋をするって楽しいよね。ミュウ先輩との関係も素敵。

2015/06/06

傷を負った主人公の話はすごく感情移入する。自分を投影するからだと思う。それだけ私は傷に人生を支配されてるんだなと思った。
そして、自分も認めてもらえた気持ちになって胸がいっぱいになる。
久しぶりの島本理生作品。やはり好きだ。

主人公アイコも、恋をした飛坂も心に負った傷にがんじがらめになっていて、その描写がリアルだった。傷を負ったもの同士は惹かれ合う、だけど必ず離れる。改めてそれを感じた。

印象的だったセリフを幾つか。

私だって、もっと可愛くてアザなんてない顔に生まれたかったとか、弱音吐きたいときはある。でもそんなことを言ったら、親や〜もっと困難のある人たちまで、ぜんぶ否定することになるから。あなたが弱くたっていい。でもその弱さに甘えるのは間違ってる。

アザと呼べば、まるで欠点のように聞こえてしまうけど、僕は純粋に目を奪われました。その女性が葛藤しながらも強く生きてきた証に。

本当は全ての人間がアザを負った当事者。

2015/05/29

顔にあざのある女性。きっとコンプレックスの塊になって、ねじれちゃってるのかと思いきや、悩みつつも真の強い、素敵な女性として書かれている。レーザーで痣が除去できると分かってからの、彼女の心理と決断がいいと思った。