よだかの片想い の商品レビュー
思いの外、やさしい終わり方だったな。 装丁じゃなくって、中の表紙っていうのかな? タイトルが書いてある最初のページ。 その絵が美しくて、この本はハードカバーで読まなければって思った。 読んでから見てみると、カバーの女の子も素敵だなぁ。アイコだろうか? 片想い・・・なんだけど、少...
思いの外、やさしい終わり方だったな。 装丁じゃなくって、中の表紙っていうのかな? タイトルが書いてある最初のページ。 その絵が美しくて、この本はハードカバーで読まなければって思った。 読んでから見てみると、カバーの女の子も素敵だなぁ。アイコだろうか? 片想い・・・なんだけど、少し違う。 島本さんが描く登場人物たちは、あんまり熱量がないんだな。貶してるわけじゃなくて。 掬い取りたい言葉がたくさんあったはずなのに、出てこない。 誰もが、たぶん誰かに片想いをしていて、それは特別なことではないのだけれど、人を好きになることは、本当に特別なことだ。 そんな世界からこぼれてしまいそうな想いを、島本さんは言葉にしてくれてる気がする。
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とても面白かった。顔の痣にコンプレックスを感じつつも、こじれることなく、真っ直ぐに育ったアイコが、遅まきながらの恋をするお話。 なんだろう、読んでいる時の自分は親、兄弟、友達の視点でもなく、増してや本人の視点でもなく、アイコの不器用な恋愛をはらはらしながら見てました。 途中か...
とても面白かった。顔の痣にコンプレックスを感じつつも、こじれることなく、真っ直ぐに育ったアイコが、遅まきながらの恋をするお話。 なんだろう、読んでいる時の自分は親、兄弟、友達の視点でもなく、増してや本人の視点でもなく、アイコの不器用な恋愛をはらはらしながら見てました。 途中から、これは、おじいちゃん視点であることにハタと気づき、成る程、いいおっさんが恋愛小説を読むと、こんなものかと思った。 文章はフワフワしていなく、しっかりと描かれており、読了感も、ほろ苦くもさわやかな感じでした。
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人間は誰もが自分に対してコンプレックスを持っている。それを象徴するのが主人公のあざのように思えた。決して派手ではなく、注目されることも嫌いな彼女だが、最後の最後で自分のわがままな部分が出てしまったゆえに自暴自棄に陥ってしまう。女性なら誰しも一度は経験したことのあることではないだろうか。
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*顔の左側をおおったアザのせいで、24歳にして恋愛経験値ゼロの理系大学院生アイコ。けれど、映画監督の飛坂逢太と出会い、世界がカラフルに輝きだす。女性に不自由しないタイプの飛坂の気持ちがまったくわからず、時に暴走したり、妄想したり、大きく外したり。一途な彼女の初恋の行方は…!?切なくもキュートなラブ・ストーリー* 恋愛のほろ苦さ、痛々しさがぎっしり詰まった一冊。個人的には、アイコの初々しさや一生懸命さよりも、突っ走り過ぎで自分勝手な展開から目を背けたくなってしまいました・・・あと、ちょっとキレイごとが多くて、鼻白む箇所も。飄々とした原田君の登場で後半救われましたが。
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アイコが、ある男性に思いを寄せ、出会うことにより、それまで後ろ向きな自分がだんだんと前向きへ変わっていく。顔に痣があることで、何事にも消極的になってしまい、青春を謳歌するのを躊躇うが、高校の時に、科学系の部活に入り、それを生かし、大学へ行き、院へ行き、恋をし、それまで消極的な自分...
アイコが、ある男性に思いを寄せ、出会うことにより、それまで後ろ向きな自分がだんだんと前向きへ変わっていく。顔に痣があることで、何事にも消極的になってしまい、青春を謳歌するのを躊躇うが、高校の時に、科学系の部活に入り、それを生かし、大学へ行き、院へ行き、恋をし、それまで消極的な自分から、少しずつ殻を破っていく姿が良い。人間なんだから、強いところもあれば、弱いところもある。あなたが思っているほど、多くの人は、深刻にも真剣にも生きていないんだ。という文が印象的で頷け、共感。
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コンプレックスを抱えた女の子の話、ということで、以前読んだ『吃音センセイ』(佐藤文昭・著)という作品を思い出しました。 「生まれつき顔にアザがあって、それをコンプレックスに生きてきた、そんな女の子が初めて恋をした話」というあらすじだけ聞くと、ちょっと重い話だろうか…と身構えてしま...
コンプレックスを抱えた女の子の話、ということで、以前読んだ『吃音センセイ』(佐藤文昭・著)という作品を思い出しました。 「生まれつき顔にアザがあって、それをコンプレックスに生きてきた、そんな女の子が初めて恋をした話」というあらすじだけ聞くと、ちょっと重い話だろうか…と身構えてしまうところがありますが、読み始めると全然そんなことはなく。 人間誰しも弱い部分はある、でもそれも含めてこそ「自分」なのだ、と前向きな気持ちにさせてくれるお話でした。 片想いや、恋愛の仕方もよくわからない初恋の、ちょっとせつない感じがまたいいですね。
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二人はどうして一緒にはいられないの? なんで相手を追いかけないの 大切なんて言葉じゃ表せない人なのに 切ない!追いかけて、引き止めて向き合って。ちゃんと自分の気持ち全部伝えて、つらい、胸がつまる 二人が出会わなければよかったとは思わない もう関わることはないの? 自分が失恋したみたいだ あいこをあなたと呼ぶあなたの綺麗な言葉が好きだった 初めて会ったときから好きだった。切ないけどとても温かかった。 2人の恋をずっと見ていたかったなあ 星にまつわる話ってどうしてこんな切ないんだろう 読み終わってすぐのむき出しな気持ちをざーーと書いてしまったけど、まだまだ読みたいところがいっぱいある。でも今は… また改めて。
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16/07/11 恋する乙女度満点の、読んでて「きゅーーーん」てする小説です。幸せな“きゅーん”ではなく、切なくていたたまれない“きゅーん”です。 「アイコさんといると、気を遣わなくていいのに、背筋は伸びるよ」て言葉、いいなあ。わたしもそんなふうに言われたいねー ・その後ろ姿に...
16/07/11 恋する乙女度満点の、読んでて「きゅーーーん」てする小説です。幸せな“きゅーん”ではなく、切なくていたたまれない“きゅーん”です。 「アイコさんといると、気を遣わなくていいのに、背筋は伸びるよ」て言葉、いいなあ。わたしもそんなふうに言われたいねー ・その後ろ姿に、私は両腕でしがみついていた。 腕いっぱいの大きな体が今ここにある。それだけで死にそうで、どうしてこの人に出会ったのだろう、と思ったら、もう耐えきれなくて 「好きです」 とうとう、言ってしまった。 飛坂さんは小さく、アイコさん、と呟いた。 私は遮るように声を絞り出して、好きです、好き、好きです、とくり返した。髪の毛や指先から溶けて泡になってしまう気がした。(P95-96)
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アイコも飛坂さんも潔いので、どんどんすすみまるくおさまる"初恋物語"の童話っぽさ、淡くてちょうどいい。嫌な気持ちにはならない。
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生まれつき顔にアザがある少女のアイコ。アイコはいつだって人の好奇心いっぱいの視線にも、傷つく言葉にも耐えて真っ直ぐな少女に成長した。そのアイコが好きになった男性は、ひとくせもふたくせもある大人の男性。ストレートなアイコの言葉が届いたと思っても、ちっとも届かない。でも彼はアイコにア...
生まれつき顔にアザがある少女のアイコ。アイコはいつだって人の好奇心いっぱいの視線にも、傷つく言葉にも耐えて真っ直ぐな少女に成長した。そのアイコが好きになった男性は、ひとくせもふたくせもある大人の男性。ストレートなアイコの言葉が届いたと思っても、ちっとも届かない。でも彼はアイコにアザがある顔こそが「アイコ」であることを教えてくれた。アイコの抱えていた物が「負」ではなかったと諭してくれた。ようやく自分自身と本当の意味で向き合えるようになったアイコは強い。片想いの恋がアイコの人生をステップアップさせたのだ。
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