凍花 の商品レビュー
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殺された次女梨花と殺した長女百合。なぜ姉2人がそうなってしまったか探る三女の柚花。 周囲からは完璧な姉には家族や他人が知らなかった内面があって哀しくて読んでるうちに辛くなった。柚花を守るために黙秘する姉、真実を知っているか探り入れようとする父、事件後更年期障害が悪化し鬱になる母…。 妹の姉自慢からの日記読んだ時の内容は妹2人には精神的に応えられなかったのと拒絶、こんな百合ではないと受け入れられないといった感じやったけどもし自分に置き換えてみたら怒りの感情が湧いてきて事件当日みたいなことに発展するかもって怖くて哀しい物語だった。 鹿島さんや彼氏の助言、全ての日記を読み終えたら妹たちに憧れて嫉妬していて人間関係が不器用に構築されてる長女なんやなって思った。周りからの完璧な姉とホヤされたら相当プレッシャー感じてたと思うし誰にも相談できないしプライドが邪魔するしで苦労をされてたんやなって思った。
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これはどうも三女が長女の描く日記の通りの邪、なのではないかと読んだ。 病的な母をさらに追い詰めるまでに昔の話を聞き出そうと迫ったり(途中で明らかに母親の様子がおかしいにも関わらず)、彼氏に自分の中の一方的な綺麗事で自然消滅に近い別れを狙っていたり。 母が本調子でないので外食して帰る日常になってるとか、なんだかなあ、な人物に思えた。
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三姉妹の長女が次女を殺した。 …にしては、全体的にサラリとした感じ。ドロドロを期待していたのだが… 動機は何?出できた日記を読み進めるうちに変化する感情。 感情の変化は理解できるところもあり、首を傾げるところもある。母親が理解できず、そうじゃないだろ!とツッコミを入れる。 ...
三姉妹の長女が次女を殺した。 …にしては、全体的にサラリとした感じ。ドロドロを期待していたのだが… 動機は何?出できた日記を読み進めるうちに変化する感情。 感情の変化は理解できるところもあり、首を傾げるところもある。母親が理解できず、そうじゃないだろ!とツッコミを入れる。 ただの姉妹喧嘩で済んだはずが、こうなるとはね… でも、ほぼこうはならない。 解説より「人は自分の信じたいように信じる」 皆がそうなら、それでいいよと思う。二面性なんて誰にでもあるでしょ?表裏一体だよ。当たり前すぎ。 大事な人ならきっとわかってくれる。 裏切られたも幻想。自分が信じたいように信じてるだけ。読みが甘かったわ…で済ますしかない。
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三姉妹の長女が次女を殺害してしまうミステリー。ストーリーは三女の目線から描かれていく。 長女の内面(思考)と外面(行動言動)のバランスの悩みが生きずらさになっている。 そのバランスの中心にあるものは感情で、その思考/感情/行動/言動のバランスの不安定さがそう思わせる。 デメリットに感じる部分ではあるだろうが、自分には逆に魅力に感じる部分でもある。 ひとつひとつ自分を見つめていて、その時の感情をしっかりと刻めている。 取るべき行動はもっとベターなものがあったり、もっとメリットがあるものもあったろうが、そんなのは結果論であり誰も知らない事。 そこに躓き、苦しむ姿は長女の人間らしい魅力かとも感じた。 タイトルが秀逸で「凍花」 最初なんのことか解らず手に取った作品だが、読み終わってみればこれ程しっくりくるタイトルはないのかもと感じた。 場面場面で時間も空間も嘘も真実も凍るような花の姉妹の過去現在未来。 これは上手い表現だなと感じた。 長女と三女の新たに交いだした姉妹の姿に望みを託したい。凍ってしまっていた物や凍らされた物、凍らしてしまった物は徐々に溶かし取り戻していってほしいと願う。 ただ永遠に凍らせてしまった事実だけはどうすればいいのかわからない。 ただ向き合い受け入れ、個人ではなく家族として補うことでその中心にある個人の孤独感や悲壮感は緩和される事はできる気がする。そうしてほしいと願う。
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人間はなんて不器用な存在なんだろう。自分の中にもある記憶が揺さぶられるような不思議な痛みを感じながらも憑かれたように一気に読んでしまった。読んでいてつらくなりますが間違いなく出会えてよかったと感じました。怖い物語であると同時に慈しみに溢れているという解説もよかった。どれほど話し合...
人間はなんて不器用な存在なんだろう。自分の中にもある記憶が揺さぶられるような不思議な痛みを感じながらも憑かれたように一気に読んでしまった。読んでいてつらくなりますが間違いなく出会えてよかったと感じました。怖い物語であると同時に慈しみに溢れているという解説もよかった。どれほど話し合っても想像しても自分は自分でしかいられない。だから話し合いたいしわかりたいし努力したい。
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思い出の品、楽しかった記憶、考えていることは違うのに、同じ感情を共有していると思っていた妹は愕然とする。 「あの姉妹が、あんな事件を起こすなんて信じられない」 扉を閉めてしまえば、そこの家がどんな家なのかなんて他人になんて分かるわけないのに。 妹でさえ、事件が起きるまで姉は、私たちを大事にしている、私たちは『三人揃えば、最強の三姉妹』だと思っていたのだから。 姉の日記を読む妹と同じように、読む手が止まらない。姉のもう一つの顔か!?と思ったが、そうじゃない。 人の感情は常にひとつじゃなくてグラデーションなんだよなと気づく。嫉妬していても、羨ましかったり、ムカついていても、大切に思っていたり。 姉の孤独。 友人関係、職場、家族、男性との関係がうまくまわらない、葛藤の日々。 彼女は前を向こうとしていたのに。 歯車が狂う。 妹は、姉の事を完璧な女性だと思っていた。 妹の成長物語でもある。 235ページ-3~12 相手を知ることの意味。
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才色兼備で誰からも憧れられる存在の長女・百合。 その百合が次女を殺害してしまうという物語。 三女の柚香がその理由を探る中、長女が書き綴っていた日記を見つけるのですが、その日記には衝撃的な文章が綴られていたのです。 あー、なんか分かるなー。 だって私も、長女なんだもんなー。でもだからって妹を殺したりはしないけどね。 だけどやっぱり、百合の気持ちにどうしても感情移入してしまうんですよね。 でも他の立場の方が読めば(例えば次女や三女の方)、また違った目線で読めて、違った感想になるんだろうな。きっと。
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ミステリ小説としては正直イマイチだったけど きっと長子長女の人が読むと共感が多いと思う 自分も含めてだいたいの長女ってやつは 周りからの圧を勝手に抱え込んで 不器用に損して生きてる
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この作家もこれで初読み。どうも新しい作家を手に取ることが多い時期だったんだな。 近所でも評判の仲のいい三姉妹。その長女が次女を殺害し、自首した。 残された三女は、長女が次女を殺害した理由を知るため、調査を始める。 「イヤミス」を得意とする作家として名前が挙げられているらしいのだが...
この作家もこれで初読み。どうも新しい作家を手に取ることが多い時期だったんだな。 近所でも評判の仲のいい三姉妹。その長女が次女を殺害し、自首した。 残された三女は、長女が次女を殺害した理由を知るため、調査を始める。 「イヤミス」を得意とする作家として名前が挙げられているらしいのだが、そもそも「イヤミス」の定義ってどういうことなんだろう。 湊かなえが「イヤミスの女王」らしいから、純粋な謎だけではなく、人の闇や悪意を描き出している作品ってことかな。 確かに、そもそも姉が妹を殺害した、という点から始まるし、殺害に至ってしまうまでの長女の過去や心理状況などを掘り下げていくので、読んでいてどんよりする。 でも何だろう、登場人物がやっぱり作り物めいた設定なので、そこまで気持ちは引きずられなかったかな。 姉妹関係や家族を描いたものなので、女性読者の場合きょうだいの中でどんな位置にいたかで、読後の感想は異なりそうだ。 私は「妹だから」という理由で姉が欲しいものを譲ってもらった経験はないのだが、同様のエピソードは世の中でよく見かけるので、「お姉ちゃんだから」と言われて我慢してきた人も多いんだろうな。 面白かったが、個人的には被害者である次女に関する掘り下げが浅いので、いまいち物足りなかった。 あと、両親の描写も。仮にも次女を喪ったというのに、その点についての描写があまりないのがなあ。 まあミステリでは人が一人死んでも通り一遍の悲しみが描かれるだけで、心理的葛藤はさらりと流されることが多いからこだわりすぎなのかもしれないけど。
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色々突っ込みどころはあれど、終盤まではページを捲る手が止まらないほど面白かった。 ただ、最後が残念だった。 小説の帯に書いてあった『感動』というよりは、末っ子の妹の残酷さに戦慄した。 本気でそう思って姉に手紙を書いたとしたら、恐ろしいほどの憎悪だ。 まさに、長女が内心抱いていた気持ちとドンピシャで。 純粋な悪なのだと感じた。 それとも、妹までもおかしくなったのか? それなら秀逸ミステリーだと思う。 そうでなく、家族の再生を狙っているとしたら、これほどの嫌味はないな、ということに作者は気づかずに書いていることになる。 だから、やはり、性悪だったのは末っ子だったのだ。 というところに着地した。
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