凍花 の商品レビュー

斉木香津【著】

2015/04/10

描写がとても丁寧。起きている事柄はとても少ないのに1冊の満足感もあるし間延びしてないし。とてもよかった。

2015/04/08

人間の暗部を題材にした作品でしたが、
あまり迫力を感じなかったかな。
ちょっと登場人物がステレオタイプ過ぎて。
誰からも優等生と思われていたがそれに疲れきっていた姉、
その事実を知り一度は拒絶するも理解して行く妹、
彼女が離れようとするのをごく当たり前の事を伝え翻意させる優しい彼氏・・・

まぁどこにでもいそうな人達も色々抱えてるんだよ、
って言いたいのならステレオタイプでいいのかもしれないけど、
小説としての面白さには欠けてしまうような。

2014/11/03

久々に途中で止められなくなり、一気に読んだ。言ってくれないと解らない！　と、簡単に言ってしまいがちだが、言えない人もいる。なら、言えない人をどうやって理解すれば良いのだろうか。自分の気持ちはヤッパリ言葉にして伝えて欲しい。それによって失うモノもあるかもしれないが、言わない事で取り返しが付かなくなることの方が哀しいから。

2014/10/11

読みやすくてどんどん読めて面白かった。面白いって題材ではないが興味深く引き込まれていく。一緒に暮らして来た家族なのに理解していないことっていっぱいあるんだなと思い知らされた。でも互いを思いやる気持ちがあれば再生出来るんだなと思う。

2014/09/27

近所でも評判の仲の良い３姉妹の長女が次女を殺害してしまう。納得できない３女は独自調査を始める。すると長女が残していた日記が見つかる。そこには想像していない事が書かれていた。解説にある『凍った花は美しいが少し触れただけで粉々に砕けてしまう。だからといって眺めているだけでは花は永遠に孤独だ。氷は溶かさればならない内側と外側の両方から少しずつ』人間の多面性と孤独について考えさせられた作品です。

2014/09/05

最初は、映画化狙った感じの設定かしら⁇と思いながら読んでいたけど、読み進めると、あ〜こういう人いるいる…と思って胸がざわざわ。

一つの家族の中に、加害者と被害者がいるということを家族としてどう受け止めていくのか。
家族の中に加害者を生んでしまった自分たちの責任に押し潰されそうになりながらも、加害者ではなく、そう生きることしかできなかった姉を理解したいという気持ち。
あたし自身は長女ですが、百合に共感できる部分はなかったので(長女らしく我慢することがなかったのでしょう)、柚花の気持ちに沿うと、自分が加害者家族でありながら遺族であることが痛々しかったです。

でも母親には共感できないな〜…
たとえ日記でいい子じゃなくて悪口書くことを提案したとしても、同じ娘たちのことを異常な渾名を付けて罵る様を読んだらますます百合の異常さに恐るはず。
その異常さに事件を起こしかねない衝動性に怯えてに病院に連れて行ってほしかった…

2014.8.22

2014/08/10

久しぶりに、読みあさった。
また、冒頭から百合の性格や考えが理解できました…
ニュアンスは違えど、昔は似た者だったから。
現在の私は違うけどねー（笑）

読んでいくと…
百合の気持ち直ぐに理解できたのです。
途中から珍しくウルウルっす！（初めて）

誰もが持ってる暗と明。愛とか信用とか
本当の人間の姿を、上手く表現してる。
しめつけられる思いがした。
全ての人が色々な意味で、当てはまるのではないかと。

人との付き合い方、距離感の取り方の難しさ。自分が発した言葉が相手に思った通り伝わらなかった時の苦しさ。
自分ばかりが苦しんでいるように感じる。
百合の葛藤は。共感してしまう。
人付き合いってそんなものだな…

しかしながら…子を思う親の心情。この小説はリアリティある。

2014/07/27

表紙からしてホラー小説と思い、覚悟して読みました。
が、ホラーとは違い、ミステリーの要素を含みつつ、家族の在り方を考えさせられるお話でした。
私は女兄弟がいないので、姉妹の葛藤はわかりませんが、このお話でちょっと大変さがわかったような…。
とにかくラストまで読者を飽きさせない。私はサクッと読めました。

2014/07/13

うわあ…ていう感想。私自身は末っ子なのでユカの気持ちすんごいわかる。わかるよ。上2人をどうにか自慢したい。ほんとわかるよ。
しかし読み進めていくうちに本当、やるせなさしか残らない。どうしてそれがこの姉妹の間に起こってしまったのか、とつくづく思う。

2014/06/18

美人三姉妹と評判の一家の、長女が次女を殴り殺した。残された三女の柚香は、美しく潔白な姉がそんな非道なことをするはずがない、なにか理由があったはずだと探り始める。しかし、ある日柚香は姉が十四年書き続けた日記を発見する。そこに書かれていたのは次女、柚香、そして家族やまわりの人間たちに対する目を覆いたくなるような罵詈雑言だった。

三女がまっさらできれいだと信じていた姉像が崩壊していくさまがじっくりと書かれていて読み応えがあった。完璧なはずの姉が全然完璧じゃなく、生きることに息苦しさを感じている姿に読んでいるこちらも苦しくなった。