凍花 の商品レビュー
三姉妹の長女が、次女を殺害してしまう。 完璧な女性だった長女が、なぜ?三女が真相を探る。 完璧に見えても、人はみんな悩みもあるし、欠点もある。 上手くやろうとして、失敗してしまう事ってよくある。 長女の百合の人生が、辛かった。 もっとラクに生きられたら、こんな事件は起きなかった...
三姉妹の長女が、次女を殺害してしまう。 完璧な女性だった長女が、なぜ?三女が真相を探る。 完璧に見えても、人はみんな悩みもあるし、欠点もある。 上手くやろうとして、失敗してしまう事ってよくある。 長女の百合の人生が、辛かった。 もっとラクに生きられたら、こんな事件は起きなかったんだろうなあ。
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三人姉妹の長女が次女を殺害。才色兼備の長女が一体何故…。できる人にはできる人の悩みがあるものですね。
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容姿にも経済的にも恋愛にも恵まれて、誰もが羨む姉妹だったはずなのに。 やっぱり女性同士はどこか、張り合う気持ちがあるのか...?それが姉や、妹とだとしても。
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こういう心の葛藤は誰でも抱えているんじゃないかな。 それでもうまく折り合いをつけて生きてる。 自分の力だけじゃなく、出会った周りの人たちに助けられながら。
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裏表紙のあらすじを見て購入。 綺麗な感じの表紙も中々です。 三姉妹の長女が次女を殺害。 なぜ、あの優しく美しい姉が?三女が主人公となりそのワケを考え探していくミステリー小説です。 感想としては女性特有の色々な感情、ドロドロ感が出ています。 私自身は男三兄弟、関係的にはドライな感...
裏表紙のあらすじを見て購入。 綺麗な感じの表紙も中々です。 三姉妹の長女が次女を殺害。 なぜ、あの優しく美しい姉が?三女が主人公となりそのワケを考え探していくミステリー小説です。 感想としては女性特有の色々な感情、ドロドロ感が出ています。 私自身は男三兄弟、関係的にはドライな感じだったので姉妹とはこういう感情が生まれるのかと思いました。 また、知能を持ったが故の人間の複雑さを改めて感じました。
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三姉妹の長女が次女を殺害した事件から幕を開ける本作。概要だけだとイヤミスだが、中身は意外とあっさり。長女の日記を見つけた三女が事件の真相に迫る辺りは「ユリゴコロ」+「イノセント・デイズ」な展開だが、女性作家さんならではの繊細な心情描写が光る一作。他人に期待して逆恨みするのも、完璧...
三姉妹の長女が次女を殺害した事件から幕を開ける本作。概要だけだとイヤミスだが、中身は意外とあっさり。長女の日記を見つけた三女が事件の真相に迫る辺りは「ユリゴコロ」+「イノセント・デイズ」な展開だが、女性作家さんならではの繊細な心情描写が光る一作。他人に期待して逆恨みするのも、完璧主義に苦しむのも、身に覚えがあり過ぎてボディブローの様に効いてくる。完璧を求めるほど、自分も他人も許せなくなるし、自意識過剰にもなる。不完全な自分を許せてこそ他人にも寛容になれる。実際、歳を取るとそうでないとやっていけないのだ…。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
恵まれた容姿をもって生まれ、すべてにおいて完璧と思われる百合の、息苦しいまでの胸の内を書き綴った日記の部分を読むのは辛かった。 人の心のうちは誰にも推し量れないのに、勝手に虚像を描いてそれと違う部分を見せられると裏切られたと怒る。人って勝手だよね。自意識が肥大し、他人に映る自分の虚像にがんじがらめになって苦しむ百合が切ない。 重苦しい作品だったけど、エピローグの柚香から百合への手紙に救われた。 「私たちは傷ひとつないツルツルのきれいなままで一生を過ごしたいと思っているけど、実際にはいろんなところが欠けたり、傷がついたりして・・・それでも、生きつづけるんだよね。生きるってことそのものが、そういうふうに欠けたり傷ついたりしていくことだから。」 傷を負った百合を家族が迎え、互いに支え合って信頼を取り戻していくことを願う。
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幻霙が手元に来たことで、ずいぶん前に借りて積んだままにしていたこれを思い出す。 ということでまずはこっちから。 長子か末子か、それとも親か。 どの立場で読むのかはその人の置かれた環境にもよると思うけれど、私は長女で、年の離れた妹がいて、だからか基本的には百合に感情移入して読んだ...
幻霙が手元に来たことで、ずいぶん前に借りて積んだままにしていたこれを思い出す。 ということでまずはこっちから。 長子か末子か、それとも親か。 どの立場で読むのかはその人の置かれた環境にもよると思うけれど、私は長女で、年の離れた妹がいて、だからか基本的には百合に感情移入して読んだ。 かわいくて、かわいくて、憎たらしい。 まさに長子が下のきょうだいに持つ感情だなあと思う。 とはいえ、「憎たらしい」のは幼少時代だけで、大人になれば変わっていくような気もするのだけれど…。園部家はそう年の離れていない三姉妹だから、その感情も残っていたのだろうか。 柚香を守りたかった百合。 百合を守りたかった母。 そんな母を支えはじめる父。 身近な存在であればあるほど、相手のいちばんの理解者は自分であると信じて疑わない。 そして相手もそうにちがいないと無邪気に信じることで、他意なく相手を追いつめる。 「良い子が言いそうなことしか言えないのがつらい」 百合のその言葉には強い共感を覚えた。 相手が期待していることはなにか考える。 いつだって「正解」の、優等生の言動をする。 そういうことがうまくできなければ失敗したと思う。 私自身も、一歩間違った先には百合がいる。 ラストの百合のモノローグと、毎朝の通勤電車内で前を見つめて涙を流す父の描写が切ない。
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数年前、SMAPの中居くんがかつてラジオ番組で本作の感想を話したことから、ベストセラーになったそうなのですが、そんなこととはつゆ知らず手に取りました。タイトルとジャケットから暗く冷たい物語が想像されますが、予想に反して(軽くはないけれど)温かみが感じられます。語り手は女子大生なの...
数年前、SMAPの中居くんがかつてラジオ番組で本作の感想を話したことから、ベストセラーになったそうなのですが、そんなこととはつゆ知らず手に取りました。タイトルとジャケットから暗く冷たい物語が想像されますが、予想に反して(軽くはないけれど)温かみが感じられます。語り手は女子大生なのにキャピキャピしすぎることもなく、不思議に落ち着けると思ったら、著者の年齢が私に近かったからのようです。 女子大生の柚香は三人姉妹の末っ子。柚香と6つちがいの長女・百合は冷静沈着な美人。4つちがいの次女・梨花はちょっとケバいがこれまた美人。柚香にとってふたりはどちらも自慢の姉。近所で評判の仲良し姉妹で、最強の三姉妹だと柚香は自負している。ところがある晩、百合が梨花を撲殺する。百合には「ついカッとなって」などというのはあり得ないこと。腑に落ちない柚香は百合について調べようと思い、百合のブログで情報提供を求める。そこに寄せられた数件のメールには、信じがたいことばかりが書かれていた。やがて百合が隠していたとおぼしき、10年間に渡る日記を発見。読んでみると家族の悪口のオンパレード。優しかった姉がこんなドス黒い感情を抱いていたとは。悲しさと怒りを募らせる柚香だったが……。 見た目だけではわからない、各人にさまざまな苦悩があります。百合は多重人格なのかな、いやそれはつまらなすぎるやろと安直に思いながら読んでいたら、日記の真相があきらかになる段で目の前がかすみました。まさか涙がこぼれ落ちる展開になるとは。家族の中に事件の加害者と被害者がいた場合、残された家族はどうなるのか。より結束するか離れてゆくのか。そんな柚香の言葉にも考えさせられます。あなたたちならきっと大丈夫。そう声をかけたくなりました。読後感も○。
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「最強の三姉妹」のつもりだったのに、長女・百合はなぜ次女・梨花を殺してしまったのか? 三女・柚香はその謎を追い、百合を理解するために、百合の本当の姿を探し始める。 「お姉さんてどんな人?」 父親でもいい、母親でもかまわない。 身近にいる家族の誰かについて聞かれたとき、どんなふうに...
「最強の三姉妹」のつもりだったのに、長女・百合はなぜ次女・梨花を殺してしまったのか? 三女・柚香はその謎を追い、百合を理解するために、百合の本当の姿を探し始める。 「お姉さんてどんな人?」 父親でもいい、母親でもかまわない。 身近にいる家族の誰かについて聞かれたとき、どんなふうに答えるだろうか。 父親としての顔しか知らない自分にきっと気づくに違いない。 会社で働く社会人としての顔、親しい友人たちと過ごす中年のおじさんとしての顔、対外的に示す家長としての顔。 どれも慣れ親しんでいる父親としての顔とは違っていることだろう。 いつでも自分を守ってくれる存在。 自慢の姉であり、ずっと一緒に暮らしてきた誰よりも身近にいた存在。 それでも、本当の百合がどんな人間であったのか柚香にはわかっていなかった。 人は誰でも見たいものしか見ない。 柚香は自分が望んでいた姉・百合という虚像を見続けていただけだ。 百合自身がそう仕向けてきたところもあるだろうけれど。 完璧な人間なんているはずがない。 どこかで力を抜き、どこかで息抜きをしなければ神経がまいってしまう。 百合にとっては家庭はその場所ではなかった。 妹たちに向かって自分をさらけ出すことが出来なかったから。 家族の中で一番百合を理解していたのは母親だろう。 異常に高いプライド。相対する繊細で脆い精神。コミュニケーション力がまったくない不器用さ。 要領のよさで幼い頃からピンチを脱してきた柚香には、どんなときでも動じない百合の姿は姉としては理想的に見えただろう。 その裏で百合がどんな思いを抱えていたのか、想像することもしない。 柚香の自分中心な身勝手さが際立つ序盤。 徐々に真実に近づきながらも目を背けようとする中盤。 そして、百合の本当の姿にたどり着く終盤。 柚香の心理的な変化は、そのままどこか怖ろしいものを垣間見ているような居心地の悪さを突きつけてくる。 どんなに身近にいる人でも、本当にその人を理解することは難しい。 これほどの犠牲を払う前にどうにかならなかったのか…とも思う。 でも、梨花の犠牲があったからこそ見えてきたものがあるとも思う。 人というものの恐ろしさと不気味さと、哀れさと悲しさがドッと襲ってくるような物語だった。 人に脅え卑屈になりながらも、高いプライドゆえに日記の中でしか自分と向き合えなかった百合。 彼女の残した日記には血を吐くような叫びが押し込められている。 それはそのまま、誰にでもある意味通じるものがあるのかもしれない。
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