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機械との競争 の商品レビュー

3.6

125件のお客様レビュー

  1. 5つ

    14

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2024/01/23

2013年の出版なので少し古く、かつそこからの未来想定を含む内容なので、「答え合わせ」ができるのだが、何よりAIに関する考察がやや物足りない。面白かったのは、下記のような発想。 ー 産業革命の初期までは、立派に雇用されていた職が、20世紀の初めにほぼ消滅すると言う事態が起きた。...

2013年の出版なので少し古く、かつそこからの未来想定を含む内容なので、「答え合わせ」ができるのだが、何よりAIに関する考察がやや物足りない。面白かったのは、下記のような発想。 ー 産業革命の初期までは、立派に雇用されていた職が、20世紀の初めにほぼ消滅すると言う事態が起きた。役馬だ。325万頭が労役に使われていたが、鉄道に変わられたり、蒸気機関にとって変わられた。馬に賃金が支払われていた。 馬が大量鶴首された。馬は、労働者ではなく、よりアナログな機械として考えるべきでは無いのか。失業者の損失は、生活保護コストや消費の減少にあるが、馬にはそれらが無い。冷酷な言い方をするなら、過剰な馬は美味しい馬肉として、飼育コストを換金する事さえできる。 CEOの報酬と平均的社員の報酬を比べると、1990年には70倍だったが、2005年には300倍だという。このデータはやはり古いが、しかし、ここで考えるべきは、将来、CEOだけが人間でロボットやAIがワーカーになる場合、この差は極限まで広がり、CEOは残りの失業者への生活保護を支払いながら、しかし、他のCEOが提供する商品を、失業者以上に獲得するモチベーションを制度設計として保たねばならない事だ。 ー 今まで誰も思いつかないことを想像することはコンピューターにはできない。創造的なビジネスのアイディアを出す経営者や、感動的な歌を作る作曲家は、コンピューターには置き換えることができない。肉体労働も置き変わらない。 今や、居酒屋でロボットが客の注文に答えて料理を運んでいる。歌やイラストもAIが作る。本著の見立ては既に古い。本源的な人間の価値について、問い直すべきだが、答えが出ない。人間が作ったという「情報」があれば、錯視だとしても成立してしまう気がするからだ。

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2022/07/23

約10年前に書かれた本ということを前提に。 発展による未来予想系の本だが、予想と現実が違うことがよくわかる。 正確な未来は予想できないが、近い形では実現していく。 その中で自分はどうするか。 そんなことを考えた。

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2021/02/25

機械との競争によって失業者が世に溢れるディストピアを描く…訳ではなく、意外にも筆者はデジタル社会の将来に楽観的。ただし、的確な政策が講じられれば…と説く。 トランプ政権の4年間でこの理想とは反対に進んでしまったように思える。

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2019/03/26

装丁が面白い。色あせたように見える黄色い紙を使用。紙が厚くページ数が少ない。内容は見た目ほどのインパクトはなかった。

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2018/12/30

「イノベーションのジレンマ」の言葉を借りると、 人間自体が「持続的技術」で、機械が「破壊的技術」と言えるかもしれません。 テクノロジーの急速な進歩によって、雇用が減り、クリエーターと肉体労働者に二極化するという話です。 1.この本をひと言でまとめると  「機械との競争」...

「イノベーションのジレンマ」の言葉を借りると、 人間自体が「持続的技術」で、機械が「破壊的技術」と言えるかもしれません。 テクノロジーの急速な進歩によって、雇用が減り、クリエーターと肉体労働者に二極化するという話です。 1.この本をひと言でまとめると  「機械との競争」に人は負けている。機械を味方につけよ。 2.お気に入りコンテンツとその理由を3から5個程度 ・eディスカバリーが弁護士の仕事を肩代わりしたように、高度なスキルもコンピュータに浸食される恐れなしとしない。(p101) →ちょうど昨日、「弁護士収入:2割が年収100万円以下」というニュースを見た。ネットで調べれは大抵のことはわかるからかも。 ・ソフトなスキルの中でも、リーダーシップ、チーム作り、創造性などの重要性は高まる一方である。これらは機械による自動化が最もむずかしく、しかも起業家精神にあふれたダイナミックな経済では最も需要が高いスキルだ。大学を出たら毎日上司にやることを指示されるような従来型の仕事に就こうなどと考えていると、いつの間にか機械との競争に巻き込まれていることに気付くだろう。(p.127) →働き方について従来の考え方を見直さないといけない。 ・著者からの提言(p131) →基本的には「小さな政府」のような考え方で、納得できる。 3.突っ込みどころ ・「解説」で指摘していたが、著者が具体的な対応策として述べていることが「アメリカでは十分やっているではないか」という指摘はその通りだと思う。 ・5章の「人類も世界もデジタルフロンティアでゆたかになると私たちは確信している」はあまりにも楽観すぎないか。楽観の根拠も抽象的。 ・看護師を肉体労働者と分類するのはちょっとちがうのでは? ・技術の進化が指数関数的としているが、そこまで急激といえる根拠がわからなかった。 4.自分語り ・本が硬くて読みにくかった。 ・極論を言えば、人間にしか出来ない仕事(肉体労働)をするか、新しい仕事を創出するしかない

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2018/10/12

景気が良くなっても雇用環境が良くならないのは、テクノロジーの進歩による「雇用の喪失」だと。 産業革命を牽引したのは「蒸気機関」、次が「電気」、そして現在進行中のコンピュータとネットワーク。 「文明がこれまで成し遂げた最も偉大な功績は、機械を人間の主人ではなく奴隷にしたことである」...

景気が良くなっても雇用環境が良くならないのは、テクノロジーの進歩による「雇用の喪失」だと。 産業革命を牽引したのは「蒸気機関」、次が「電気」、そして現在進行中のコンピュータとネットワーク。 「文明がこれまで成し遂げた最も偉大な功績は、機械を人間の主人ではなく奴隷にしたことである」 しかし、人間側のスキルや組織制度が技術の早い変化に追いついていない。 それには「組織改新の強化」と「人的資本への投資」だと。 教育には改善の余地が極めて大きいと。 「教育のデジタル化」 アメリカの状況がこうである。 日本は?

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2018/07/08

たとえばチェスは人間と機械の連合軍が最も強いなんてのは今となっては古い情報だし、だから彼らの予測もどこまで信じられるのかなあとちょっと疑問を持ちながら読み進める。 まあ、うまく機械と人間が融合できる世の中であってほしいなあと今の僕は祈るのみである。

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2017/12/18

テクノロジーの進歩は人から雇用を奪っているだろうかという問いに、YESと答えた上で、この後の展望や提案などがなされている。面白い記述は、この書の段階ではチェス最強が、コンピューターでもなく、人間でもなく、コンピューターを効率良く使う人間であるというくだり。はやすぎる技術革新に社会...

テクノロジーの進歩は人から雇用を奪っているだろうかという問いに、YESと答えた上で、この後の展望や提案などがなされている。面白い記述は、この書の段階ではチェス最強が、コンピューターでもなく、人間でもなく、コンピューターを効率良く使う人間であるというくだり。はやすぎる技術革新に社会の体制がついていってないという指摘。イヤな展望を払拭するほどではないが、明るい展望も書かれている。

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2017/05/25

テクノロジーは雇用を破壊する。 コンピューターは雇用に影響を与えず、近年低迷しているのではないか、と言われていたが、むしろ逆だ。発展が早すぎて人類が進化に追いつけていない。 コンピューターの発展は雇用体系を大きく変え、失業を起こしている。 労働力を節約する手段が、その労働力の新...

テクノロジーは雇用を破壊する。 コンピューターは雇用に影響を与えず、近年低迷しているのではないか、と言われていたが、むしろ逆だ。発展が早すぎて人類が進化に追いつけていない。 コンピューターの発展は雇用体系を大きく変え、失業を起こしている。 労働力を節約する手段が、その労働力の新たな活用先を見つけるペースを上回ることで、失業率が高くなっている。 技術の発展の恩恵は存在がするが、誰もが技術の恩恵にあずかれるという保証はどこにもない。むしろ大半の人が恩恵を得られるかどうかという法則すら存在しない。 現にアメリカの平均賃金に変化はなくとも、中央値は下がっている。テクノロジーの発展により格差が広がり、富めるものは富み、貧しきものはより貧しくなる。 富めるものと貧しきものの差は何かが言及されている。 ・スキルの高い労働者 ↔︎ スキルの低い労働者 これからの時代を生きぬくにはSTEAM ( Science , Technology , Engineering, Art , Mathematics )らしい。 仕事を奪われると嘆く人は、コンピューターにもできる仕事しかしていない。 ・スーパースター ↔︎ 一般人 コンピューターの発展により誰でも世界に発信できることや、様々なもののコピー可能なことが大きな影響を与えている。 現在 ( 2007) の アメリカの0.01%の人間が、アメリカの6%の資産を持っている。 ・投資家 ↔︎ 労働者 労働者は機械に変わるが、投資家は変わらない。投資家は労働者の賃金ではなく機械に投資するようになる。 これから我々はどうするべきか、筆者は提案している ・教育 1.とりあえず先生の報酬を増やし、よりよい人材にとって訴求力の高いものとす2.る。 2.教師の終身在職権を剥奪し、裁量制とする。 3.学生の指導と、試験・資格認定を切り離す。学校は学生の募集や評判や社会的地位向上を考えるのでなく、教育を重視するべき。 4.義務教育の時間を増やす。(そして経営学やプログラミングなどを学ぶ) 5.スキルを持つ移民の積極的な受け入れ行う。 ・企業家精神 6.全ての高等機関で企業と経営の基礎を教え、起業家層を育成する 7.起業家ビザを作り、企業家精神の発展に努める 8.起業の手間を簡略化。意見交換の場も揃える。 投資 9.通信、輸送インフラの強化に投資する(アメリカはインフラが弱いらしい) 10.基礎研究や、政府の重要な研究機関への予算を増やし、無形資産や組織改革を新たな研究対象に設置する。 法規制 11.労働市場の流動性を保つ。解雇が処罰されるとなれば、企業にとっては雇うことがリスクになる。 12.技術の導入より人間の雇用の方が相対的な魅力になるような状況を作り出す(これは雇用の観点なので、僕としては懐疑的である) 13.福利厚生と企業を切り離し、市場の流動性を高める。医療保険やその他の福利厚生が雇用に義務付けられていると、転職や起業がしづらくなる。企業を考えていても、医療保険がなくなるかと思うと踏み切れないように。 14.新しいネットワークの規制はゆっくり行う。実験段階の、とりわけ新しいプラットフォーム作りに関しては、最大限試行錯誤や実験ができるようにするべき。 16.金融サービスに対して供給されている補助金を削減する。「金融機関が大きすぎて潰せない」と政府に存続を保障されることで、金融サービスに多くの優秀な人材とテクノロジーが吸われてしまう。 17.特許制度を改革し、審査官を増やす。 18.著作権の保護期間は伸ばすべきではない。新しいアイディアは既存のアイディアの掛け合わせで生まれるから。 日本はアメリカを目指してすらいないが 日本より教育が進んでるとされているアメリカでも、教育に関して問われているのだ。今こそ改革の時、ということなのだろう。

Posted byブクログ

2016/02/11

機械が人間の労働に置き換わるかという議論は産業革命の頃から尽きない議論である。 機械、コンピュータの普及により人間がやるべき仕事の領域が大きく狭まり、人間が本来すべき仕事にリソースが集中することになるだろう。

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