ハピネス の商品レビュー
現実に、いたる所で繰り広げられていそうな世界。 女性の後ろ暗い部分、ダークな部分、大方の人が持っているだろう。 だからこそ、自分と重なりハッとさせられる。 時間を持て余していると人ってロクなことを考えない生き物なのかもしれない。暇なことは悪かもしれない。 そして、そんな主人公の心...
現実に、いたる所で繰り広げられていそうな世界。 女性の後ろ暗い部分、ダークな部分、大方の人が持っているだろう。 だからこそ、自分と重なりハッとさせられる。 時間を持て余していると人ってロクなことを考えない生き物なのかもしれない。暇なことは悪かもしれない。 そして、そんな主人公の心の動きをとてもサラッと書ける著者はやはり凄いと思った。 「OUT」の鬼気迫る迫力満点の文章もさることながら、本書のような日常的なテンポでもページをめくる手は止まらなかった。 会話中心に成り立っているのも読みやすさの一因だと思う。
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暇とお金を持て余している、幼い子供を持つママ友たちのくだらない日常のお話。 彼女達は服装・出身校・住んでいる場所等々、あらゆる事で格付けをし、 マウンティングをして喜んでいる。 裕福かもしれないが、下品な事極まりない。 主人公・有紗は消極的で他人を羨んでばかり。 夫に捨てられかかっているのに、タワマンの暮らしにしがみつき、 夫や夫の実家の仕送りに頼って生活する、プライドなき人間。 作者は、そんな有紗が自分の力で生きて行く決意をするまでの成長を 描きたかったんだと思うんだけど....うーん....。 突然アメリカでの浮気を告白された後、 やっぱり元のサヤに戻りたいから、アメリカに来てほしいという夫に、 「今ここであなたについて行くと、何だかこれまでのあたしが可哀想過ぎて やりきれない気がする」 と言って断るのだが、この理由が今ひとつ腑に落ちない。 「もうしばらく離れて暮らし、頭を冷やして本当にあなたが必要なのかよく考えたい」 なら解るんだけどな。 最後に美雨ママがいぶパパと続いていた事を、嘘をついていた理由もよく解らないし、 お金と地位のあるいぶパパが家庭や子供を捨て、美雨ママに走るのはちょっと不自然。 全体的に「うーん」な作品だった。 登場人物の中に本当に「ハピネス」な人いるんですかね?
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桐野さんの作品としては物足りなさを感じるほどにマイルド。登場人物がフツーの人達だからなのかな。面倒なのに離れられないというのは厄介な関係だ。 今流行りのマウンティングですね。
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あ〜、しんどい。でも程度の差こそあれ、これがママ社会の現実かも。見栄を張ること、つまらないと思うこと、でもママ社会ではそれが1番大事なことだったりする。 いぶママ、有紗、美雨ママたちの気持ちが中途半端に分かるだけに読んでて本当しんどかった。幸せの形なんて人の数だけあって当然。な...
あ〜、しんどい。でも程度の差こそあれ、これがママ社会の現実かも。見栄を張ること、つまらないと思うこと、でもママ社会ではそれが1番大事なことだったりする。 いぶママ、有紗、美雨ママたちの気持ちが中途半端に分かるだけに読んでて本当しんどかった。幸せの形なんて人の数だけあって当然。なのに、雑誌の影響か、○○でないとダメっみたいになってみんなママたちは焦らされ…。 最後に有紗が女性として強く自立してくれて安心した。
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ドラマの原作となった本。主人公有紗には明るい光を残している終わり方でホッとする。現実は修復不可能な家族がいっぱいな訳で。色んな立場で読み、自分にはこんな対応が可能だろうかと問いながら読み進んだ。場所にもよるでしょうが、ママ同士の関係は難しい。
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最後に、やっと、なんとか落ち着いたところで、またまたママ友に嘘をついてしまう主人公。 それがあなたの問題点だと、なぜきづかないのかと熱くなってしまう私。 みごとに作者の手のひらで泳がされていますね… さすが、桐野さんです。
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女の本音が露わにされてて 感情移入していまい始めのほうは沈んだ気分になってしまった しかし最後はほっこり あったか家族がみえて良かった
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ショッピングセンターに集まる家族連れ。 みんな幸せそうに見えるけど、蓋を開けてみれば夫婦の不仲、子供のお受験、ママ友とのお付き合い、嫁姑問題…悩みは尽きない。 幸せって何だろう。 タイトルのハピネスが皮肉に見えてしまう。
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眺望が売りで立地と高さが住む者のステイタスを満足させるツインタワーマンション。そして当然、その住人達にも子供がいて生活がある。必然のように生みだされるママ友たちのカースト制度がこれでもかと抉られている。 同じマンションでも イーストサイドかウエストサイド、低層階と高層階では暗黙の...
眺望が売りで立地と高さが住む者のステイタスを満足させるツインタワーマンション。そして当然、その住人達にも子供がいて生活がある。必然のように生みだされるママ友たちのカースト制度がこれでもかと抉られている。 同じマンションでも イーストサイドかウエストサイド、低層階と高層階では暗黙の了解の図式が出来上がっているのだ。そこへ外からは見えない家庭内の問題や子供たちの教育方針がからみ 複雑さを増す。 行きつ戻りつの心理状態も丁寧。 桐野夏生にしてはカラッとした温か味に救われる。
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身分不相応の背伸びなんてするもんじゃないなと改めて思った。 憧れのタワーマンションに住んだからって、そこからママ友たちとの見栄の張り合いが続くなんて想像しただけでげんなりしてしまう。 お茶会やランチのたびに探りあいや、ちょっとした発言でのイライラ。 精神的に良いはずがない。 でも...
身分不相応の背伸びなんてするもんじゃないなと改めて思った。 憧れのタワーマンションに住んだからって、そこからママ友たちとの見栄の張り合いが続くなんて想像しただけでげんなりしてしまう。 お茶会やランチのたびに探りあいや、ちょっとした発言でのイライラ。 精神的に良いはずがない。 でも、子育て中って子ども同士の繋がりがあれば親同士の付き合いも必須なのだ。 そこで頑張れない人は、学校行事や役員などで孤立し、非常に居心地が悪くなる。 ママ友って言葉、なんか好きになれない。
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