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ペットのアンソロジー の商品レビュー

3.6

54件のお客様レビュー

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2013/03/14

大崎梢さんリクエストによる『本屋さんのアンソロジー』が 10人の作家さんそれぞれに、本屋さんへの愛情に満ちていて素晴らしかったので 「この本もきっと、ペットへの愛が行間から溢れ出ているにちがいないわ♪」 と、 勝手に期待値を上げ過ぎたのかもしれません。 あれ?粒ぞろいの作品が並...

大崎梢さんリクエストによる『本屋さんのアンソロジー』が 10人の作家さんそれぞれに、本屋さんへの愛情に満ちていて素晴らしかったので 「この本もきっと、ペットへの愛が行間から溢れ出ているにちがいないわ♪」 と、 勝手に期待値を上げ過ぎたのかもしれません。 あれ?粒ぞろいの作品が並んでいるんだけど 思ったより冷静なものが多いというか、体温低めな感じ?という印象が。。。 でも、そうですよね。 作家さんなのだから、本屋さんには並々ならぬ思い入れがあって当然だけれど このアンソロジーへの参加を依頼した近藤史恵さんも書かれている通り ペットを飼った経験のない作家さんも執筆してくださっていたりして ペットへの思いは、かなり温度差があるはずなのだもの。 というわけで、初出が『小説宝石』だということも踏まえて ペットとの触れ合いを描いた作品としてではなく、 ペットに纏わる謎や事件を綴ったアンソロジーとして読まれることをおすすめします。 あ、でもでも、愛猫家の読者さんは、柄刀一さんの『ネコの時間』を読まれるときは 花粉症じゃなくても、ティッシュとかハンカチとか、 準備万端で臨まれたほうがいいかもしれません。 読み終えたあと、猫が「みゃー」と鳴くたびに 思わずぎゅうっと抱きしめたくなってしまうおはなしです。

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2013/03/12

【収録作品】「ババアと駄犬と私」(犬) 森奈津子/「最も賢い鳥」(ヨウム) 大倉崇裕/「灰色のエルミー」(ロシアンブルーの雑種) 大崎梢/「里親面接」(犬) 我孫子武丸/「猫の時間」(茶トラネコ) 柄刀一/「パッチワーク・ジャングル」(爬虫類) 汀こるもの/「バステト」(黒猫) ...

【収録作品】「ババアと駄犬と私」(犬) 森奈津子/「最も賢い鳥」(ヨウム) 大倉崇裕/「灰色のエルミー」(ロシアンブルーの雑種) 大崎梢/「里親面接」(犬) 我孫子武丸/「猫の時間」(茶トラネコ) 柄刀一/「パッチワーク・ジャングル」(爬虫類) 汀こるもの/「バステト」(黒猫) 井上夢人/「小犬のワルツ」(犬) 太田忠司/「希望」(守宮) 皆川博子/「シャルロットの憂鬱」(ジャーマンシェパード) 近藤史恵

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2013/02/26

“「最近はひどい事件も時々あるものですから、色々とこちらも確認しないといけないんですよ。分かりますでしょう?」 あたしはどきっとしながら聞き返した。気づかれてる……? 「ひどい……事件、ですか?」 あたしは見まいとしてもつい宮下の表情を窺ってしまったが、彼は驚くほど平然としている...

“「最近はひどい事件も時々あるものですから、色々とこちらも確認しないといけないんですよ。分かりますでしょう?」 あたしはどきっとしながら聞き返した。気づかれてる……? 「ひどい……事件、ですか?」 あたしは見まいとしてもつい宮下の表情を窺ってしまったが、彼は驚くほど平然としている。 奥さんは、知らないの、と言わんばかりに目を丸くして答える。 「ええ。犬や猫を飼うふりをして引き取っては、どこかへ売り飛ばす人もいるし、虐待して殺しちゃう人もいるんです」 「ああ……」 確かに、そういう事件があると聞いたことがある。こんなふうに完全ボランティアで動物を保護して里親を捜しているというのに、そんな目に遭ったらやりきれないことだろう。 いずれにしても関係ない事件だったので、少しほっとする。”[P.119_里親面接] 「ババアと駄犬と私」     森奈津子 「最も賢い鳥」        大倉崇裕 「灰色のエルミー」      大崎梢 「里親面接」         我孫子武丸 「ネコの時間」        柄刀一 「パッチワーク・ジャングル」 汀こるもの 「バステト」         井上夢人 「子犬のワルツ」       太田忠司 「『希望』」         皆川博子 「シャルロットの憂鬱」    近藤史恵 「最も賢い鳥」はこの人達でもっと話を読みたいって思う。 「里親面接」には見事に騙された面白かった。 “これはいよいよ捜索願とか出した方がいいのだろうか。何せ彼が私を見捨てて逃げることはあっても、爬虫類ジャングルを捨てることはない! ……何という情けない結論だ。どうして私を捨てるはずがないと断言できない。あるいは私に嫌気が差すよりも、自分で作り出したジャングルに耐えきれなくなったという可能性もなくはない。彼が嫌になるとしたら私よりも自分自身の方だろう。 いやそれよりも何よりも。やはりどこかで事故や犯罪に巻き込まれたりしているのでは……想像して背中が寒くなる。 ひとりぼっちで心細いこんなときに。犬や猫なら心配してすり寄ってきてくれたりするのかもしれないが、爬虫類たちはこっちから部屋に行かなければ何もしてくれない。”[P.184_パッチワーク・ジャングル]

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2013/02/14

+++ 読書家としても知られる近藤史恵が、今いちばん読みたいテーマを、いちばん読みたい作家たちに「お願い」して作った、夢のようなアンソロジー。十人の人気作家によるペットモチーフの新作短編集。 +++ 「ババアと駄犬と私」森奈津子 「最も賢い鳥」大倉崇裕 「灰色のエルミー」大崎梢 ...

+++ 読書家としても知られる近藤史恵が、今いちばん読みたいテーマを、いちばん読みたい作家たちに「お願い」して作った、夢のようなアンソロジー。十人の人気作家によるペットモチーフの新作短編集。 +++ 「ババアと駄犬と私」森奈津子 「最も賢い鳥」大倉崇裕 「灰色のエルミー」大崎梢 「里親面接」安孫子武丸 「ネコの時間」柄刀一 「パッチワーク・ジャングル」汀こるもの 「パステト」井上夢人 「子犬のワルツ」太田忠明 「『希望』」皆川博子 「シャルロットの憂鬱」近藤史恵 +++ 実はペットにはあまり興味がない。なので、愉しめるかどうか自信のないまま読み始めたのだが、まったくの杞憂だった。ひと口にペットと言っても実にさまざまで、犬や猫はもちろん、鳥から爬虫類まで多岐にわたる。そしてペットとして一番一般的であろう犬や猫も、一筋縄ではいかない描かれ方をしているのである。そしてやはり説かれるべき謎も満載。ペットにメロメロの人もそうでない人も愉しめる一冊である。

Posted byブクログ