夜行観覧車 の商品レビュー
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綾花が言っていた「坂道病」。足元が傾いていているのに、踏ん張り続けているうちに、自分が傾いていることにもきづかなくなり、ふとしたことで転がり落ちてしまう病気。 「夜行観覧車」に登場する人物は皆、坂道病にかかっていたのではないだろうかと思いました。 独りよがりに事を進めてしまう母親。 合わない環境で身勝手に暴れる娘。 家庭を顧みない夫…などなど 知らず知らずに、緩やかな坂を登り始め、気づいた頃にはもう引き返すことも踏ん張り続けるもできなくなってしまう恐ろしい病にむしばまれていく人々のお話です。
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帯の通り、突然身内から殺人者が出た高級住宅街の家族の話 事件の真相を追うというよりも。向かいに住む中流家庭と事件の起きた上流家庭の人々一人一人の心理描写や行動を入念に描き、事件をトリガーに動かしたといった話。一般的な事件もののミステリーと異なり展開として特に大きな動きはないのだ...
帯の通り、突然身内から殺人者が出た高級住宅街の家族の話 事件の真相を追うというよりも。向かいに住む中流家庭と事件の起きた上流家庭の人々一人一人の心理描写や行動を入念に描き、事件をトリガーに動かしたといった話。一般的な事件もののミステリーと異なり展開として特に大きな動きはないのだが人物の心情や背景を丁寧に描いているのでエピソードとしてはリアルで面白い。まるで本当にあった出来事かのように思えるほどリアルに描ける点が作者の実力だと思いました。
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再読だけど、結末を忘れていたのでとても楽しめた。 ひとつの出来事で生まれた感情がそれぞれ違えば記憶の仕方が全く違っていて、事実なんて人の数だけあるのだと改めて感じた。 私は親に対して、「親なら風邪なんて引かずに元気でいてよ」思ったことがある。 中学生の頃だから、丁度彩花と同じ...
再読だけど、結末を忘れていたのでとても楽しめた。 ひとつの出来事で生まれた感情がそれぞれ違えば記憶の仕方が全く違っていて、事実なんて人の数だけあるのだと改めて感じた。 私は親に対して、「親なら風邪なんて引かずに元気でいてよ」思ったことがある。 中学生の頃だから、丁度彩花と同じくらい。 親も人間であることを忘れて、「親」という万能な存在だと勘違いしていた。 私の場合は両親に直接伝えてはいないものの、自分の未熟さを反省した。 友だち、家族、地域の絆が強まったという点で、ハッピーエンド。 彩花に、高倉健さんの名言を伝えたいと、何度も思った。 「人に裏切られたことなどない。自分が誤解していただけだ。」
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2回目読了! 1回目は本を買った頃、そして今とは違い、読むスピードも読む意欲も薄かったころだから、買ってから何日?何年?もかけて読んだ記憶が… 今から10年前くらいになるんかな。 あの頃は本を読める人になりたかったんだよなぁ。 今は無事本を読める人になりました! 本の感想は、サ...
2回目読了! 1回目は本を買った頃、そして今とは違い、読むスピードも読む意欲も薄かったころだから、買ってから何日?何年?もかけて読んだ記憶が… 今から10年前くらいになるんかな。 あの頃は本を読める人になりたかったんだよなぁ。 今は無事本を読める人になりました! 本の感想は、サスペンスものは気になって、気になって、サクサク読めますね。 登場人物をつかんでしまえば、色んな人の気持ちや立場を推し量っていくのが楽しい。 読みが当たれば気持ちいい。 久しぶりに読んだ小説。 移動図書館の合間に、昔買った文庫本を読み返そう、夏。
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エリート家族と高級住宅地に憧れた家族の話。それぞれいろんな想いを抱えていくことが徐々に明らかになっていく、トリックがあるかと思っていたが特になかった。
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何この地獄みたいな話。と読みながら何度思ったことか。それは殺人事件が、というよりももっと別の部分の話。人間のどうしようもなさ。さすが湊かなえと思わずにいられなかった。 ただラストだけは…。ここまでこじれた親子関係は、なかなか修復は出来ないのではないだろうか。ただの反抗期ならともかく、殺人未遂にまで発展してるのに…。若干の尻切れトンボ感は否めない。 とはいえさすがの読み応えだ。
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「どんな感情を持っていても、家族であり続けなきゃいけない」 作中の文章。考えさせられる。 1つの出来事でも一人一人違う捉え方をする。家族であってもそれぞれ違う人間だから違う考えに至る。その微妙なズレを見事に表していると思う。 同作ドラマを観て当本も読んだけれど、もう一度読み...
「どんな感情を持っていても、家族であり続けなきゃいけない」 作中の文章。考えさせられる。 1つの出来事でも一人一人違う捉え方をする。家族であってもそれぞれ違う人間だから違う考えに至る。その微妙なズレを見事に表していると思う。 同作ドラマを観て当本も読んだけれど、もう一度読みたくなって読みました! とても読みやすい作品だと思います。
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湊かなえさんの作品って感じ 視点によって見る世界が違う 加害者であり被害者である家族の周りを囲む環境をテーマに高級住宅地で起こった殺人事件を描いている。 実は真犯人はいた…!とかそういうの期待したけどそれはなかった 隣に住むおばさんの性格の悪いっぷりがもはや清々しく面白かった
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それぞれの家庭の人間模様 愛情の表現がすれ違い家庭暴力と言う形で爆発 高級住宅地を守りたいおばさん エリートな一家 ものすごい勢いのえーはないけど 少しドキドキしながら読んだ 読み進めながらそうだったのか‥と思った。
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