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夜行観覧車 の商品レビュー

3.5

858件のお客様レビュー

  1. 5つ

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  2. 4つ

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  3. 3つ

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  4. 2つ

    73

  5. 1つ

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2025/10/12

『人の良い部分と汚い部分を見事に書き分けられた作品』 最後まで読見終わるまで、何度“モヤモヤ”とした気持ちを感じただろう? 「表面上では『周囲から評判が良く、羨望の目を向けられる』ような家族でも必ず裏に隠されたものがある」、そんなことを言わさせてしまう作品だ。 そして、最後の最...

『人の良い部分と汚い部分を見事に書き分けられた作品』 最後まで読見終わるまで、何度“モヤモヤ”とした気持ちを感じただろう? 「表面上では『周囲から評判が良く、羨望の目を向けられる』ような家族でも必ず裏に隠されたものがある」、そんなことを言わさせてしまう作品だ。 そして、最後の最後には「これで本当によかったのか・・?」と感じてしまうのも本作の魅力なのではなんて感じている。 本作は、高級住宅街であるひばりヶ丘に立つ一家・高橋家で起こった殺人事件をきっかけに物語が始まる。 医学部や有名私立へ通う子供をもつ高橋家と、その向かいに住む癇癪持ちの娘・彩花をもつ遠藤家の変化が400ページ近くにわたって描かれている。 まず、読み始めた時に感じる高橋家の表面上の第一印象は、『非常に優秀な子供をもつ家庭で、完璧で理想的な家族像』であった。 そんな家族に本当に殺人事件なんて起きるのか?なんて感じてしまった程である。 そして、その高橋家を比較するような立場に置かれている遠藤家。名門中学の受験に失敗し、大声で暴れる彩花の癇癪により近隣住民から噂を立てられている。 高級住宅街という場所であることも相まり、理想的な家族である高橋家の崩壊は非常に残酷なものである。 また、その崩壊を見届けるかのように描かれる遠藤家を含めた『自分の身のみを案じる姿勢』には呆れてしまう一方で、自身が同じ状況になったとき、果たしてその人達と違う行動ができるか?と筆者に問われている気がしている。 本作は先にも書いたように、理想的な家族の表面と裏を垣間見ることができる。 そんな家族の崩壊から再開の一歩までを見届けたいという人には手に取って欲しい一作である。 また、本作はドラマ化をされており、そちらは異なる高橋家と遠藤家の姿を見ることができる。 原作、ドラマの2つもあわせて楽しんでみて欲しい

Posted byブクログ

2025/10/09

父親が買ったものが家にあったので読んだ。 結末は思ったよりも薄く、若干消化不良だが、登場人物全員が「自分の正しさ」を信じて疑わず、全て他責にしているところから、自分を俯瞰で見ることの大切さを痛感させられた。しかし、この小説を読んでなぜ父親はあんなに「自分の正しさ」を押し付けてくる...

父親が買ったものが家にあったので読んだ。 結末は思ったよりも薄く、若干消化不良だが、登場人物全員が「自分の正しさ」を信じて疑わず、全て他責にしているところから、自分を俯瞰で見ることの大切さを痛感させられた。しかし、この小説を読んでなぜ父親はあんなに「自分の正しさ」を押し付けてくるのだろうか、と疑問が残った。

Posted byブクログ

2025/10/07

最初は遠藤家の娘の癇癪がひどすぎて読んでてイライラしてた。読み進めていくうちに彼女の視点になり,何故この癇癪が始まったのかわかる。この物語を通してひばりヶ丘の住人達が自分優先というか自己中で、気に入らないことがあったら他人にぶつかったり,逃げたりして誰も向き合おうとしていなかった...

最初は遠藤家の娘の癇癪がひどすぎて読んでてイライラしてた。読み進めていくうちに彼女の視点になり,何故この癇癪が始まったのかわかる。この物語を通してひばりヶ丘の住人達が自分優先というか自己中で、気に入らないことがあったら他人にぶつかったり,逃げたりして誰も向き合おうとしていなかった。最初は遠藤家の娘だけそのように書かれているが,視点が変わっていくごとに全員が自己中であるとわかる。鈴木家はまともだったことから,ひばりヶ丘に住んでる人だけがこの自己中になっていってるのだと思う。最後の週刊誌に掲載された文も加害者遺族としての3人より,被害者遺族の3人であるように世間で見られるがための立ち回りで結局は自分たちのことしか考えてないんだろう。湊かなえの作品で最後に驚くような展開があるかと思ったが、案外すっきり終わってしまって逆にモヤモヤする。

Posted byブクログ

2025/10/04

ちょっと重かったけど、面白かった。どこかに小さな違和感、亀裂をもち理想と現実が分からなくなって引き下がれなくなってしまった家族の崩壊と再生のお話。高級住宅街の中の話だからこそ、カップラーメンやポテチ、ファミレスが相対的に安心を象徴していたような気がした。高級住宅地に家を買うこと、...

ちょっと重かったけど、面白かった。どこかに小さな違和感、亀裂をもち理想と現実が分からなくなって引き下がれなくなってしまった家族の崩壊と再生のお話。高級住宅街の中の話だからこそ、カップラーメンやポテチ、ファミレスが相対的に安心を象徴していたような気がした。高級住宅地に家を買うこと、息子を医者にすること、高級住宅街の地位を守ること。「傲慢」という言葉で片付けて仕舞えばそれまでだが、それは彼女らにとっては理想であり、人生をかけて手に入れたいもの。 タイトルが「夜行観覧車」なのはなぜだろうか。夜に進む崩壊と再生の輪廻を表しているのかなと思った。

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2025/09/30

どんな作品を読んでも、絶対に退屈させてくれない湊かなえさん(笑)大人たるもの時間を忘れることなど滅多に起こり得ないけれども、気づけば日を跨いで読了していた。 兎に角、人物が強烈過ぎる。これまで読んだ湊作品中でも、彩花には群を抜いて同情できないが、なぜここまで神経を逆撫でられるの...

どんな作品を読んでも、絶対に退屈させてくれない湊かなえさん(笑)大人たるもの時間を忘れることなど滅多に起こり得ないけれども、気づけば日を跨いで読了していた。 兎に角、人物が強烈過ぎる。これまで読んだ湊作品中でも、彩花には群を抜いて同情できないが、なぜここまで神経を逆撫でられるのか?という自己内省にも繋がり、これはこれで貴重な思考体験をもたらしてくれる。 また、それぞれの視点が切り替わりながら、同じ場面が書かれることによって、主観というものが如何に個人のフィルターを通されて歪んでいるか(他者と自己とのある物事の印象の強弱があまりにもかけ離れたものか)に思い至ることができる。ここに書かれている人物たちと自分とは大差ないのだろうと思っては、ゾワゾワ、キリキリとさせられる。それにもかかわらず、一度湊かなえさんの文章を知ってしまったら、新しい作品を読むことをやめられない。

Posted byブクログ

2025/09/25

家族のあり方 他人事ではない温度感で、ゆっくり締め上げられるのを感じながら読んだ。 良い作品だと思うが、想像できるリアルさでエンタメ要素は無いのでちょっと疲れた。でも良い作品。

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2025/09/25

娘の反抗期がひどすぎて、ネットで反抗期を検索ばかりしていたころ、この本を載せてる人が多くて よんでみた

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2025/08/20

ミステリー要素は控えめです。 私は湊かなえ作品には余りミステリーを求めないので読みやすく気に入りました。 ちなみに他に気に入っている作品は母性で、ミステリー要素が強い少女や落日などは好みではありません。

Posted byブクログ

2025/08/20

やっぱり湊かなえはの描く毒女は本当に目が離せなくなる。 もちろんそういう人たちの心情を覗きながら読んでいくのも楽しいんだけど、語る側として登場しない高橋家の父や母については想像ばかり掻き立てられて面白い。

Posted byブクログ

2025/08/16

思ったより何も起きなかったという印象 あやかとその家族へのいらいらがでかくて うーん、、、だった!

Posted byブクログ