ホテルローヤル の商品レビュー
一つのラブホテルを舞台にした7つの短編集。 各話で微妙に繋がっていたり、登場人物が重なっていたりする。 男と女って何なんだろう。 この付き合い方が正解っていうのがないから、 難しいし、楽しいんでしょうね。
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読みやすく切なさの残る連作小説。 釧路の湿原を眺められるラブホテルのホテルローヤルに関わる人々の物語。 この小説を知らず、たまたま映画を観ようと思って、好きな女優さんの波瑠さんが主演ということで観た後に、本書を手にした次第。 伊藤沙里さんの演技が印象的で、原作ともとても親和性があ...
読みやすく切なさの残る連作小説。 釧路の湿原を眺められるラブホテルのホテルローヤルに関わる人々の物語。 この小説を知らず、たまたま映画を観ようと思って、好きな女優さんの波瑠さんが主演ということで観た後に、本書を手にした次第。 伊藤沙里さんの演技が印象的で、原作ともとても親和性があり、読みながら、やはり彼女で再生された。余貴美子さんのミコちゃんもぴったり。 波留さん役は、かなり違って、映画化にあたり、美化された部分があったように思う。 出てくる人が、辛くしんどい状況にありつつも、精一杯生きていることに胸を打たれる。読めてよかったし、映画もよかった。 大吉には共感できないけど。
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どの、ストーリーもなかなか救いがなく、独りよがりか無理繰りに自分に納得させる感じがして、読んでいて楽しくなかったのだけど、 エロを織り混ぜた三面記事のようなゴシップに群がる心でよみすすんでしまった。
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我々の世代の、ラブホテルへの暗く、陰湿なイメージが、いろんなストーリーから炙り出されてくる内容。 最初はちょっとしたエロ小説みたいな感じだったが、少しずつ引き込まれていき、たった6室の山の上のラブホテルに絡む人生模様を、早く読みたいなぁと思ってしまった。
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※このレビューにはネタバレを含みます
映画化にあたり作者の桜木紫乃さんがトーク番組にゲスト出演されたのをたまたま見て、読みたくなりました。 釧路湿原のそばにある、今は廃墟となったラブホテル「ホテルローヤル」の宿泊客、従業員、経営者、出入りの業者、廃墟に入り込んだ人…を巡る7つのストーリー。 それぞれのストーリーは「ホテルローヤル」というキーワード以外に繋がりはなく、登場人物も直接の関わりはあまりない。結末は明記されていないけど、他の章の登場人物の何気ない会話の中で「ウワサ」のように語られている。時系列を遡って書かれているので、「この後にあの出来事が…」と思って読んでいると、その手前でストーリーが終わっている。直接描かれていない結末が想像できて、どのストーリーも余韻が良かった。
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21世紀という時代に取り残された北海道のはずれ、感情が麻痺し、身体だけになってしまったような女性たち。舞台になった釧路には何度か行ったことがあるが、そこで感じた冷たくて湿っていて重い空気を思い出した。 おもしろいとは思うけど、あまり好きだとは思えない小説。
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北海道の釧路、二度ばかり行きました。湿原の川をボートで下るツアーにも参加しました。あんな所にラブホあったかな?なんとも言えない寂寥感が全編を被っています。寒いな✨
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第149回直木賞受賞作。この作品の舞台は、廃墟となった「ホテルローヤル」というラブホテル。作者 桜木紫乃さんのご実家が営まれていたラブホテルと同じ名前です。 ブログにて詳しいレビューしています* https://happybooks.fun/entry/2014/09/23/0...
第149回直木賞受賞作。この作品の舞台は、廃墟となった「ホテルローヤル」というラブホテル。作者 桜木紫乃さんのご実家が営まれていたラブホテルと同じ名前です。 ブログにて詳しいレビューしています* https://happybooks.fun/entry/2014/09/23/000000
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
悲しい性のお話7編、サクッと読めます 必ずしも「ローヤル」が舞台ではなく、どこかに出てくる(匂わせる)だけです 描写は巧みだとは思いましたが、面白いかと言われるとどうなのかな? 何度も読み返したくは、なりません 話題性はあるけれど、これが映画化されるとはね
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廃屋のホテルローヤル、そこから物語が過去に遡っていく。徹底的な陰の描写。それを象徴するホテルローヤル。登場する人間も陰。しかしながら、陽の当たる部分も見え隠れする。例えば、夫婦で墓参りに行き、坊さんと会えず支払わずに済んだお布施代の5000円。家族で食事に使わず、ホテルで久しぶり...
廃屋のホテルローヤル、そこから物語が過去に遡っていく。徹底的な陰の描写。それを象徴するホテルローヤル。登場する人間も陰。しかしながら、陽の当たる部分も見え隠れする。例えば、夫婦で墓参りに行き、坊さんと会えず支払わずに済んだお布施代の5000円。家族で食事に使わず、ホテルで久しぶりのバブルバスと性行為。これが人生の若干の幸せと言う妻。性処理場としてのホテルローヤル、そこに訪れる人間の人生処理、さらに最終的なホテルローヤルの退廃。エネルギーを一瞬見せたが、ほとんどが切なさと暗さ、儚さの象徴のようだった。
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