終わりの感覚 の商品レビュー
独りよがりな主人公が平凡な人生や苦い青春を振り返る。 過去は、誰もが年を経ればそうであるように、鮮明に思い返せるものもあれば、曖昧だったり、忘れてしまったり、都合よく塗り替えられたりしていく。 思い込みの強さで行動にも移してしまう様や悔恨の思いが皮肉っぽく書かれているけど、少し退...
独りよがりな主人公が平凡な人生や苦い青春を振り返る。 過去は、誰もが年を経ればそうであるように、鮮明に思い返せるものもあれば、曖昧だったり、忘れてしまったり、都合よく塗り替えられたりしていく。 思い込みの強さで行動にも移してしまう様や悔恨の思いが皮肉っぽく書かれているけど、少し退屈で下品だと思った。
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実を言うと『フロベール鸚鵡』の方が好き。トニーはどこまでエイドリアンの死やベロニカの不幸に責任を感じるべきなんだろうか。トニーの呪いの言霊が二人を襲ったってことなんだろうか。トニーは覚えてさえいなかったのに。エイドリアンもロブソンも自殺の理由に大して差はないのでは。結局逃げたって...
実を言うと『フロベール鸚鵡』の方が好き。トニーはどこまでエイドリアンの死やベロニカの不幸に責任を感じるべきなんだろうか。トニーの呪いの言霊が二人を襲ったってことなんだろうか。トニーは覚えてさえいなかったのに。エイドリアンもロブソンも自殺の理由に大して差はないのでは。結局逃げたってことだ。嫌な女に思えたベロニカの愛する人達の裏切りに耐えて責任を果たしている姿が崇高に見えた。男は逃げ、女は受け止める。トニーも逃げの人生だったように思える。エイドリアンが本当に愛していたのは誰か?
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イギリスらしく、回りくどくて要らない情報/描写が多過ぎる。「日の名残り」を思い出したが、「日の名残り」ほどの美しさやカタルシスは感じず・・・後味の悪い真実が要因かもしれないけど
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若くして自殺した天才肌の親友。その日記の存在を知らされた初老の男。男はかつての記憶の断片を探りつつ、日記を持っているはずの元恋人と40年ぶりの再会を果たす…。微笑ましい青春の日々、かつての恋人の謎と記憶の濁流に翻弄される描写は、秀逸。ただ、この結末には個人的に不愉快さを感じてしま...
若くして自殺した天才肌の親友。その日記の存在を知らされた初老の男。男はかつての記憶の断片を探りつつ、日記を持っているはずの元恋人と40年ぶりの再会を果たす…。微笑ましい青春の日々、かつての恋人の謎と記憶の濁流に翻弄される描写は、秀逸。ただ、この結末には個人的に不愉快さを感じてしまう。さらに追い討ちをかけるようなどんでん返しにも。結局、彼は誰にとっても取るに足らない、矮小な脇役でしかなかった。というように読めてしまう。彼にとって、この記憶の濁流は、セバーン川の潮津波ほどの衝撃をもたらしたのだろうか。
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自分にとってはちょっと難しい作品だった。 あらすじを読むと叙情的な内容かなと思ったが、後半はわりとミステリーみたいなどんでん返しがあって面白かった。
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このミス8位。序盤の展開、過去の日記の謎など重苦しい雰囲気の中、ミステリ要素があるのかと期待したが、最後はちょっと残念だった。
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初めてブッカー賞をとったという作品を読んだ。 案外早く引き込まれて、外国文学にしては読みやすくて面白かった。 長さが短くてちょうど良い。
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2011年ブッカー賞受賞作。 思えばこの40年人との連絡方法やつながり方が随分変化した。 ジュリアンバーンズは、連絡方法の進化が精神に与える影響について 内省的な主人公の思いを通して 見事に描いてみせた。 男はいつの時代も独善的で、またそれ程女性のこころの支えになれない。 なぜあのとき 彼女はという 疑問が 読み進むにつれて 私(主人公)はあのときなぜあんなことを と言う悔恨に変わっていく。 精神小説ですが、なかなか読ませます。
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道徳哲学や欧米文化特有のシニカルな表現が満載のインテリジェンスな文章であるが、なぜか割と読みやすかった。 主人公の性別も年代も違うため、自己投影はしにくかったけど、妄想気味のところが共感しやすかったんだろうかww ところで学校のレベルにもよるだろうが、今の学生はこんな会話をする...
道徳哲学や欧米文化特有のシニカルな表現が満載のインテリジェンスな文章であるが、なぜか割と読みやすかった。 主人公の性別も年代も違うため、自己投影はしにくかったけど、妄想気味のところが共感しやすかったんだろうかww ところで学校のレベルにもよるだろうが、今の学生はこんな会話をするんだろうか?
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アマゾンの書評で、本書はあまりにも下品な内容で星1つとしていたものがあった。読んでみてなるほどと思ったが、私は下品という感覚とは違い、人間の愚かな行動の連鎖を描いたものではないかと感じた。それは特別なものではなく、誰でもおかすようなものであって、それだけにとても共感でき、またリア...
アマゾンの書評で、本書はあまりにも下品な内容で星1つとしていたものがあった。読んでみてなるほどと思ったが、私は下品という感覚とは違い、人間の愚かな行動の連鎖を描いたものではないかと感じた。それは特別なものではなく、誰でもおかすようなものであって、それだけにとても共感でき、またリアルに感じた。これらを下品と云ってしまっては、世の中の人間の殆ど全てが下品と云わざるを得ないのではないだろうか。 ミステリーに分類されているが、どちらかというと文学に近い感じがした。謎解きの部分はあるけれど、かなり前の段階でオチが判ってしまった。だからと云って価値が下がるというものではないと思う。
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