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文明崩壊(上) の商品レビュー

4.1

64件のお客様レビュー

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2014/08/01

以前、ハードカバーで読んだのだが、今回は単行本にて読了。過去のいくつかの文明が損なわれた原因についていくつかの要素に分析して、いたずらに環境問題のみに決定することなく、当事者たちの選択の重要性を強調している。以前読んだときは地震とそれに伴う原発事故が起こる直前だった。今回読んで踏...

以前、ハードカバーで読んだのだが、今回は単行本にて読了。過去のいくつかの文明が損なわれた原因についていくつかの要素に分析して、いたずらに環境問題のみに決定することなく、当事者たちの選択の重要性を強調している。以前読んだときは地震とそれに伴う原発事故が起こる直前だった。今回読んで踏まえたいのはエネルギー問題である。 今ここで原発の是非(具体的には商業発電目的における軽水炉の利用)については詳細な議論はしない。しかし、本書でも述べられている通りエネルギー問題はかなりシビアな問題であり、しかもそれは環境問題や人口問題など、他の問題と連動している。 この手の問題で企業の出方は重要である。企業はある面では環境保護派の市民とは反目する対象ではあるが、本書にはその企業に対して自ら環境を保護するように促す事例などもある。恐らく企業との共存は出来るのだと思う。 エネルギーの問題を考えるとき、文明論的な視野を持つには好適な本だろう。「慎重な楽観主義」という言葉は重い。 極私的な感想だが、徳川幕府が採った森林政策について仏教的なんとか精神とか日本人的自然なんとか愛みたいな文化論的解釈を早々に退けて、これらの解釈はそもそも江戸時代の初期に森林資源が枯渇したからこその森林政策だったし、今に至っては主要な水産資源の枯渇の日本であるとしているが、この指摘は正しいだろう。この記事を書いている数日前もウナギの収穫についての記事が出たばかりだし、だいたいほかの水産資源については何年も前から言われていることである。 この種の実証を伴わない文化論が大好きだった母校にとっては痛烈だろうが、文化論と称するイデオロギーの開陳に辟易していた私にはカタルシスすら感じる。

Posted byブクログ

2014/07/19

上下巻併せて約1000頁あるので、途中中だるみもしたが、とても楽しめた。 「銃・病原菌・鉄」が文明興隆の条件について述べたものであるのに対して、本作品は反対の文明崩壊の条件を述べたもの。下巻でも作者が述べているが、単純に過去の文明崩壊を現在に当てはめることはできなくても、それから...

上下巻併せて約1000頁あるので、途中中だるみもしたが、とても楽しめた。 「銃・病原菌・鉄」が文明興隆の条件について述べたものであるのに対して、本作品は反対の文明崩壊の条件を述べたもの。下巻でも作者が述べているが、単純に過去の文明崩壊を現在に当てはめることはできなくても、それから学び賢明な対応を考えることは可能なことである。 単純な楽観主義にも悲観主義にも与しない、「慎重な楽観主義」という作者の主張には感銘を受けた。

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2014/05/13

銃・病原菌・鉄と同じように、人種の身体的・知的差異ではなく、幾つかの地域で社会が途絶えてしまった原因を環境要因(5つ)であることを展開。ほぼ科学的検証に基づいた考古学的アプローチで、まるで5つパラメーターを持つ原因の方程式のように感じた。複数の事例を紹介している中で上巻が終わり、...

銃・病原菌・鉄と同じように、人種の身体的・知的差異ではなく、幾つかの地域で社会が途絶えてしまった原因を環境要因(5つ)であることを展開。ほぼ科学的検証に基づいた考古学的アプローチで、まるで5つパラメーターを持つ原因の方程式のように感じた。複数の事例を紹介している中で上巻が終わり、それで何が言いたいんだろう・・・と思いながら下巻へ。

Posted byブクログ

2014/04/10

1章で述べられるモンタナ州の環境問題はアメリカ人読者をこの本に引き込みかつ作者のスタンスを明らかにするためにおかれているのだろうけど、異国人で歴史的な興味のためこの本を手に取った者にとってはかなり退屈。だがそこを乗り越えれば読み進めやすい。

Posted byブクログ

2014/03/14

つかれた。 どこだってカニバリズムやりたくてやってるわけじゃない。 やっと現代になって崩壊する文明の理由が解明できるのは、本当に人類の存続にとって価値のあることなんでしょうね。ジャレドダイアモンドさんは歴史上の偉人の1人になってるだろうと思う。抽象化した崩壊に至る要素は、現代にも...

つかれた。 どこだってカニバリズムやりたくてやってるわけじゃない。 やっと現代になって崩壊する文明の理由が解明できるのは、本当に人類の存続にとって価値のあることなんでしょうね。ジャレドダイアモンドさんは歴史上の偉人の1人になってるだろうと思う。抽象化した崩壊に至る要素は、現代にも普遍性を持つように思える。読んだかぎり。 イースターやマヤの古代文明の痕跡の欠片を集めて、なぜ崩壊したか。それが前編。で、うまく対処した国が後編らしいですよ。あと半分、長いなあ。

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2014/03/01

借りては見たものの、なかなか本筋に到達しない感じだったり、そもそもこのテーマに自分は興味があったのか、というあたりだったりで、結局前半3分の1で挫折。 Amazon等での評価はかなり高いので、興味さえあればかなり良い本なのだとは思うが、、、

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2014/01/13

過去の文明崩壊を現代と絡ませながら語る。読ませる本だった。日本については、江戸時代の林業政策で褒めつつ、現代の途上国での森林開発で叩いてる。土壌流亡や森林伐採が文明崩壊に繋がるのがわかる。 バイキングやアフリカ、マヤについて、ひいては世界史について、もっと知りたくなる。

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2013/11/14

環境問題を中心とする危機により持続性が危ぶまれている現在の地球。かつて世界には自らの手で自らの環境を破壊し、文明を崩壊させてしまった人々がいた。その過程を詳細に研究し、現代社会に警鐘を鳴らす一冊。 上巻ではイースター島の崩壊や、ノルウェー領グリーンランドの崩壊などが詳細に述べ...

環境問題を中心とする危機により持続性が危ぶまれている現在の地球。かつて世界には自らの手で自らの環境を破壊し、文明を崩壊させてしまった人々がいた。その過程を詳細に研究し、現代社会に警鐘を鳴らす一冊。 上巻ではイースター島の崩壊や、ノルウェー領グリーンランドの崩壊などが詳細に述べられている。いずれの崩壊にも共通するのは、森林の伐採により燃料・資材が得られなくなるばかりでなく、土壌の流出や水不足が起きた事だ。 そして、社会内部の混乱、外部社会の敵、過度の相互依存経済。 読み進めるにつれて危機感を募らせる。 自分達の住むこの地球を持続させねば、と強く感じた。

Posted byブクログ

2014/04/16

〈概要〉 ・プロローグ/崩壊を招く五つの要因 ・イースターに黄昏が訪れるとき ・最後に生き残った人々 ・マヤの崩壊 ・ノルウェー領グリーンランドの終焉

Posted byブクログ

2013/08/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

マヤ、アナサジ、イースター島、グリーンランドのノルウェー人…。かつて隆盛を極めた文明が崩壊する要因を丹念に拾い上げる知的探究。上巻。

Posted byブクログ