文明崩壊(上) の商品レビュー
あれだけ栄えていた文明がなぜ滅んだのか・・・環境、闘争、いろいろな観点に光を当て、解き明かしていく。現代文明への警鐘でもある。1,200円の分厚い文庫本。
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文明崩壊の原因をおよそ5つの要因からなると考えて、限定された小さな地域から、より大きな規模の文明をサンプルに検証する。温暖な時期に行われる開発による人口増加、森林伐採による環境破壊。その結果、大規模な土壌浸食、生産性の低下、燃料不足が起こる。人々は神や指導者に救いを求め、巨大な神...
文明崩壊の原因をおよそ5つの要因からなると考えて、限定された小さな地域から、より大きな規模の文明をサンプルに検証する。温暖な時期に行われる開発による人口増加、森林伐採による環境破壊。その結果、大規模な土壌浸食、生産性の低下、燃料不足が起こる。人々は神や指導者に救いを求め、巨大な神殿などが作られ、文明は最盛期を迎える。やがて温暖な時期が終わり寒冷化すると、過剰な人口を支えることができず、飢餓と略奪、戦争が起きて文明は急速に崩壊する。そして、上巻ではあえて辺境の文明、イースターやグリーンランドなどを選び、似た状態に陥っても踏ん張れる文明と崩壊した文明の差を、自然環境の復元力に求めている。さらに、ここに外的な要因、援助する友好的な隣人もしくは戦争を仕掛けてくる非友好的隣人が、影響を与える場合がある。ユーラシア大陸の文明はこのケースが多そうだが、上巻ではまだ触れてない。
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こんなに地に足が着いた、マヤ文明に関する考察は、始めて読みました。 読んでいると、当たり前の事、納得できる事が、階段みたいに一歩、また一歩と積み重なっていって、気がつくとものすごく高い視点でものがみえるという印象。
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世界の歴史を復習したあとに、盛大な多くの文明が滅びた原因を知りたくなり手に取る。 花粉学者の作者が主にその土壌を分析するアプローチを考古学に応用し、 過去の文明の足跡を科学的に解明していきながら様々な要因を踏まえて 文明の崩壊について推測、展開している。 人類が滅びる原因を...
世界の歴史を復習したあとに、盛大な多くの文明が滅びた原因を知りたくなり手に取る。 花粉学者の作者が主にその土壌を分析するアプローチを考古学に応用し、 過去の文明の足跡を科学的に解明していきながら様々な要因を踏まえて 文明の崩壊について推測、展開している。 人類が滅びる原因を人間による環境被害、気候変動などからアプローチした、社会的な変化、そこに住む人々の文化、外部の侵略の5つに大分し解明していく点が非常に府に落ちる。 アサナジ、イースター島、マヤ文明、ヴァイキングの内容が非常に印象に残っているが 特に全体を通して人間は歴史上、どの地域でも往々にして目先の利益や損失に関心が行きがちであることを強く思った。 ここで取り上げている事例はどこかに環境、気候条件から不利な点があるが、 それらが決して防げなかったものではなく、変化を知ることができなかった、または対処する問題意識を持たずに生活していったことが崩壊の一因にもなっていると考える。 それらの変化は土壌開発や森林伐採による生態の変化だけでなく、自国の人口変動、交易があった国々の流入数の変化なども挙げられる。 また、過去の最善の選択肢や入植者がその自国の方法論、文化、慣習を、土壌や気候などが異なる移入した国でなんの検討もせずに応用するだけではうまく立ち回らないこと、 文化や慣習、一族の誇り、宗教を盲目的に、思考停止して応用していた点を改善するためには、階層的な社会では社会の変化に対応することが難しいと思った。 個人的に一番関心があったことは気候変動よりは過剰な土壌開発によって自ら豊かな生態系を破壊して生きてきたこと。 相互依存する社会は階層的で自由でなく統率された社会によって維持され、それにはキリスト教が貢献したが、次第にその思想が一部原因となって滅びたこと。 環境問題などの複雑な問題は政府、民間、住民のそれぞれの思惑がぶつかりあってなかなか思い通りにいかないことが問題である。 また過去の被害や経験によって人々の風習が保守的になるということに地理的要因が大きく影響をおよぼしている。 ヨーロッパの入植行為自体がヴァイキングに対するイヌイット側の認識を非好意的にさせてしまい滅亡してしまったことなどは特に自虐的な結末であると思う。 しかし、現代と過去の人々で決定的に異なる点は過去の情報を取得し分析することで過去の事例から未来への選択に生かすことができることであると筆者も考えている。 つまりは、防げたはずの事態を自ら機会を逃すこと、もしくは自ら破滅の選択や行為を続けたことに現代、または未来の社会にも知見がみられると考える。 個人的に日本との比較の解釈を踏まえて簡単に考察してみると、 日本という国は自然に恵まれ、侵略する必要がなかった。 自然信仰という自然を敬う根本的な思想も相い、工夫を凝らし、またキリスト教のような差別的な思想もなく人々が自由で豊かな社会を築きあげていたこの社会に生きていることがとても素晴らしく誇りに思えた。 この本を総じてまとめてしまえば、現代の社会がはらんでいる問題にも関連し様々な側面から文明が滅びる要因からも様々な知見を得ることができると思います。 反省: いつも通りメモとりながら読むべきだと思った・・・orz
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「銃・病原菌・鉄」の時も文庫本で読めるのが嬉しかったのですが、今回もこの厚みであるにせよ2冊同時発売。持ち歩きしながら読めるのは何よりありがたいことです。 アフリカから世界中にちらばった私たち人類は、長い年月をかけ各地で発展を遂げ多くの文明を築いていきました・・ しかし、繁栄のあ...
「銃・病原菌・鉄」の時も文庫本で読めるのが嬉しかったのですが、今回もこの厚みであるにせよ2冊同時発売。持ち歩きしながら読めるのは何よりありがたいことです。 アフリカから世界中にちらばった私たち人類は、長い年月をかけ各地で発展を遂げ多くの文明を築いていきました・・ しかし、繁栄のあとに忽然と消えた文明も数多くあります。世界各地の遺跡などから、文明が衰退し滅亡に向かった要因を様々な視点から探っていきます。 それらは私たちを現在から過去へ知的冒険の旅へと誘いますが、段々と読み進むうちに謎解きを愉しんでばかりもいられないことに気づきます。 これは、まさにこれからの人類の未来を予見する物語だからです。 現代の社会においても私腹を肥やすことに夢中な指導者たちと、崩壊の要因のひとつなったマヤの王たちの行動を列記し「現実の重大な脅威になんら能動的な打開策を講じなかった・・」と述べているからです。 下巻での展開も楽しみです。
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過去: 環境侵害、気候変動、環境問題と人口問題、武力闘争、急速に崩壊する社会。現在: 政治問題係争地=環境問題発生地。天然資源の破壊・枯渇・限界。有害物質。人口問題。 遺跡を観光、でなくそこに人間の活動を読み取り、問題を提起、未来につなげようという壮大な構想。
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以下にして文明は崩壊へ向かうのか。 文明の崩壊に興味がある。タスマニア島に渡った人類が数百年?を経て全滅に至る過程とか。 「銃・病原菌・鉄」を書いた著作者は人間社会の崩壊をどう見るのか。 人類はアフリカからの拡大過程で多くの動植物を滅亡に追い込んできた。そして最後には自ら滅亡に至...
以下にして文明は崩壊へ向かうのか。 文明の崩壊に興味がある。タスマニア島に渡った人類が数百年?を経て全滅に至る過程とか。 「銃・病原菌・鉄」を書いた著作者は人間社会の崩壊をどう見るのか。 人類はアフリカからの拡大過程で多くの動植物を滅亡に追い込んできた。そして最後には自ら滅亡に至るのか。 そして、この地球さえも、この文明さえも滅亡に至る過程なのか。 マヤ文明、グリーンランドのノルウェー人社会など、滅亡に至った諸社会がどうして滅亡に向かわざろう得なかったのか。 ■文明崩壊に向かう5つの要因 ①環境被害、②気候変動、③近隣の敵対集団、④友好的な取引相手、⑤環境問題への社会的対応 ■現代、モンタナの事例 ■イースター島の事例 ・どうして巨大な石像を立てたのか。 ・周辺の環境はどうだったのか。 ・島の環境はどうだったのか。 ■マヤ遺跡 ・都市の崩壊 ・森林の破壊 ■ノルウェー領グリーンランドの事例 ・脆弱な土壌 ・ヨーロッパとの交易の途絶 ・気候の寒冷化 ・頑固な生活習慣(ヨーロッパ人としてのアイデンティティ) ・敵対集団の存在 ・森林の破壊 →突発的に崩壊へ ★環境・気候が良い時に人口増大に向かい、環境・気候の変化で食料・資源の枯渇で文明崩壊か。
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ジャレド・ダイアモンドの文明崩壊を読みました。 過去に滅んだ文明を考古学的に調べていくと、文明が栄えるに従って自分たちの文明の基幹をなす環境を破壊してしまうことになり、その結果その文明が滅びてしまうということが繰り返されている、ということが解説されています。 その環境破壊を食...
ジャレド・ダイアモンドの文明崩壊を読みました。 過去に滅んだ文明を考古学的に調べていくと、文明が栄えるに従って自分たちの文明の基幹をなす環境を破壊してしまうことになり、その結果その文明が滅びてしまうということが繰り返されている、ということが解説されています。 その環境破壊を食い止めたことにより長く続いている文明と環境破壊により滅びてしまった文明の違いはどこにあるのか、ということが複数の文明を例に紹介されています。 例えば、イースター島のモアイ像はその島に森林があってその木材を利用して建てられたのですが、いま、イースター島には木は1本も生えていません。 イースター島に住んでいた人たちが森林を全て伐採してしまったからです。 島に森林が亡くなったために地表が流されてしまい、農業も出来なくなってしまったため、文明が滅びてしまったのでした。 振り返ってみると今グローバルな世界で行われていることはイースター島で行っていたことと規模が違うだけで同じ事なのではないか、という主張なのでした。 私たちの世代は戦争で負けたために貧しかった時代から豊かな時代まで過ごしてきたのでしたが、私の子供や孫の世代は現在の豊かな時代から、資源が枯渇して苦しくなる時代を生きなければならないのかも知れません。 それを避けるために何か今の時代に出来ることはないのか、と考えさせられます。
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著者の熱量が凄いですね。 興味の無い地域の話だと分量が多くて少し辛いけど・・・ 世界地図を見ながら読むと楽しいと思います。 目次を見る限り下巻の方が面白そう
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生活リズムが変わって電車通勤しなくなり読書時間が激減したタイミングでこの大作を読み始めてしまい、四ヶ月かかって読了。とはいえハッキリしたテーマに沿った作品なので途切れ途切れに読んでも問題なかったです。読み始めて二ケ月半ほど経った頃、宮脇昭先生の講演と植樹祭に参加する機会があり、こ...
生活リズムが変わって電車通勤しなくなり読書時間が激減したタイミングでこの大作を読み始めてしまい、四ヶ月かかって読了。とはいえハッキリしたテーマに沿った作品なので途切れ途切れに読んでも問題なかったです。読み始めて二ケ月半ほど経った頃、宮脇昭先生の講演と植樹祭に参加する機会があり、この本を読んでいるタイミングでこのお話が聞けるとは、という偶然の妙を体験。日本は先進国の中でずばぬけて国土に占める森林が多いけれど、もともと土着の照葉樹林は94%失われており6%しか残っていないそうです。それを宮脇先生とその賛同者のボランティアの方々によって、一本ずつ植樹して少しずつ本来の植生に戻そう、という活動がなされています。『銃・病原菌・鉄』は、過去に起こった事象の要因をひも解くものでしたが、『文明崩壊』は過去の崩壊した文明の例を引きながら現代の我々が暮らす社会が崩壊の道へ向かっているかもしれないのを軌道修正するにはどうしたら良いか、どうしてそちらへ向かってしまうことになるのか、など、自分に通じる「今そこにある危機」について書かれているので、ドキドキしながら読みました。保存版にします。
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