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文明崩壊(上) 滅亡と存続の命運を分けるもの 草思社文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 草思社 |
発売年月日 | 2012/12/05 |
JAN | 9784794219398 |
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文明崩壊(上)
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商品レビュー
4.1
64件のお客様レビュー
ジャレド・ダイアモンド氏の作品は2作目。前作「銃・病原菌・鉄」は文明の発展の物語だが、本書は逆。崩壊の物語。個人的には本書の方が面白いような。「文明崩壊」――かつて隆盛を極めていた社会はなぜ崩壊し消滅したのか。数々の文明崩壊の実例を検証し、共通するパターンを導き出していく。中米の...
ジャレド・ダイアモンド氏の作品は2作目。前作「銃・病原菌・鉄」は文明の発展の物語だが、本書は逆。崩壊の物語。個人的には本書の方が面白いような。「文明崩壊」――かつて隆盛を極めていた社会はなぜ崩壊し消滅したのか。数々の文明崩壊の実例を検証し、共通するパターンを導き出していく。中米のマヤ、北米のアナサジ、東ポリネシアのイースター島、グリーンランドのノルウェー人入植地などを題材に歴史上から消滅した社会が陥った恐るべき共通の崩壊要因を解明する。下巻に入るとやや地球環境破壊の話が主軸になっていくが、そこで取り上げられるのは江戸時代の日本、ティコピア島、中国やオーストラリアなど。資源、環境、人口、経済格差など複雑化する要因を整理し崩壊の因子を探り出す。そして現代人の目指すべき方向性を呈示する。下巻の449ページに『現在では、日本の木製品輸入が第三世界の熱帯雨林破壊の最大要因となっている。』と書いてありショックを受けた。地球環境破壊は他人ごとではない。我々の日常の中にも破滅の因子が含まれているという事。地球環境について考える現代人必読の書。詳細→ https://takeshi3017.chu.jp/file10/naiyou24102.html
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『銃・病原菌・鉄』から続けて読むと分かりやすい。前著に出てきたネタ(インカ帝国とか)がチョコチョコ出てくるので、流れが思い起こされる。環境問題なんて…とか、遠い世界のことは自分に関係ない、とりあえず相手が(自分と違う奴が)悪い…みたいな狭い思考に閉ざされていることをハッと気付かさ...
『銃・病原菌・鉄』から続けて読むと分かりやすい。前著に出てきたネタ(インカ帝国とか)がチョコチョコ出てくるので、流れが思い起こされる。環境問題なんて…とか、遠い世界のことは自分に関係ない、とりあえず相手が(自分と違う奴が)悪い…みたいな狭い思考に閉ざされていることをハッと気付かされる。 モンタナの話も興味深かったが、一番良かったのはイヌイットの話。先住民=時代遅れ…と思ってしまいがちだが、彼らの生活の知恵やスキルは目を見張るものがある。知らない人はぜひ読んで見てほしい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
私は、この作品を、歴史の本(=過去の話)だと思って購入した。タイトルも背面の概要もそう読めるからだ。イースター島、グリーンランド、マヤといった文明が崩壊していく様には単純に興味があった。 だが、読み進めていくと、本書は歴史書では無く、環境問題の書籍であることが分かった。ただし、偽装されていたのではない。過去の大小様々な文明の崩壊要因と現代の環境問題、それに続く現代文明の崩壊が類似した現象であることがロジカルに展開されている。過去を学ぶことは未来を知ることと考えていながら、過去を学ぶことをただの楽しみとしていた私にはかなりハッとさせられる内容になっていた。 特に下巻の16章では、私の思う「経済と環境のバランスを」や「科学技術の発展が問題を取り除く」に対して痛烈な反論がなされており、考えさせられる(というより痛いところを突かれたという)部分が大きい。 私は環境保護論者が(狂信的で)嫌いだが、著者は本人が述べているとおり思想的には中道的であると感じたし、本書に取り上げた証拠から、それでも環境保護を優先すべきであるという態度をとっていることに共感できた。また、ただ企業が血を流して保護するのでは無く、経営的にポジティブな効果があることを述べていたり、環境保護団体もターゲットを購買層の目に見える相手(ex.ティファニー)にすることで市民から手の届かない多重構造(採掘元や製造業者)を変革する方法を挙げていたり、実例を挙げながら片方に寄りすぎない、双方の正義を理解した姿勢にも好感を抱く。 15、16章あたりは論文で言えば議論のような感じで、著者の思想が強く見えるが、それまでの文明が衰退、崩壊していく実例の部分では、社会人講座の資料にしようかと思うほど論理的な文章展開がなされている。証拠を挙げ、そこから解釈をして意味づけをしていくことを繰り返しているのだ。 この書き方(強く感じたのは3章)は、非常にスマートでわかりやすく、それでいて理系の報告書のように無味乾燥ではないため、驚きと感動を覚えた。これは訳者の技量に寄るところもあるかもしれない。 上巻ではアメリカの片田舎から話が始まり、当初は「早く本題(歴史の話)に入らないかな?」という感想だった。 現代と過去の比較、衰退していく社会の要因を系統的に明らかにするために(反例のようなものとして)現代社会ののどかな土地を引き合いに出しているのだと思っていた。 だが、1章を見終わる頃にはその感想は全く変わり、衰退のメカニズムのようなものを捕らえたような、どこにでも衰退というものは潜んでいるんだというような気分になっていた。 しかし、この感想や感覚も甘いもので、冒頭のモンタナの様子、衰退していく林業や鉱山業、農業の様子を惜しみ、富裕層の移住や観光業を新たな産業として好意的に見ていた自分が、本書を読み終わった今は全く異なる感覚を持ってこの様子を見ることになっている。本書を読み進めていくうちに環境破壊に対する感覚が変化(深化)していっているのだ。 それまで敵か味方か、善か悪かで見ていた環境問題も、「お互いの正義があり、しかし、それでも極端な保護という結論を出さねばならない」というのは欧米流の二項対立・論理思考の神髄を見たと感じた。 私はお互いの正義が分かった時点で情が移って極端な結論を出すことができないように感じる。 単純な知識としても人肉食が飢餓状態では一般的であること(日本でも飢饉の時や兵糧攻めの時)や、年輪年代法の実用例や周辺環境との関係など既存の知識に実際の例を加えて肉付けできた。 欧米(先進国?)人の人肉食の否定や先祖を信じたいがための事実の否定のような人文科学的、心理学的な部分にも臆さず触れており、人間を相手にする科学の難しさを感じる。 グリーンランドで顕著だった価値観の変化を拒む姿勢も身につまされる。例えば昆虫食の拒絶が未来からは愚かに見えるような感覚かもしれない。 読み進めていくうちに、著者は人文科学、文化人類学者だと思っていたが、鳥類の生態学を専門とする生物学者だったことに驚いた。自らの専門分野だけで無く、歴史や、年代測定法、人間の行動についても深い知識と考察を持っており、関心させられる。
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