文明崩壊(下) の商品レビュー
文明崩壊…というか、環境破壊への警鐘が主題。前作の面白さを期待して読んだら、これじゃない感が半端ない。
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下巻では崩壊を免れ存続した社会についてから始まるのだが、そこで日本の事例が出てくるのが興味深い。また現代における事例として中国、オーストラリア等が挙げられていくのだが、中でもルワンダでのフツ族同士にまで及んだ虐殺を環境的要因から考察していくのは目から鱗であった。またドミニカとハイ...
下巻では崩壊を免れ存続した社会についてから始まるのだが、そこで日本の事例が出てくるのが興味深い。また現代における事例として中国、オーストラリア等が挙げられていくのだが、中でもルワンダでのフツ族同士にまで及んだ虐殺を環境的要因から考察していくのは目から鱗であった。またドミニカとハイチという、一つの島を二分する国同士の事例は、残酷な現実を浮き彫りにしながらも、環境問題とは環境に適した正しい経済や制度が選択されることが重要であることを明らかにしている。これ程までの知的興奮は、そうそう味わえるものではないスゴ本。
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栄えていた文明が、どんな要因で崩壊に至ったのか? その要因を、過去の文献・地質調査などから事細かに洗い出していく。 化学実験のように現象を再現はできないが、過去に起こった出来事をシミュレーションして法則を導き出す。 本書では、気候変動・人口増加・環境破壊・外敵を要因と推測(まだあ...
栄えていた文明が、どんな要因で崩壊に至ったのか? その要因を、過去の文献・地質調査などから事細かに洗い出していく。 化学実験のように現象を再現はできないが、過去に起こった出来事をシミュレーションして法則を導き出す。 本書では、気候変動・人口増加・環境破壊・外敵を要因と推測(まだあったかもしれない)。これらの要因はからみあって、次第に後戻りできないところまで崩壊が進んでいってしまう。 何百年と続いた文明が崩壊した過去。その地続きである現代の文明も崩壊してもおかしくない。崩壊の要因となることは現代でも起こっている。むしろ科学技術の発展により、より加速している。 こうすれば崩壊は防げる、というような銀の弾丸は示されない。環境破壊については、企業が長期的な利益を考えて環境負荷が低い行動をとるようにする流れがあること、消費者が環境に良い製品をより購買する傾向がみられること、などを上げている。(しかしまだまだ少数派) グローバル化は世界が繋がってひとつの世界となりつつあること。ひとつの国・企業の影響が他のところに連鎖的に影響を与える。 過去の文明が滅びた時は、その地域だけで済んでいたことが、全世界規模で起こりうる可能性がある。 世界で起きてることは他人事じゃあない。
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一言「長ぇーー」 しかも、サクサク読める内容でもないので、読み終える頃には最初の方の内容を忘れてるし。 上巻より下巻の方が面白かった気がするが、個々の具体的な記述に関しては間違いが多いという指摘もあり。
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環境問題への警鐘で終わっているのが期待していた内容と違ってしまったという気持ちにしてしまっているのが残念です。 新しい世界で常勝パターンで勝てるわけではないのですね。 強いやつより適応できるやつが生き残るんだな~
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相変わらずの分量。 個人的には興味がある地域の話はとても面白いですが、興味が無いと一転して読むのが辛いですね。 無理に全部読むよりも好きな所から摘み食いして読むのが良いのではないかと思います。 これだけ熱量を持って書き上げる著者には感服します。
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ジャレド・ダイアモンド博士第二弾。 先の「銃・病原菌・鉄」が示唆に富み、知的好奇心をくすぐる内容であったため、長編発表論文の第二弾の本著をすぐさま読んでみました。 本著は文明が崩壊していくメカニズムに焦点を絞り、様々な時代・場所・環境で様々なプロセスを経てゆく滅亡を多角的に詳述しています。 最盛期には滅びなど誰しも気づかないですが、勃興さの由にこそ衰退の理由が潜みます。 また明白に衰退しつつあるにもかかわらず、人は文化的要因に束縛されてしまい滅亡を止められない。 イースター島でモアイを部族ごとで競ったから森林伐採に歯止めが係らなかったにもかかわらず作り続けた。 グリーンランドに植民したノルウェー人は頑なに漁食を拒み、イヌイットを蔑視したためその優れたカヤックや漁法を模倣せず、キリスト文化を保持したまま滅びたと喝破されています。 「ギリギリの段階になれば人はなんでもする」は間違いで、そういったときでも正常性バイアスがかかって、抜本的解決から逃げるんだということが本著でよく理解できました。 翻って、現在の人類のもつ危険性、とりわけ環境破壊には警句になるべこれらの先立つ文明崩壊が今もって抜本的に解決できていることを慨嘆されています。 マルサスの人口論では「「幾何級数的に増加する人口と算術級数的に増加する食糧の差により人口過剰、すなわち貧困が発生する。これは必然であり、社会制度の改良では回避され得ない」とされています。現実に第三世界で起こっており、次世代には全世界規模で起こる現実です。 本著に挙げられて幾つもの事例、グリーンランド・イースター島などのように、人類は崩壊を前にしても止められないのか、それとも良心を結集して止めることができるのか。 本著を読むと希望よりも、人類の歴史に学ばない愚かさに暗澹とした気持ちになります。
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上巻では過去の社会について述べられていたが、下巻では現代社会の事例を紹介している。 中国、オーストラリア、ドミニカ、ルワンダなど。 人口抑制に失敗したルワンダの現状は悲惨だ。 中国は多くの問題を抱えているが、人口抑制に成功した点だけは評価されている。
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過去の文明崩壊の原因として環境破壊がいかに多かったか、というところから、現代社会における環境問題に個人個人がもっと関心を持つように、という結論。
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〈概要〉 ・存続への二本の道筋 森林資源の損なわれた江戸時代の日本 徳川幕府の解決策 なぜ日本社会は崩壊しなかったのか? 成功を収めた社会の例 ・社会が破滅的な決断を下すのはなぜか? 正しい意思決定へのロードマップ 環境問題の予期 環境問題の感知 合理的かつ非...
〈概要〉 ・存続への二本の道筋 森林資源の損なわれた江戸時代の日本 徳川幕府の解決策 なぜ日本社会は崩壊しなかったのか? 成功を収めた社会の例 ・社会が破滅的な決断を下すのはなぜか? 正しい意思決定へのロードマップ 環境問題の予期 環境問題の感知 合理的かつ非道徳的な行動 環境被害に結びつく価値観 非合理的行動が生み出す失敗 失敗に終わる解決策 希望の兆し 失敗の原因を理解すること
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