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なでし子物語 の商品レビュー

4.3

104件のお客様レビュー

  1. 5つ

    46

  2. 4つ

    38

  3. 3つ

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  4. 2つ

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2024/09/01

「自立」「自律」という言葉。 大人に使う時と子どもに使う時でニュアンスが違っているのがいいなと思った。 自立…かおをあげていきること 自律…うつくしくいきること 幼い頃に、こういう大切なことを教えてもらった子ども達がどんな大人になっていくのか、次作以降が楽しみ。

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2024/05/23

伊吹さんの物語は、登場人物たちが本当に存在しているような親しみを感じさせる。 母親に育児放棄された耀子が常夏荘で色々な人々と出会い、たくましく成長していく。 立海と耀子のその後を読んでみたくなった。

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2023/06/25

どこか、現代の話ではないような、あるような、不思議な作品だと思います。没落していく資産家の田舎の豪邸で生活しているゆかりの人々を中心に、不幸な境遇の少女と当主の次男の少年の出会い、成長。続編もあるので、今後どのように物語が進むのか、楽しみです。

Posted byブクログ

2023/06/04

とても良い! 後半は涙を止められなかった。 舞台は林業を営む遠藤家の別宅、常夏荘。 父が亡くなり、母からは放棄された少女耀子は、遠藤家の林で働く祖父の元で暮らすことになる。 遠藤家の当主の息子立海は、体が弱く、療養もかねて家庭教師青井とともに常夏荘に預けられる。 遠藤家当主の息...

とても良い! 後半は涙を止められなかった。 舞台は林業を営む遠藤家の別宅、常夏荘。 父が亡くなり、母からは放棄された少女耀子は、遠藤家の林で働く祖父の元で暮らすことになる。 遠藤家の当主の息子立海は、体が弱く、療養もかねて家庭教師青井とともに常夏荘に預けられる。 遠藤家当主の息子の妻照子は、夫を亡くし、人付き合いが好きではないため、常夏荘で夫の思い出を抱きながら暮らしており、おあんさんと呼ばれ、常夏荘の周辺の人たちからは慕われている。 まず、照子と夫との思い出がとても美しい。 背が高い照子に対して、背が低く体の弱い夫。 セミの夫婦と呼ばれ、大木(照子)にとまるセミ(夫)と嘲笑されたふたり。 小さくちぢこまるように歩く照子に、ヒールのある美しい靴を履いて、堂々としていてくれと言う夫。 そんな夫に心を開いていく中で、セミは長く生きられない、と新婚旅行で告げられた照子の絶望を思う。撫子組の話にも涙。 夫の異母兄弟である立海に、夫のおもかげを見て、でも立海を救ってあげられない、これも悲しい。 この時代、この遠藤家で、決定権のないものたちの絶望を思った。 燿子が学校に行かなくなり、立海とともにお勉強をするようになってからの物語に、特に引き込まれる。 耀子は、その生育歴から、どうして嫌われるのだろう、どうして私のもとからいなくなるのだろう、という絶望を抱いている。 そんな耀子に、大人たちが伝える言葉たち。 自立(かおをあげて生きること)と自律(うつくしく生きること)。 どうして、ではなく、どうすれば、と考えること。 自分をきらいなら、好きな自分になるのだと、自分を律して自分が好きな自分、こうありたい自分でいるのだというのが、自律。 わたしは大人になっても、自分のことはまだよく分からない。わたしの中に、すごく嫌な自分がいる。 子どもの時、わがままなことをすると、大人たちからは呆れられ、怒鳴られ、無視されたりしていて、こういうことを教えてくれる人はいなかった。 当たり前のようなことだけど、恥ずかしながら初めて教えてもらえた気がした。 大人になったからこそ、青井の言葉を理解できるようになったけど、子どもの時ならわからなかったと思う。耀子も、全部は理解できてない。でも、変わりたい、理解したいと頑張っている。 そして立海の話し方が可愛い。 日系アメリカ人のシッターに育てられたために、立海は「〜なのよ」などの、小学生男子は使わないであろう妙に女性的に言葉を使う。 文章だけなのに、立海がとても可愛くて、愛しくなる。 立海と耀子の交流、友情。 ずっと孤独だったふたり、ずっと色んなことを諦めていたふたりが、はじめて互いを「この子に嫌われたくない、離れたくない」と思ったこと。 耀子のお誕生日をやらまいかと、約束した翌日に、立海は東京の親父様の元に連れ帰られ、引き離されてしまった運命。 これから先の2人の人生がどうなるのか気になるけど、きっとこの子たちなら逞しく生きていくはずだと思える。 著者の伊吹さんが、誰よりもこの登場人物たちを大切に、愛しているとわかるから、きっと不幸にはならないはずだと思えるのだ。

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2023/05/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

いじめに遭っている少女・耀子、居所がなく過去の思い出の中にだけ生きている未亡人・照子、生い立ちゆえの重圧やいじめに苦しむ少年、立海。 三人の出会いが、それぞれの人生を少しずつ動かし始める。 (アマゾンより引用)

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2023/04/10

耀子と立海の「やらまいか」、勇気をもらえました。二人の成長を応援したいです。「星の天女」のお話、龍一郎と照子のロマンス、あと装画は大好きな関美穂子さん、素敵です。

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2023/01/25

感情を揺さぶられる作品。子供の気持ち、それを見守る大人たち。伊吹さんの切なくも温かい作風が大好きです。

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2022/12/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2022年ラスト本!1980年浜松市にある遠藤家の別荘、常夏荘が舞台。父を亡くし二人暮らしだった母に突然捨てられた耀子(小4)は、祖父に引き取られる。燿子はいじめにあい目をつぶってやり過ごす。遠藤家の跡取息子の立海(小1)。彼もいじめに苦しむ。この二人が常夏荘で出会い、勉強を通して相手を労り、理解する。また、常夏荘での女性蔑視行動、家元の跡取婚姻問題、親戚同士の諍い、伊吹さんの本は簡単には終わらない。女性が社会的自立(堂々と生きる)と精神的自律(楽しく生きる)ためには「自覚」「教育」が必要だということ。⑤

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2022/11/11

自立と自律 自立…顔をあげて生きること。 自律…美しくいきること。 「どうして?」ではなく「どうしたら」

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2023/05/12

伊吹作品を初めて読んだ まだまだ自分が寄り添える作家が埋もれていたことに気づかされた 「どうしたら」良い言葉だ 伊吹作品他もっと読んでみようと思う

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