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ウエストウイング の商品レビュー

3.9

67件のお客様レビュー

  1. 5つ

    10

  2. 4つ

    29

  3. 3つ

    13

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

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2013/09/15

この退屈な物語を読み続けられるのは、コアな津村ファンしかいないという密かな喜びを感じつつ読みました。 トイレでの出産や台風や水質汚染などけっこうハードな要素満載なのに、淡々と語られています。

Posted byブクログ

2013/08/11

最初は気分が乗ってこなくて、ページを繰るのも鈍かったが、ゲリラ豪雨のくだりから個性的な人達の描写が見事で面白く読めた。

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2013/07/31

読んでいたら、朝の3時になってしまった。それでも終わらずに続きの夢を見た。丁度、汚染された水が噴き出したあたりだったから、うなされてしまった。 もしかしたら、ホラーになってしまうのかと思ったのですが、そうでもなく、結構眈々と終結。3人の絡みをもっと期待してたところもありますが、こ...

読んでいたら、朝の3時になってしまった。それでも終わらずに続きの夢を見た。丁度、汚染された水が噴き出したあたりだったから、うなされてしまった。 もしかしたら、ホラーになってしまうのかと思ったのですが、そうでもなく、結構眈々と終結。3人の絡みをもっと期待してたところもありますが、これはこれで好きな小説でした。

Posted byブクログ

2013/07/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

終わりなき日常を描く、のはやっぱり津村さんうまい。 だらだらと(って津村さんの作品、どうしてもこの表現になってしまう。いい意味で)読んでいるのに飽きないの。 でも、今回のは舞台になってるビルの規模と雰囲気がどうしてもうまくイメージできなかったなあ。 あんな感じかなあ、っていう似てるビルが思い浮かばなかった、こちら側の理由なんだけど。 地下道通っていくならスカイビルとかウエスティンホテルとかある辺りかな?とかとも想像しつつ。 いやまあフィクションだからそれは仕方ないんだけど。 OLも小学生もサラリーマンもちょっとずつみんな疲れていて、小さな事件や失望や喜びや楽しみをループしながら生きてる。 劇的な冒険もロマンティックなドラマもない、でもささやかなしあわせを見出しながら生きる。 それでええのです。

Posted byブクログ

2013/07/24

冴えない、イケてない人たちの日常。はじめはちょっと入り込み難かったけれど、途中からは夢中になった。ヒロシと母親の会話に泣いた。こんなビルで働くような大人になるな、と言った塾の先生たちの方が、不幸に見えてくる。

Posted byブクログ

2013/06/29

こんな長編にしなくて、中篇ぐらいでいつもの感じでまとめてくれたらもうちょっと楽しめたんやないかなって思う。でも、なんか病院に隔離されてからはページ数が残り少なくなっていくからかなんかちょっと先が気になった。「何もない。どうしよう」と言ってる割には洪水の場にボート持って行くフカボリ...

こんな長編にしなくて、中篇ぐらいでいつもの感じでまとめてくれたらもうちょっと楽しめたんやないかなって思う。でも、なんか病院に隔離されてからはページ数が残り少なくなっていくからかなんかちょっと先が気になった。「何もない。どうしよう」と言ってる割には洪水の場にボート持って行くフカボリとか、みんな普通でないことが出来てるって思う。大人な考えのヒロシがええな。

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2013/06/28

取り壊しのうわさがやまない古いビルに勤めるネゴロは、新入りの同僚がなかなか上手く仕事を覚えてくれないことにまんじりとしている。ビルに入っている塾に通っている小学生のヒロシは、勉強にはまったく興味を覚えられないが絵の興味と実力は人並みならぬものを持っている。そしてフカボリは向かいの...

取り壊しのうわさがやまない古いビルに勤めるネゴロは、新入りの同僚がなかなか上手く仕事を覚えてくれないことにまんじりとしている。ビルに入っている塾に通っている小学生のヒロシは、勉強にはまったく興味を覚えられないが絵の興味と実力は人並みならぬものを持っている。そしてフカボリは向かいのビルに浮かぶ幽霊の顔におびえている。 そんな接点のない3人の唯一の共通点は、サボリ場所が共通しているということ。お互いの顔も知らないまま、自分でないだれかもサボり部屋を使っていることに気づきつつ、奇妙な交流は厳かにつづいていく。それぞれのそれなりにおだやかな日常とおだやかならない非日常をはさみつつも。 細やかな淡々としたエピソードの丁寧な積み重ねでつづられる物語は、作者らしく重過ぎなく軽すぎもしない、シニカルでウイットの利いたあくまで普通の人々の物語。はたらくひとびと、勉強するこども。その立場ならではの視点での想いが驚くほど身近に感じられ、だからこれだけの長い物語を読ませてくる。 中盤には大雨がもたらす一大エピソードがあり、そこではかなり愉快な数時間を楽しませてくれる。右往左往する人々の様子が楽しい。混乱のある一点で、人はかならず悟るよなあ、と思ったり。そしてそのようすは人によりけりさまざまで、それがまた面白い。 終盤にはこれはちょっと意外な展開が。収束はしかし、日常にゆるやかに戻ってゆく、安心感をもたらせた終わり方。登場人物のつぶやく一言に、深くうなづかされる。物語を経て、このウエストウイングそのものをいとしく感じられるからだ。

Posted byブクログ

2013/05/16

津村さんの作品はどの作品も大好きです。個人的には、キャラクターへ親近感が半端ないからだとは思うのだけど、この作品は特に絶妙な群像劇だと思う。そして、絶妙さをさらに増幅する大阪弁が全体に渡って小気味好く、心を穏やかにしてくれる。 ぜひこの作品、ネゴロを江口のりこさんで映像化して欲し...

津村さんの作品はどの作品も大好きです。個人的には、キャラクターへ親近感が半端ないからだとは思うのだけど、この作品は特に絶妙な群像劇だと思う。そして、絶妙さをさらに増幅する大阪弁が全体に渡って小気味好く、心を穏やかにしてくれる。 ぜひこの作品、ネゴロを江口のりこさんで映像化して欲しいなー。

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2013/05/08

この方の本、何冊かしか読んでませんが、いつも感じるのはこれだけ単調な描写をよくも根気強くこんなに枚数を費やして書けるものだということ。 正直時々読んでいてうんざりすることもあります。 この方の文章、体力気力がある時じゃないと私はしんどくなってしまいます。でも読み続けてしまう。 ...

この方の本、何冊かしか読んでませんが、いつも感じるのはこれだけ単調な描写をよくも根気強くこんなに枚数を費やして書けるものだということ。 正直時々読んでいてうんざりすることもあります。 この方の文章、体力気力がある時じゃないと私はしんどくなってしまいます。でも読み続けてしまう。 それは文章がやはりうまいから。言葉の選び方にもセンスを感じる。皮肉が利いている。そして日常で流してしまいがちな事どもをちゃんととらえて文章に乗せるのが絶妙にうまい。 人物がみんな個性的でキャラが立ってます。目に浮かぶようです。 最後のシーンがすごくいいですね。このラスト数ページのためだけに 頑張って400P近くを読んできたのだと思いました。これだけの枚数を 重ねなくてはラストのよさは出せなかっただろうなぁ、読後しみじみ 感じました。 たった一つのワンシーンを描くために必要な量ってあるんだなと 時々思います。この小説はそういう小説なのかなと思いました。 海外の小説にも時々「このシーンになんか意味あんのかな」という場面が 延々と続いて、最後の方に「おおっ」と感動があったりするものがありますが、そんな小説を思い起こしました。 今後にも注目の作家さん。

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2013/05/07

帯に寓話的うんぬん、と書かれていたので新境地を開いたのかと不安になったけれど、津村調が健在だったのでほっとした。 巷でもてはやされている古いテナントビル(ビルヂングといいたい)が舞台。嫌な上司や同僚、変なこと、大変なことに巻き込まれたり、日常の些細なところにドラマあり。 途中で長...

帯に寓話的うんぬん、と書かれていたので新境地を開いたのかと不安になったけれど、津村調が健在だったのでほっとした。 巷でもてはやされている古いテナントビル(ビルヂングといいたい)が舞台。嫌な上司や同僚、変なこと、大変なことに巻き込まれたり、日常の些細なところにドラマあり。 途中で長さを感じたけれど、最後まで読んで爽快感があった。

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