母性 の商品レビュー
きっと、湊かなえさんの作品は、私には向いてないんじゃないかと 思う。 …っと言うか、前作を読んだときもそんな風に思った気がする。 読み始めてしまったので、とりあえず、最後まで読んでみたけど、 なかなかストーリーに入り込めなかった。
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もう湊さんらしいという以外にないような小説。帯に「これを書けたら作家をやめてもいい」と豪語されているだけのことはあって、分量も構成もそれ相応の力作だと思った。 この作品を一言でいうなら、「慈愛に満ちた母親?それって私のことだよね?」という皮肉。しかしてその実態は、母性を持たない&...
もう湊さんらしいという以外にないような小説。帯に「これを書けたら作家をやめてもいい」と豪語されているだけのことはあって、分量も構成もそれ相応の力作だと思った。 この作品を一言でいうなら、「慈愛に満ちた母親?それって私のことだよね?」という皮肉。しかしてその実態は、母性を持たない"娘"のまま育った大きな子供。 冒頭からこの人は母親が死んだらメチャクチャ苦労しそうなタイプだ、と思わせる人物が出てきたかと思うと、予想通りの展開に。(笑)そして絵に描いたような嫁姑のいざこざ、昼ドラ的展開が始まったかと思うと、今度は母親崇拝にまではまりこんでしまうという有り様。かなり好みが別れそうな作品ですが、相変わらず奮い立たせられる不快感に裏打ちされて、面白いことに代わりはない。私ははまりこんでまた一週間経たずに読んでしまいました。 読み終えて最初の感想は、「あれ、これ推理小説じゃなかったのか」でした。最後がなかなかに飛んでるというか、飛ばしてるというか。もう終始娘が可哀想すぎて辛かった。桜の名前は何度も連呼するのに、肝心の、今目の前にいる娘の名前は終盤まで出てこない。この構成はなかなか鳥肌ものでした。お見事。 ちなみにお気に入りは、「ポセイドン」「おぉ、ダイナソー!」。
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母の手記、娘の手記からなる湊かなえさんの小説。 冒頭からイヤ〜なかんじに包まれます。 あぁそうだったこの独特の感じ、やっぱ読むんじゃなかった。 普段であれば読むのをあきらめてしまうところ、母・娘と変わる語り手の話に引っ張られてしまい、楽しくないのについつい最後まで読んでしまいまし...
母の手記、娘の手記からなる湊かなえさんの小説。 冒頭からイヤ〜なかんじに包まれます。 あぁそうだったこの独特の感じ、やっぱ読むんじゃなかった。 普段であれば読むのをあきらめてしまうところ、母・娘と変わる語り手の話に引っ張られてしまい、楽しくないのについつい最後まで読んでしまいました。やはり売れっ子作家さんなのだと感心します。 嫌だなぁ、不快だなぁと感じる事柄が次々あふれ出してきます(トホホ) 心から望んだわけではない結婚に始まり、夫の実家での嫁いびり、義父母の言い争い、ずぼらな小姑、我関せずの夫。あー醜悪。 何より主人公である母親がなんだかもぅ…受け入れがたい人です。 幼少時から自分の母親に褒めてもらえることを価値観にして育ってきた人で、自立できていないのかと思えます。 自分の考えを持ってしっかりして!と言いたくなる私。 またさらにこの人、我が子のそのままを受け入れてあげないのが、とても残念です。 自分が望んでいる部分しか見ようとしないので娘が哀れに感じます。 また理想に反することや、思い通りにいかないことは、自分勝手な解釈をするので、相手の気持ちに思いが至らない。すれ違いが悲しくてやるせない。娘に関しては同情の気持ちがわきました。 母親が、娘にきれいごとを求めているところがまた愚かしい。 母性がテーマのこの小説。作中、「子どもを産んだ女が全員、母親になれるわけではありません。母性なんて、女なら誰にでも備わっているものじゃないし、備わってなくても、子どもは産めるんです。子どもが生まれてからしばらくして、母性が芽生える人もいるはずです。逆に、母性を持ち合わせているにもかかわらず。誰かの娘でいたい、庇護される立場でありたい、と強く願うことにより、無意識のうちに内なる母性を排除してしまう女性もいるんです」 という台詞が出てくる。 この小説において、私は、母性という以前に人としてのあり方どうなんでしょう? という身もふたもないことを感じてしまったので、テーマである母性について全体にあまりピンとこなかったです。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ママに愛されたかったムスメの気持ちが切ない。 ママもムスメと仲良くしたかったのにすれちがう。 ママが母を愛しすぎて、母の命と引き換えに助かったムスメをうまくゆるせなかったのが原因かな。 とりあえず暗いです。
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いつもの「なんとなく厭な雰囲気と展開が坂道を転げ落ちるように・・・で、なんかよくわからないけどめでたしめでたし」という湊かなえ節。今回は「厭」っぽさが少し薄めにも感じましたが。 姑からの仕打ちという黒さもさることながら「自分も母親に依存しきる」ってあたりがなんとも気持ち悪く感じま...
いつもの「なんとなく厭な雰囲気と展開が坂道を転げ落ちるように・・・で、なんかよくわからないけどめでたしめでたし」という湊かなえ節。今回は「厭」っぽさが少し薄めにも感じましたが。 姑からの仕打ちという黒さもさることながら「自分も母親に依存しきる」ってあたりがなんとも気持ち悪く感じましたねえ。薄気味悪さというか。怖さというか。
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二度読んだ。 母性と自己愛を終始履き違えている女を、気持ち悪いと感じた。 これが率直な感想だ。 母性というのは、元々備わっているものなのか。それとも、母になることによって培われるものなのか。 母になれば、自動的に子どものことを愛せるものなのだろうか。考えてみたが、よく分からなか...
二度読んだ。 母性と自己愛を終始履き違えている女を、気持ち悪いと感じた。 これが率直な感想だ。 母性というのは、元々備わっているものなのか。それとも、母になることによって培われるものなのか。 母になれば、自動的に子どものことを愛せるものなのだろうか。考えてみたが、よく分からなかった。 母になることに向いている人間もいれば、向いていない人間もいるのだと思う。改めて痛感させられた。 読後感が悪いどころか、読みごこちがとても悪かった。
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母性と思われていたものが、じつはただの自己愛で…。母性愛も自己愛も、誰もが内蔵しているはず。そのバランスが激しく狂っていると、こんなことになっちゃうんだろうな。 義父母の底意地の悪さは大げさ過ぎるけれど、すべてを見通した上で、醒めた目で傍観していた夫がいちばんたちが悪いでしょう。
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ご本人の力作らしい。。。が、母娘の問題は、正直自分には理解に苦しむ部分あり。 「女性には2種類しかない、母親か娘か」これは結構深かった。
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母性とは、母に求めたものを子に捧げること。 こんな感じかな。三代にわたる物語。湊作品らしく、数人の視点で展開するかなり悲惨なストーリー。しかし、最後の数ページで一気に花が咲く。アスファルトの割れ目に咲く小さな花のイメージかな。天使のような祖母と比べて義母一家や夫の悪さが目に...
母性とは、母に求めたものを子に捧げること。 こんな感じかな。三代にわたる物語。湊作品らしく、数人の視点で展開するかなり悲惨なストーリー。しかし、最後の数ページで一気に花が咲く。アスファルトの割れ目に咲く小さな花のイメージかな。天使のような祖母と比べて義母一家や夫の悪さが目につくけれど、久しぶりに後味がよい作品で満足だ。文章のテクニックに隠れてしまうけれど、同じテーマの作品が読みたいな。
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なんか気持ち悪かった。特に母親の方。生理的に受け付けない感じ。 ほんの少しだけ読み手を驚かそうっていう気持ちが見えたから星ふたつ。
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