母性 の商品レビュー
母ではないけれど娘である以上、客観的にはどうしても読めなかった。娘に自分のコピーになれと刷り込む母と、それに応えようとしながらもどうしてもうまくいかない娘、そして父親の不在(私には小道具的な存在に思えた)。思い当たることが多すぎて、自分の過去と、これからおそらく母親になるであろう...
母ではないけれど娘である以上、客観的にはどうしても読めなかった。娘に自分のコピーになれと刷り込む母と、それに応えようとしながらもどうしてもうまくいかない娘、そして父親の不在(私には小道具的な存在に思えた)。思い当たることが多すぎて、自分の過去と、これからおそらく母親になるであろう未来を考えると、娘を持つことが怖いという気持ちが半分。正直、娘の立場からしか読めなかった。親になれば違うのかも。男性の感想を聞いてみたい。
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「これが書けたら、作家をやめてもいい。そう思いながら書いた小説です。」筆者入魂の、書き下ろし長編 ・・・との帯。 女は2種類に分かれる、母と娘。 ・・・そう本文中に書かれていましたが、そうなんやろなーと思います。 父と息子。も同じようなものなんだろうけど、男は子供を産めな...
「これが書けたら、作家をやめてもいい。そう思いながら書いた小説です。」筆者入魂の、書き下ろし長編 ・・・との帯。 女は2種類に分かれる、母と娘。 ・・・そう本文中に書かれていましたが、そうなんやろなーと思います。 父と息子。も同じようなものなんだろうけど、男は子供を産めない・・・ だからちょっと違う気がします。 血の繋がっている家族、血が繋がっていないけど家族。 男と女が「愛」を理由につながった結果つくりだす家族が、いかに強く結ばれるか?は、それぞれの思いと努力、そして積み重ねる時間なんだろなーと現実と付き合わせて感じる作品でした。 湊さんの作品に感じる特徴的な「怖さ」をこの作品では感じませんでしたが、いい作品だと思いました。
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「一般的に「良い」行いであることに対する「なぜ」と言う疑問は聞き手が既にその疑問に対する答えを予測出来ていて、つまり、それは、答えを知っていてなお、相手の口から直接聞く事で“確認”をしたくて口にする」と言う冒頭の一文にハッとして、一気に読み進めてしまった。複雑な気分にはなったし、...
「一般的に「良い」行いであることに対する「なぜ」と言う疑問は聞き手が既にその疑問に対する答えを予測出来ていて、つまり、それは、答えを知っていてなお、相手の口から直接聞く事で“確認”をしたくて口にする」と言う冒頭の一文にハッとして、一気に読み進めてしまった。複雑な気分にはなったし、決して「晴れ晴れ」したりするような作品ではもちろんないのだけれど、それでも、過去の湊作品のような後味の悪さはない。スッキリもしないんだけど、もやもやはしない。物足りなさはあるけど、でも、腑に落ちる感じで良かったと思う。
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