わかりあえないことから の商品レビュー
コミュニケーションについて、私たちが思っていること。そしてそれに対する問題、疑問について。なぜ分かり合えないのかの原因を、演劇という世界を通して書かれています。内容は読みやすく簡単な言葉で書かれていますが、具体的な事例も出されて、演ずるということを教えるということを通して見出され...
コミュニケーションについて、私たちが思っていること。そしてそれに対する問題、疑問について。なぜ分かり合えないのかの原因を、演劇という世界を通して書かれています。内容は読みやすく簡単な言葉で書かれていますが、具体的な事例も出されて、演ずるということを教えるということを通して見出された貴重な視点を与えていただきました。 まず、日本人のコミュニケーションの特徴、そこから出てくる「わかりあえないこと」。それは優劣ではなく、しかし少数派であり、そのため多数派の世界のことを学ぶ必要性があるということ。私は日常生活でぶつかった小さな壁の大部分が、この考えで解決できるように感じました。
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読み進め中。 仕事をしながらうーん。と思っていたことをスッキリまとめてくれてる。やはり自分が考えてることは既に誰かが考えていることなんだな。
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本当のコミュニケーションって何だって言うことを書いてある。習慣が違う中でいくら英語勉強したって、外国人になれないだろっていうこととか、リーダーシップってつまりなに?とかかいてある。でもあんまり楽しくなかったね。難しい文だった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
東日本大震災以後、リーダーの資格ということが多く問われてきた。大学でもリーダーシップ教育が、声高に叫ばれている。 通常、そういった場面で言われるリーダーシップとは、人を説得できる、人びとを力強く引っ張っていく能力を指す。しかし、私は、これからの時代に必要なもう一つのリーダーシップは、こういった弱者のコンテクストを理解する能力だろうと考えている。 社会的弱者は、何らかの理由で、理路整然と気持ちを伝えることができないケースが多い。いや、理路整然と伝えられる立場にあるなら、その人は、たいていの場合、もはや社会的弱者ではない。 社会的弱者と言語的弱者は、ほぼ等しい。私は、自分が担当する学生たちには、論理的に喋る能力を身につけるよりも、論理的に喋れない立場の人びとの気持ちをくみ取れる人間になってもらいたいと願っている。(p.182-3) シンパシーからエンパシーへ。同情から共感へ。これはいま、他の分野でも切実な問題となっている。 医療や福祉や教育の現場で、多くの有為の若者たちが、「患者さんの気持ちがわからない」「障害を持った人たちの気持ちが理解できない」と絶望感にうちひしがれて、この世界を去っていく。真面目な子ほど、そのような傾向が強い。 患者さんや障害者の気持ちに同一化することは難しい。同情なぞは、もってのほかだ。しかし、患者の痛みを、障害者の苦しみや寂しさを、何らかの形で共有することはできるはずだ。私たち一人ひとりの中にも、それに近い痛みや苦しみがきっとあるはずだから。(p.198)
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コミュニケーション能力=リア充みたいなイメージとか、コミュニケーション能力が高くないとまともな社会人になれないみたいに追い込まれているような気がしていたけれど、この本を読んで救われたような気がする。 そうだよね、ぺらぺらと口が上手いのがコミュニケーション能力ってわけじゃないんだ...
コミュニケーション能力=リア充みたいなイメージとか、コミュニケーション能力が高くないとまともな社会人になれないみたいに追い込まれているような気がしていたけれど、この本を読んで救われたような気がする。 そうだよね、ぺらぺらと口が上手いのがコミュニケーション能力ってわけじゃないんだよね。 だからといって自分の殻に閉じこもっていてはいけないし、価値観が違う人たちと触れ合って、自分を曲げなくてもうまくやっていけるようにしなくちゃいけないんだろうな。 自分と似たような人たちとなら仲良くなれる、お話しできるっていうのは多分コミュニケーション能力とは違うんだろうな。 友達を作ろうと無理をするんじゃなくて、知り合いを作ろう、いろんな人たちと話してみようくらいの気持ちでいいんだよなあと。 本の内容から、話はだいぶそれてるけど。
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「コミュニケーションは難しい」と感じている人は多いだろう。しかし、「わかりあえないことから出発する」立場で、コミュニケーションについて丁寧に考えを深めていく人は少ない。 本書は、「わかりあうこと」を重視する風潮へのアンチテーゼから出発し、「では、実際のところ、どんな態度でコミュ...
「コミュニケーションは難しい」と感じている人は多いだろう。しかし、「わかりあえないことから出発する」立場で、コミュニケーションについて丁寧に考えを深めていく人は少ない。 本書は、「わかりあうこと」を重視する風潮へのアンチテーゼから出発し、「では、実際のところ、どんな態度でコミュニケーションと向き合えばよいか」について明確に示す。 コミュニケーションに関わる議論はともすれば抽象的になる。けれども本書では、演劇の授業での著者の経験も踏まえ、コミュニケーションに関わる微妙なニュアンスや状況が的確に述べられている。そのため、記述は具体的であり、かつ、深い洞察に満ちている。 コミュニケーションに関する人の悩みは深い。なぜなら、人はそれぞれ違うからだ。「みんなちがって、それでいい」ではなく、「みんなちがって、たいへんなのだ」。著者の視線は、それを受け入れ、分かち合っている。本書は、そんな優しさに満ちている。
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多様な価値観が混在する社会において、他者とわかりあう能力ではなく、わかりあえないままでうまくやっていく能力とその大変さと向き合う重要さが書かれている。自分は説明的なコミュニケーションが下品だと感じていたが、その虚しさに耐える力が必要と気付かされた。
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コミュニケーション能力の捉え方が変わった。 コミュニケーション能力というと、所謂「人見知りせず、よく喋る」といわれるような人をイメージしていた。しかし社会で求められるコミュニケーション能力とは、関係性を問わず他者との対話により一つの結論を導くことが出来る人。 著者も言っていた...
コミュニケーション能力の捉え方が変わった。 コミュニケーション能力というと、所謂「人見知りせず、よく喋る」といわれるような人をイメージしていた。しかし社会で求められるコミュニケーション能力とは、関係性を問わず他者との対話により一つの結論を導くことが出来る人。 著者も言っていたが、確かに察し合う文化の日本人はこの対話が苦手そうである。しかしいよいよ日本もグローバル化で悠長にそんなことも言ってられなくなってきた。そんな時に大切なのは、まず他者との対話を楽しみ、苦手意識をなくすこと。そのためにも場面に応じた自分を演じることは大切なのだ。「ありのまま」が流行っているが本当にそれを実行することは、今の社会の中では難しいのではないかなあ、と思う
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昨年参加した平田オリザ氏の講演会の復習のため、講演テーマと同タイトルの本書を読んでみた。講演の内容をほぼ網羅しており、誰にでもわかりやすい論理の展開や言葉の選び方も変わらないが、日本社会への危機感も滲み出る。もちろん悲観するばかりではないけれど。
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近頃の若者のコミュニケーション能力がないのは、なぜか?などを様々な角度から検証した、面白くてためになる人間賛歌。
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