ヤッさん(Ⅰ) の商品レビュー
築地界隈を拠点に店を行き来する食通ホームレス。漫画などでありふれた設定ではあるがテンポ良く読み進められる。締めのアッサリ感には拍子抜けするも全編の飄々とした流れには合ってるかな。
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ダンボール暮らしのタカオはある日「ヤッさん」というベテランホームレスに出会う。彼は銀座の高名な?ホームレス。 築地市場と一流料理店の仲介で活きるグルメだ。 彼に弟子入りしたタカオはあらゆる事件を解決しながら食のなんたるかを学んでいく。 短編なので読みやすい
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
一言で言うと、グルメ+ホームレス+人情話ですね。 食の世界を題材にとった、ありきたりかもしれない話がいくつか。例えばチェーン店経営者による老舗の乗っ取り。魚の密漁。市場の移転話。有名店の足を引っ張るマスコミの記事などなど。 それぞれの事件を通し、「ヤッさん」に拾われた新米ホームレスのタカが成長し、社会人として一歩を踏み出せるようになるという、全体を通じてもこれまたありきたりな話だけども、1つだけ普通の小説と違う点を上げるなら、2009年に出版された現代モノの小説にもかかわらず、携帯電話がほとんど登場しない。 ホームレスという生き方を選んだ人たちが主人公なのだから当然といえば当然なのだが、人と話をする時は必ず直に会って互いの顔色、眼の色を伺いながらになるし、待ち合わせの約束もしないから「この人ならここに現れそうだ」というポイントに張り込みをすることも珍しくない。 だから人と人の関係性の重さが、否応なく前面に出てきて、それが心地良い読後感をもたらす。
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読んだ人の80%が電車を乗り過ごしてしまう面白さ!!…という帯文句はやりすぎかもしれないが、なかなか確かに面白い。読みやすい!原宏一の他の作品も読んでみたい。
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銀座のホームレスになって、 「ホームレスたるものホームレスの矜持を持て」と言われ、共感し師弟関係に。やっさんは界隈の人脈を駆使し、アツイ事件の解決に走り、その姿を見て成長していく、俺。 そんなやっさんは、実は凄い人だったんだ・・・。 読みやすい一冊。
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文章が簡潔で読み易かった印象。ほほ〜・・こんな浮浪者が存在してもおかしくないなと妙に説得力のある設定。なんていうか、伝法口調が小気味良くって読んでて気持ち良いんだろうなあと思う。フリーダムな生き方を満喫してしまったタカオ。さて、蕎麦屋として成功するんだろうか。
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またも短編でしたが、とても読みやすく、サクサク進みました。 短編だと必ず好きな話と嫌いな話に分かれるのですが、これはどれも好きでした。 現実にはあり得ないと思うけど面白かったです。
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だいたい走るか食べるかが登場人物の活動の大半だから、なんとなくリズミカルで爽快な気分につられる。読みだしたら止まらないってのはそういうことかも。 最後のオチで突然安っぽくなったのには拍子抜け。一生懸命丹念に積み木を高くまで積んで一気に崩壊させる、そんなことがしたかったのかしら作者...
だいたい走るか食べるかが登場人物の活動の大半だから、なんとなくリズミカルで爽快な気分につられる。読みだしたら止まらないってのはそういうことかも。 最後のオチで突然安っぽくなったのには拍子抜け。一生懸命丹念に積み木を高くまで積んで一気に崩壊させる、そんなことがしたかったのかしら作者は。
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ホームレスだけれども、矜持があり、そして天才な舌と、料理の才能がある男ヤッさん。築地を基地に料理人と築地の間をコーディネイトしている。 彼が拾ったホームレス男タカを鍛え、従えて、数々の難事件を解決。ヤッさんの男気あふれる言動、そして機知に富んだ活躍。 最初のうちは波に乗って読んで...
ホームレスだけれども、矜持があり、そして天才な舌と、料理の才能がある男ヤッさん。築地を基地に料理人と築地の間をコーディネイトしている。 彼が拾ったホームレス男タカを鍛え、従えて、数々の難事件を解決。ヤッさんの男気あふれる言動、そして機知に富んだ活躍。 最初のうちは波に乗って読んでいけるのですが・・・。 だからこそ、途中のマンネリ具合や最後のタカの行く末に納得がいかないのです。 あれほどいろんな経験して、そこ?そこなわけ? 作者は途中で飽きてしまったのではないかな~?と 余計な詮索までしてしまいます。
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ある青年がホームレスになってしまうが、そこで出会ったヤッさんと呼ばれるホームレスに出会う。 実はこの人物はホームレスでありながらその存在は料理人と食材を取り扱う間に走り回るフードコーディネーター的な存在であった。 生き方、哲学を食材や料理店を絡めたエピソードで書き上げられ人情...
ある青年がホームレスになってしまうが、そこで出会ったヤッさんと呼ばれるホームレスに出会う。 実はこの人物はホームレスでありながらその存在は料理人と食材を取り扱う間に走り回るフードコーディネーター的な存在であった。 生き方、哲学を食材や料理店を絡めたエピソードで書き上げられ人情味溢れる物語として仕上がっている。 数話のエピソードで作りあげらてりる本作、その作品ごとに出演する人物にありふれた身の上話なんかするなと一喝してしまうヤッさんの一言が凄く印象的だった。 話が進むごとに明かされるヤッさんの身の上、なぜこれほどまでに人に慕われている人物なのか?読み終わって話は完結してしまってはいるが続編があるならば次も読んでみたいと思える作品だった。
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