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ヤッさん(Ⅰ) の商品レビュー

3.5

92件のお客様レビュー

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2014/01/07

第一話「ホームレスのグルメ帳」をもじって「ホームレスのグルメ事件簿」とでもすれば、そのままテレビドラマに仕立てられそうな小説。 訳あって銀座を根城にホームレスとして生きる「ヤッさん」。一方、サラリーマンからドロップアウトし成り行きまかせでホームレスになってしまった「タカ」。そん...

第一話「ホームレスのグルメ帳」をもじって「ホームレスのグルメ事件簿」とでもすれば、そのままテレビドラマに仕立てられそうな小説。 訳あって銀座を根城にホームレスとして生きる「ヤッさん」。一方、サラリーマンからドロップアウトし成り行きまかせでホームレスになってしまった「タカ」。そんな「タカ」に、なにより「ありきたりな身の上話」を毛嫌いする「ヤッさん」は、その生き様を通じて〝背中で〟生きることの意味を教え込んでゆくのだった。 〝正論〟を吐く主人公を「ホームレス」にでも設定しないとそのことばが読者の心に届きにくいという現実が、ある意味、現代という時代のややこしさを象徴している。

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2014/01/05

ありきたりな身の上話の末にホームレスになったタカは、ある日同じホームレスながら築地や有名料亭などに自由に出入りして賄いを食べ、そこで顔のように振る舞う銀座のヤスことヤッさんに出会う。実はヤッさんは情報屋として仲買人や料理人を繋ぐ役割を果たすことから重宝されているのだが、ホームレス...

ありきたりな身の上話の末にホームレスになったタカは、ある日同じホームレスながら築地や有名料亭などに自由に出入りして賄いを食べ、そこで顔のように振る舞う銀座のヤスことヤッさんに出会う。実はヤッさんは情報屋として仲買人や料理人を繋ぐ役割を果たすことから重宝されているのだが、ホームレスとしての矜恃を持って暮らしている。昨今の有名ホテルの偽装問題も本作に登場する料理人のように真摯な態度を持ち、ヤッさんが居たならば決して起こらなかっただろうと思う。タカの成長やヤッさんの啖呵が心地よく、読むと元気になれる一冊です。

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2013/12/29

あまりのくだらなさに100ページで挫折。たまにこういう三文小説を間違って買ってしまうが、今回も大いなる時間のムダだった。反省…

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2013/12/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

原宏一さんの本は初めて読みました。面白かったので他の本も読んでみたいです。 ダンボール暮らしのタカオが、ある日「ヤッさん」というベテランホームレスに声をかけられる やっさんはホームレスながら生活がきちんとしていて、 料理の腕と素材のことが情報と舌とがあって 周囲の人々に信頼され大切にされている。 やっさんと弟子になったタカとが遭遇するいくつかの事件の短編集 築地、銀座、大久保辺りが頻繁にでてきます。

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2013/11/27

すいすい読めた。物語に心地良いスピード感がある。築地界隈の土地が、分かれば分かるほど面白い作品だろう。 人に迷惑をかけない、独自の考えで周囲に役に立とうと考えるホームレスの物語ですが、極論その考え方は昔のヤクザの考え方に似ている。 実際にはヤッさんの様な生き方は、財力が無ければで...

すいすい読めた。物語に心地良いスピード感がある。築地界隈の土地が、分かれば分かるほど面白い作品だろう。 人に迷惑をかけない、独自の考えで周囲に役に立とうと考えるホームレスの物語ですが、極論その考え方は昔のヤクザの考え方に似ている。 実際にはヤッさんの様な生き方は、財力が無ければできない。そう思うと、人生に傷付いたことを言い訳にして、世間体の良い形のホームレスをしている道楽人の物語だ。読み終わった後で、興醒めしたのは事実。

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2013/10/24

話事態は面白いし、ハッピーエンドで最後は心暖まる作品。★4つでも良いかなぁと思うものの、設定がやや現実離れしていて、自分の好みでこの評価。なので、好きな方は凄くすきになれる作品だと思います。ただ、外食産業の裏側、実態というのは真に迫るものがあり、なるほどなぁと思わされました。

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2013/10/22

ホームレスながら生活がきちんとしていて、 周囲の人々に信頼され大切にされている人物が主人公という物語です。 [あらすじ] 段ボール暮らしのタカオは見知らぬ中年男にたたき起こされた。「おめえ、それじゃ銀座でホームレスなんざ張っていけねえぞ」。訳もわからずついていくと、その男、通称...

ホームレスながら生活がきちんとしていて、 周囲の人々に信頼され大切にされている人物が主人公という物語です。 [あらすじ] 段ボール暮らしのタカオは見知らぬ中年男にたたき起こされた。「おめえ、それじゃ銀座でホームレスなんざ張っていけねえぞ」。訳もわからずついていくと、その男、通称ヤッさんは驚くべき食の達人で、築地市場と高級料理店を行き来して生活する、誇り高きホームレスだった。「旨い食いもんと人間が好きなこと」だけ確かな謎だらけのヤッさんは、時には料理人を叱り飛ばし、食の世界に起こるアツイ事件の解決に奔走する。やがて弟子入りしたタカオにも、成長を問われる試練が訪れるが…。愉快度バツグン、飛び出す啖呵も痛快なユーモア人情小説の決定版。(「BOOKSデータベース」より) 原宏一さんの著書は今年の夏に「佳代のキッチン」を読みましたが、 料理や食材の事を丹念に描写しながら物語に取り込んで行くというあたりは、 今回の「ヤッさん」でも共通した部分で読んでいて好感を覚えました。 なによりも今回の主人公が凄い。 ホームレスながら「段ボールの家に住んだらダメになる」、 「周囲の人に迷惑をかけないし、卑屈にもならない」という変わった信条のヤッさん。 築地市場に毎日出入りして魚介類に関する豊かな知識で、 市場とお店との橋渡しをするという特異な能力を発揮します。 ホームレスが主人公という設定に当初は若干引いたものの、 数ページ読むだけでヤッさんの人柄がズシンと心の中に落ちてきて、 そのキッパリとした生き方にグイグイ引き込まれて行きます。 物語は6つのエピソードから構成されていて、 読み進めて行くうちにヤッさんに弟子入りした若者のタカオが成長し、 途中で仲間入りしたミサキとともに周囲に愛されながら前向きに成長して行きます。 「ホームレスなのに前向き?」という感想を持つかもしれませんが、 ありえない設定ながらも登場人物に感情移入をしてしまうというのは、 やはり著者の文章力いうか力なんだなと感じました。 主人公のヤッさんはただのホームレスではないということが徐々に明らかになり、 タカオとミサキを取り巻く環境も徐々に変化して行きます。 そして迎えるエンディングは、、、とにかく清々しい結末を迎えるんです。 食材の目利きの方法や料理のことなど、 グルメ的な視点で見ても楽しい一冊ですし、 何よりも読み終わった時の爽快感が最高に良い一冊でした。

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2013/09/16

築地界隈を拠点に店を行き来する食通ホームレス。漫画などでありふれた設定ではあるがテンポ良く読み進められる。締めのアッサリ感には拍子抜けするも全編の飄々とした流れには合ってるかな。

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2013/08/31

ダンボール暮らしのタカオはある日「ヤッさん」というベテランホームレスに出会う。彼は銀座の高名な?ホームレス。 築地市場と一流料理店の仲介で活きるグルメだ。 彼に弟子入りしたタカオはあらゆる事件を解決しながら食のなんたるかを学んでいく。 短編なので読みやすい

Posted byブクログ

2013/08/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

一言で言うと、グルメ+ホームレス+人情話ですね。 食の世界を題材にとった、ありきたりかもしれない話がいくつか。例えばチェーン店経営者による老舗の乗っ取り。魚の密漁。市場の移転話。有名店の足を引っ張るマスコミの記事などなど。 それぞれの事件を通し、「ヤッさん」に拾われた新米ホームレスのタカが成長し、社会人として一歩を踏み出せるようになるという、全体を通じてもこれまたありきたりな話だけども、1つだけ普通の小説と違う点を上げるなら、2009年に出版された現代モノの小説にもかかわらず、携帯電話がほとんど登場しない。 ホームレスという生き方を選んだ人たちが主人公なのだから当然といえば当然なのだが、人と話をする時は必ず直に会って互いの顔色、眼の色を伺いながらになるし、待ち合わせの約束もしないから「この人ならここに現れそうだ」というポイントに張り込みをすることも珍しくない。 だから人と人の関係性の重さが、否応なく前面に出てきて、それが心地良い読後感をもたらす。

Posted byブクログ