非道に生きる の商品レビュー
園作品は2作しか観たことがありません。 脱いで殺して暴言を吐いて、センセーショナルな見せ方での印象が強く、映画でしか味わえないインパクトという意味で素晴らしかったですが、好き好んで観ようとは思わない、というのが正直なところです。 ただしそれは園さん自身について知らない状態でのお話...
園作品は2作しか観たことがありません。 脱いで殺して暴言を吐いて、センセーショナルな見せ方での印象が強く、映画でしか味わえないインパクトという意味で素晴らしかったですが、好き好んで観ようとは思わない、というのが正直なところです。 ただしそれは園さん自身について知らない状態でのお話。 本作を読むと、あぁそういう意図があったのか、と別の角度で思い出すことが出来ました。 とは言っても生い立ちがアウトサイダーであり、やっぱり心から共感できない点多々あり笑。 面白かったのは中盤の家族という存在について。 「すべての家族がなぜ壁にぶち当たるかというと、「自分たちの花」ばかりを強調し、それを目標に掲げ、あるいはそれを「花瓶」に入れて必死で維持・延命処置をはかるからです。自分たちが特別なものであってもいいが、特殊なものであってはならない。家庭内に特殊性が潜んでいたとしても、目をつぶっていかなくてはならないと思い込んでいることが、すべての問題だと思います。自らが特殊であることを認め、受け入れて、お互いを許すということが革命的に行われたならば、家族は本当に内側から変われると思います。」
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映画監督・園子温の生き方は、一般的に見たら非道かもしれない。だが、ただの非道なのだろうか?一つの答えを出して、すぐに安堵する人間にはなりたくない、読後、強く思えた。 ここに書かれているのは、彼が注目される監督になるまでの映画のように破天荒な半生が中心だ。 小説と映画が好きで、SEXを連呼する小学生。高校生になると、詩を投稿しながら、家出と旅を繰返す。 飛び出した真夜中の東京駅で、女性にホテルに誘われたと思い、ついていくと、植木バサミで「切り合って死にましょう」と言われ、茫然自失。気付けば、彼女の旦那になりすまし、家族と同居する羽目に。なんとか解放してもらうが、それでも家出を繰返し、ご飯が食べたいがために宗教団体と左翼に入ってみたりする。 その後21歳で、大学に入るが、授業料を滞納し、退学。卒業するはずの残り二年間のアリバイ工作のため、演劇にバンド、小説、漫画とありとあらゆることをやってみた結果、辿りついたのが映画だったという。 それからは、AVを作ったり、文化庁新進芸術家の研修員としてアメリカに留学し、ホームレス生活をしたりと、ありとあらゆる嘘みたいなことをやってのけてしまう。 一見、突拍子がないよう見えるエピソードだが、それらは一貫して、彼が映画監督になるために必要不可欠なものばかりだったのだろう。 そして、一歩間違えば破滅的になってしまう危うさの中に、すがすがしさがある。彼は性欲を始めとした欲望に正直だ。(エピソードごとに、その時に童貞だったかどうか記載がある。)やりたいことをやる。シンプルなことなのに、私たちはそれをしない。「なぜなら、やれば損だから。みっともないから」――常識という名でストレスをため込み、自分を高めるには下を見るしかない私たちには、跳躍をやってのける彼がまぶしい。自分は安全圏にいて、馬鹿なことをやらかす人を見てうさを晴らすようないやらしさではないのだ。彼の純化された欲望は「作品」として花開いているのだから。今に胡坐をかくな。そう叱咤をうけ、彼の非道というパワーを浴びる、この爽快感。 だが、それらを読者に押し付けるわけでもなく、淡々と語る彼の口調には、一切の驕り、卑屈さは感じられず、媚を売ることも絶対にない。これが、園子温という人間なのだ。魅力だという言葉で片付けられない、彼という絶対的な存在感を肯定する要因なのだと思う。 「僕は映画が「答え」を出してはダメだと思っています。映画は巨大な質問状です。」というのは正に彼の生き様だろう。 彼の映画を観た人にも観ていない人にも刺激的な一冊。
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園子音がどういう発想で映画を撮っているのかやっとわかる本。作品によってカラーが違いすぎる故、批評家に嫌われがちだが、本人の文書を読めばなる程と納得する点は多々ある。また、映画の流れを語る上で古今東西の作品とごく最近の作品が交互に参照されたりするので、今読むのが一番面白い文書だと思...
園子音がどういう発想で映画を撮っているのかやっとわかる本。作品によってカラーが違いすぎる故、批評家に嫌われがちだが、本人の文書を読めばなる程と納得する点は多々ある。また、映画の流れを語る上で古今東西の作品とごく最近の作品が交互に参照されたりするので、今読むのが一番面白い文書だと思う。ハリウッドに脚本を売りに行き、結果自分の撮りたい映画を掘り下げて行く様などは必読。極端!面白すぎ!!
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刹那に、型に収まらないようにいう生き方。◆ほのぼのとしたもののなかに、人間の欲望の本質があるわけないという主張。◆そうかもしれないが、そんなものを意識してみなければいけないのか?◆知らなくてもいいのではとも思う。◆◆駆け出しのころの、営業的センスは共感する。◆あそこまでやらなけれ...
刹那に、型に収まらないようにいう生き方。◆ほのぼのとしたもののなかに、人間の欲望の本質があるわけないという主張。◆そうかもしれないが、そんなものを意識してみなければいけないのか?◆知らなくてもいいのではとも思う。◆◆駆け出しのころの、営業的センスは共感する。◆あそこまでやらなければだめだよな。◆昭和を感じるセンスだ。
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園子温という人生はフィクション作品よりも面白い、圧倒的に。 この人の撮る映画は心地よく無く、不快でたまらないのだけれども、何故か「また、新作でたのか」といって映画館に足を運ばせる。予定調和で終わらせずに、観客が予想していたものを良くも悪くも超えてくるのがこの人の映画。 そんな...
園子温という人生はフィクション作品よりも面白い、圧倒的に。 この人の撮る映画は心地よく無く、不快でたまらないのだけれども、何故か「また、新作でたのか」といって映画館に足を運ばせる。予定調和で終わらせずに、観客が予想していたものを良くも悪くも超えてくるのがこの人の映画。 そんな映画を作る人間の考え方、生き方を真正面からぶつけられるから、読み手も真正面から受け止めなければいけないのです。
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カッ飛んだ下積み時代の話はおもしろい。もっとたくさん読みたかったくらい。映画の中の夕陽より現実の夕陽の方が大切だ、という話が良かった。
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自分で「オレはへそ曲がり」と言ってしまう可愛らしさ。反逆と言いながら、自分から仕掛けて敵を求める少年ぽさ。 園子温監督はもっと根拠の無い怯えを抱えたミステリアスなイメージを勝手にもっていたのですが、随分と印象が変わりました。 情熱的で行動力があってウロウロしてる。 どうしていいか...
自分で「オレはへそ曲がり」と言ってしまう可愛らしさ。反逆と言いながら、自分から仕掛けて敵を求める少年ぽさ。 園子温監督はもっと根拠の無い怯えを抱えたミステリアスなイメージを勝手にもっていたのですが、随分と印象が変わりました。 情熱的で行動力があってウロウロしてる。 どうしていいか分からず、発見されたくて全裸で学校へ登校しちゃったりする自殺を考えてた少年が、大人になって迷いながら映画を作って世界で褒められる。まだまだ続けるぞと宣言する。 そう言う視点で解釈した時、とても素敵な本だなと楽しめました。
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水道橋博士のツイッターで知り、読んでみました。今までの生き方はかなり、無茶苦茶ですが^_^;そのシンプルといっていいパワーはやはり注目に値します。映画、見てみようかな?ただ、、普段の仕事でシビアなことは現実としてけいけんしているので映画は息抜きが良い、という感覚も強くあるので、見...
水道橋博士のツイッターで知り、読んでみました。今までの生き方はかなり、無茶苦茶ですが^_^;そのシンプルといっていいパワーはやはり注目に値します。映画、見てみようかな?ただ、、普段の仕事でシビアなことは現実としてけいけんしているので映画は息抜きが良い、という感覚も強くあるので、見終わっておそらくどっと疲れてしまうであろう、この方の映画、、、悩ましいところです^_^;
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園子温、性的描写激しいのに俺より童貞捨てた時期遅いの意外。 最初おらおら系だったのに、段々丸くなって喋り口調まで変わってきたところから面白くなってくる。 感性が鋭くて、なんでもかんでも噛み付いて古いもの既存のものを踏襲?しようとする様はありきたりでかっこいいかもだけど、最初の...
園子温、性的描写激しいのに俺より童貞捨てた時期遅いの意外。 最初おらおら系だったのに、段々丸くなって喋り口調まで変わってきたところから面白くなってくる。 感性が鋭くて、なんでもかんでも噛み付いて古いもの既存のものを踏襲?しようとする様はありきたりでかっこいいかもだけど、最初の方で日本の伝統芸能バカにしてる部分は、正直もっと勉強しろよと思った。 型があるから型破りなのであって、知りもしないことをどうこう言うのは見ててあまりいい気分にはなれないかなと。 とんがり過ぎててどこまでマジでどっから嘘なのかわからない、そう言いたくなるくらいとんがってる人のとんがってる考え方。
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