私とは何か の商品レビュー
従来の「個人」単位の考えのもとで思い悩み、自分探しをし、本当の自分とは何かを追い求める者が増えている。 その「個人」に対して、著者は「分人」という新たな概念で自分というものを考える。自分の持つ分人すべてが本当の自分であり、重要なのはその文人の占める割合であるのだ。 個人的にこ...
従来の「個人」単位の考えのもとで思い悩み、自分探しをし、本当の自分とは何かを追い求める者が増えている。 その「個人」に対して、著者は「分人」という新たな概念で自分というものを考える。自分の持つ分人すべてが本当の自分であり、重要なのはその文人の占める割合であるのだ。 個人的にこの考え方には納得させられました。あれもこれも偽者の自分だと考えるのではなく、それすべてが本当の自分だと考える。 そしていきいきした自分の分人を見つけたとき、それが自分の個性であり、するべき「為事(しごと)」かもしれないと思いました。
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久しぶりに買って読んだ本。 本書は平野啓一郎の著者「ドーン」に出てくる「分人」という考え方についてまとめたもの。 「分人」とは「人が対人関係ごとに見せる複数の顔」のことで、「個人」をより細分化させたものだと作者は説明しています。「人間は決して唯一無二の『(分割不可能な)個人in...
久しぶりに買って読んだ本。 本書は平野啓一郎の著者「ドーン」に出てくる「分人」という考え方についてまとめたもの。 「分人」とは「人が対人関係ごとに見せる複数の顔」のことで、「個人」をより細分化させたものだと作者は説明しています。「人間は決して唯一無二の『(分割不可能な)個人individual』ではない。複数の『(分割払い可能な)分人dividual』である」。 「ドーン」を読んだ時に分人主義の考え方が自分にはとてもしっくりきたので、今回の本にも納得させられることばかりでした。 平野啓一郎は以前に講演を聞いたことがあり、そこで「小説家には書きたいことだけでなく、『書かなければいけないこと』もある」と話していたのがとても印象に残っています。本書でも「この小説ではこういうことを書いた」ということが多く語られていて、この人の小説に対する真摯な姿勢を改めて感じました。しかし平野啓一郎の小説は難解で、まだ「ドーン」しか完読できてないのよね・・・。
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著者と似たような年代だからなのか、話にものすごく共感できた。 「個性を持ちなさい」といわれ教育されて来た世代で、インターネットなどによるコミュニティの普及で「分人化」が急速に進んだ世代。 だからこそ共感できたのかもしれないが、もっといろんな世代のヒトに読んでもらいたい、大切な一冊...
著者と似たような年代だからなのか、話にものすごく共感できた。 「個性を持ちなさい」といわれ教育されて来た世代で、インターネットなどによるコミュニティの普及で「分人化」が急速に進んだ世代。 だからこそ共感できたのかもしれないが、もっといろんな世代のヒトに読んでもらいたい、大切な一冊になった。 自分自身の中でも、「あっちに対する性格」「こっちに対する性格」に違和感を感じたり、苦しみを感じたり、人間関係がうまくいかない人とのやり取りで苦しんだり…。 しかし著者の「分人」という考え方で、すんなりと、「これでいいのかもしれない」と思えるようになりました。 なんか新興宗教とか新手の自己啓発本読んだあとのような感想になってしまいますが、こんなにストンと納得できた本も珍しいです。 著者の本は「決壊」しか読んでいなくて、しかもここの感想はさっぱりしたもの程度だったので読み直してみたいです。感想が変わりそうで楽しみ。「ドーン」「空白を満たしなさい」や作中で出てきた古典を読んでみようと思います。持ち歩きたいくらいいい本。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ずっと違和感を持ちながら読み進めました。 まず、「分人」というのと昨今いわれてる「キャラ化」との違いがわからなかった。 口述筆記をもとに書き直したものということだそうで、それも違和感の一つかな?と思います。 対談にしたほうがよかったかと…。
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先日、Twitterでみつけたつぶやきを元にいろいろ最近思うことをつぶやいたら、いろんな方から興味深いご意見を頂くことができたので、はじめて「Togetter」にまとめてみました。 その後、以前から気になったこの本を読んだのですが、まとめたことへのアンサーを頂いたような気がしまし...
先日、Twitterでみつけたつぶやきを元にいろいろ最近思うことをつぶやいたら、いろんな方から興味深いご意見を頂くことができたので、はじめて「Togetter」にまとめてみました。 その後、以前から気になったこの本を読んだのですが、まとめたことへのアンサーを頂いたような気がしました。 ひとつの自分ですべての関わりの人に対するということの、いい部分と難しい部分。 http://togetter.com/li/378722 自分の中に「分人」があるように、他の人にも「分人」がある。SNSはそれがすっかり見えてしまう。 一貫しない個人であたりまえ、むしろいろんな顔があっていい。 とても共感する内容でした。 追記:ブログアップしました ひとつの自分ですべての関わりの人に対するということ【ブログ編】 http://rucca-lusikka.com/blog/archives/4082
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今、特に直面していない悩みの分野なので、最初うまく入っていけなかったけど、著者自身の小説をからめた話あたりからおもしろくなった。分人という考え方を用いることで、人間関係に関することはずいぶん整理されて落ち着くと思う。他者との相互作用で自分があることとか、しっくりくる感覚があった。...
今、特に直面していない悩みの分野なので、最初うまく入っていけなかったけど、著者自身の小説をからめた話あたりからおもしろくなった。分人という考え方を用いることで、人間関係に関することはずいぶん整理されて落ち着くと思う。他者との相互作用で自分があることとか、しっくりくる感覚があった。難解なイメージが先行して、小説に手が伸びないでいたけど、これから読んでみたい。
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自分の中には、付き合う相手によってそれぞれ別の人格=分人が混ざって存在している、という考え方は、いろいろな自分に関する悩みの解決につながる素晴らしい考え方だと思います。
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購入書店:紀伊國屋書店BookWeb; 読書環境:Kinoppy Android; コンテンツ形式:.book
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個人主義ならぬ分人主義の解説本。著者の経験や著作と照らし合わせて、とても分かりやすく書いてあります。 「ドーン」なんかを読んでいれば、特に読む必要もないかもしれませんが、「恋愛」についての解釈・考察は非常に示唆に富んでいて、個人的には納得のいくものでした。 要するに「相手を通して...
個人主義ならぬ分人主義の解説本。著者の経験や著作と照らし合わせて、とても分かりやすく書いてあります。 「ドーン」なんかを読んでいれば、特に読む必要もないかもしれませんが、「恋愛」についての解釈・考察は非常に示唆に富んでいて、個人的には納得のいくものでした。 要するに「相手を通してみた自分が好き」という気持ちを大切に、ということだと思います。何だか現象学チックではありますが。
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同世代の意見が知りたくて手に取った。自我はひとつじゃなくて良いし、性格や表現も状況に応じて変化するものだ。結局、他者に影響されることなしに、この世に存在することなど無理なのだ。これって理解はできるが、どうしても『自分探し』の呪縛に囚われる。そうかといって他者の評価も物凄く気になる...
同世代の意見が知りたくて手に取った。自我はひとつじゃなくて良いし、性格や表現も状況に応じて変化するものだ。結局、他者に影響されることなしに、この世に存在することなど無理なのだ。これって理解はできるが、どうしても『自分探し』の呪縛に囚われる。そうかといって他者の評価も物凄く気になる。『自分』がちゃんとなくったって進んでいける。勇気が湧いてくるね。
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