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私とは何か 「個人」から「分人」へ 講談社現代新書
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私とは何か 「個人」から「分人」へ 講談社現代新書

平野啓一郎(著者)

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私とは何か 「個人」から「分人」へ 講談社現代新書

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 2012/09/15
JAN 9784062881722

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商品レビュー

4.2

700件のお客様レビュー

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2026/05/27

もっと広まっていいと思える考え方。少し生きやすくなる言葉が多々あった。この人の本をもう少し読んでみようと思う。

Posted by ブクログ

2026/05/16

 「本当の自分」という、実体のない不可侵の塊を探すのをやめさせてくれる本だった。一貫したたった一つの「個人(インディビジュアル)」として生きるのではなく、対する相手や環境ごとに生まれる複数の「分人(ディビジュアル)」のネットワークとして自分を捉える。この視点は、真面目に生きようと...

 「本当の自分」という、実体のない不可侵の塊を探すのをやめさせてくれる本だった。一貫したたった一つの「個人(インディビジュアル)」として生きるのではなく、対する相手や環境ごとに生まれる複数の「分人(ディビジュアル)」のネットワークとして自分を捉える。この視点は、真面目に生きようとするほど息苦しさを感じる現代において、非常に実用的な思考ツールになる。 ●「一貫性」の呪縛からの解放  世間では「裏表のない人」が美徳とされるが、本書は相手によって態度やキャラクターが変わることを「不誠実な嘘」とは呼ばない。親といる自分、職場の自分、趣味の仲間といる自分。そのどれもが「本物の自分」であるという肯定は、素直に腑に落ちる。  私自身、結婚して子供が生まれたことで、家庭内での分人が占める割合が大きくなった。その「足場」が強固になった結果、皮肉なことに外部の人間関係に対して「自分の気持ちに正直に」割り切れるようになった感覚がある。すべての場所で同じ顔(一貫性)を強要されないことで、かえって精神的な安定が得られるというのは、分人論が示す「構成比率(ポートフォリオ)」の妙だと言える。 ●他者を必要とする「分人」への疑念と整理  論理として納得しつつも、実生活に引き写した際に生じた二つの疑問についても、自分なりに整理がついた。 1.承認欲求への依存について  「他者がいて初めて分人が作られる」のなら、他者の評価に支配されないかという懸念があった。しかし、実際には特定の分人に依存せず、複数の心地よい分人に分散投資しておくことで、一つの関係性での否定が全人格の否定にならないという「守り」の側面が強い。家族という大きな分人があるからこそ、他者からの承認を過剰に求めずに済むという現在の状況が、その証左だろう。 2.一人きりのときの自分について  誰とも接していない「自分オンリー」の時間は、無(ゼロ)ではなく、過去の他者の残響や、向き合っている対象(本、映画、食事)との間に生じる分人の時間である。例えばNotebookLMなどのAIと対話する時間は、客観的な「他者」を鏡にしながら、自分自身の内省を深めるための特殊な分人が立ち上がっている状態といえる。一人の時間もまた、純粋な孤立ではなく、世界や自己との「対話」によって構成されている。 ●印象的なエッセンス 1.個人から分人へ: 分けられない「一」ではなく、状況ごとの「多」として生きる。 2.個性の正体: 固有の核があるのではなく、分人の構成比率がその人の個性となる。 3.環境による調整: 嫌な自分がいるなら、その原因となる分人を物理的に減らすという戦略。 ●まとめ  「本当の自分がわからない」「あの人といるときの自分が嫌いだ」と、内面に原因を求めてループしてしまうとき、視点を「関係性」へと外に連れ出してくれる一冊。自分を一つの塊と見なさず、環境ごとに最適化されるネットワークとして眺めることで、変化していく自分を静かに受け入れられるようになる。

Posted by ブクログ

2026/05/14

文学作品を味わうためのマスターキー。 自己認識や対人関係のヒントとしては元より、氏の小説をはじめ文学全般を読む上で鍵となる一冊。汎用的な副読本としても常備したい。 「分人」の視点を通して文学作品にふれると、物語はより広く「読みしろ」を開放し、豊かな問いを読者に投げかけてくるかもし...

文学作品を味わうためのマスターキー。 自己認識や対人関係のヒントとしては元より、氏の小説をはじめ文学全般を読む上で鍵となる一冊。汎用的な副読本としても常備したい。 「分人」の視点を通して文学作品にふれると、物語はより広く「読みしろ」を開放し、豊かな問いを読者に投げかけてくるかもしれない。

Posted by ブクログ

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