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私とは何か 「個人」から「分人」へ 講談社現代新書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2012/09/15 |
JAN | 9784062881722 |
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私とは何か
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商品レビュー
4.2
530件のお客様レビュー
---------------- 125 人は、なかなか自分の全部が好きだとは言えない。しかし、誰それといるときの自分(分人)は好きだとは、意外と言えるのではないだろうか? 逆に別の誰それといる時の自分は嫌いだとも。そうして、もし、好きな分人が一つでも二つでもあれば、そこを足場...
---------------- 125 人は、なかなか自分の全部が好きだとは言えない。しかし、誰それといるときの自分(分人)は好きだとは、意外と言えるのではないだろうか? 逆に別の誰それといる時の自分は嫌いだとも。そうして、もし、好きな分人が一つでも二つでもあれば、そこを足場に生きていけばいい。 それは生きた人間でなくてもかまわない。 私はボードレールの詩を読んだり、森鴎外の小説を読んだりしている時の自分は嫌いじゃなかった。 人生について深く考えられたし、美しい言葉に導かれて、自分がより広い世界と繋がっているように感じられた。 そこが、自分を肯定するための入口だった。 ---------------- 感想 いやーおもしろかったし、何より救われた。 ずーっと読みたかった本、ようやく時間ができたので読めました!! けっこう自分は人間関係考えすぎて悩んでしまうタイプなので、本書の各所でわかる!と膝を打っておりました笑 中でも印象的だったのが冒頭の言葉。 これには本当に救われた。 自分はなかなか自信を持って自分のことを好きだとは言えない。 でも本を読んで感情が動いたり、人生について考えたりしている時の自分は悪くないと思える。 なんとなく感覚としてはあったけど、それを言語化してもらえたのが大きかったです 歴史への造詣も深く、個人の概念の変遷などは世界史とリンクする部分もあり非常に興味深かったです。 もう12年前の著作なのがびっくり。 ぜひ最新の平野さんの思考も学んでみたいです。 今後、『ドーン』と『空白を満たしなさい』を読んでみたいと思います。 一旦朝井さんの『生殖記』挟んでから。 ぜひ人間関係に悩んでいる人は読んでみてほしい、10代の頃に出会いたかった本でした ---------------- 印象に残ったところ↓ 40 結局、教育現場で「個性の尊重」が叫ばれるのは、将来的に、個性と職業とを結びつけなさいという意味である。 94 学校でいじめられている人は、自分が本質的にいじめられる人間だなどと考える必要はない。それはあくまで、いじめる人間との関係の問題だ。放課後、サッカーチームで練習したり、自宅で両親と過ごしたりしている時には、快活で、楽しい自分になれると感じるなら、その分人こそ足場として、生きる道を考えるべきである。 106 コミュニケーションは、極力シンプルな方がいい。お互いに色々と気を回さずに、思ったことをそのまま言い合うのが理想だ。 分人という単位で考えるなら、あなたが語りかけることができるのは、相手の「あなた向けの分人」だけである。 その一方で、あなたの言葉は、相手の「他の様々な人向けの分人」に常に曝されている。 相手との関係性の中で、あなたが悪意を持って何かを相手に信じさせたとしても、その言葉は、相手の中の別の友人との分人や両親との分人などを通じて吟味される。 109 私は精神科医でもカウンセラーでもないが、この話を聞いて考えたのは、かつては個人を単位として発症していたウツが、今は分人単位で起きているのではないかということだ。 不幸な分人を抱え込んでいる時には、一種のリセット願望が芽生えてくる。しかし、この時こそ、私たちは慎重に、消えてしまいたい、生きるのを止めたいのは、複数ある分人の中の一つの不幸な分人だと、意識しなければならない。 138 愛とは、相手の存在が、あなた自身を愛させてくれることだ。そして同時に、あなたの存在によって、相手が自らを愛せるようになることだ。その人と一緒にいる時の分人が好きで、もっとその分人を生きたいと思う。 144 その意味では、パートナーはよく似た分人のバランスを持っている人が理想的なのかもしれない。 148 愛する人が存在しなくなったことは、もちろん、悲しい。同時に、もう愛する人との分人を生きられないことが悲しい。 訃報の悲しみはしばしば遅れてやってくる。 誰かが死んだという知らせを受けて、その瞬間に涙を流す人は、実はそれほど多くないだろう。ショックは受けるが、実感はすぐに湧いてこないこともある。 183 「個人」は、ようやく近大になってから、言葉と共に、その存在を見出されるに至った。もちろん、それまでの西洋人も、自分と他人との区別がつかなかったなどということはない。しかし、個人が明確に意識され、議論され、価値づけられていくためには、やはり言葉が必要だった。
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新書は半信半疑の状態から読み始める事が多いですが、この本は納得してしまう面が多く、読み終えた頃には著者の考えが私自身に浸透しきってしまう感覚がありました。
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静かに、久しぶりに、ドカンと来た。 人は他者との相互作用の中でアイデンティファイされるというのは元々考えていたことだけど、そこに分人という概念を導入することで一見一貫性がないような振る舞いや性質もより柔軟に説明できるような気がした。 僕自身、例に漏れずポストモダン的な考え方(...
静かに、久しぶりに、ドカンと来た。 人は他者との相互作用の中でアイデンティファイされるというのは元々考えていたことだけど、そこに分人という概念を導入することで一見一貫性がないような振る舞いや性質もより柔軟に説明できるような気がした。 僕自身、例に漏れずポストモダン的な考え方(主体は存在しない!)にハマっている時期があったけど、分人的な考え方は自分の中でその次に来るものになりそう。 自分が心地よいと思える分人を足場にして生きていこうと思う。 また、自分が誰かと対峙するときに、あくまでその人も自分に対する分人として対峙しているということに配慮していきたい。
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