箱の中 の商品レビュー
痴漢 冤罪 詐欺 不倫 誘拐 殺人 刑務所 虐待が絡みあったBL小説。BLと言われなければわからないぐらい人間心理を鋭く描いた作品。愛もバランスだと思うが、あそこまでピュアで真っ直ぐにこられたとして、受け入れるキャパがある人はどれくらいいるのかなぁ?
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痴漢の冤罪で実刑判決を受けた堂野は刑務所に入り、そこで多喜川という男に出会う。 人間不信に陥っていた堂野は、多喜川の一風世間知らずだが純粋で無垢な優しさに救われる。 しかし、多喜川の優しさは愛情としてのものであると気付き始める。 同性愛者ではない堂野は躊躇うが、少しずつ受け入れて...
痴漢の冤罪で実刑判決を受けた堂野は刑務所に入り、そこで多喜川という男に出会う。 人間不信に陥っていた堂野は、多喜川の一風世間知らずだが純粋で無垢な優しさに救われる。 しかし、多喜川の優しさは愛情としてのものであると気付き始める。 同性愛者ではない堂野は躊躇うが、少しずつ受け入れていく。 やがて堂野は出所して、多喜川のことが気になりつつも自分の人生を歩き始める。 一方の多喜川は出所後も堂野を忘れてはいなかった。 ただの同性愛を描いた物語というものではなく、人の奥深くにあるものを思わせるものがある。 今までにない感じがして新鮮だった。 2020.11.8
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最初のうちは、BLっていうけどこれL成分出てくるのか?ひたすら堂野がかわいそうだなと でも最後は数々の不幸の果てに静かな愛を手に入れて安心した 愛愛いうけど愛ってなんだろな 堂野が延々ぐるぐる考えたように大変なことのような気もするし、喜多川のようにただただシンプルなことのような気...
最初のうちは、BLっていうけどこれL成分出てくるのか?ひたすら堂野がかわいそうだなと でも最後は数々の不幸の果てに静かな愛を手に入れて安心した 愛愛いうけど愛ってなんだろな 堂野が延々ぐるぐる考えたように大変なことのような気もするし、喜多川のようにただただシンプルなことのような気もする
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愛VS社会、愛は勝つけど残酷だ なぜ1人しか選べないのか 同情も浮気も全部愛には違いない 芝さんの信用してる人間の裏切りはつれえからなという言葉 文を読んでると人生狂わされる感覚がして病みつきになる BLを好きで良かったと思う
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オススメされて読みました。 泣いた。全私が。 最初の入りで、堂野の融通の利かなさや迂闊さに歯がゆさを感じ、 BLって聞いていたけど本当にLは訪れるのだろうか・・・?と思いながら読み進めていた。 序盤は主に堂野の自らの至らなさの悔い、家族に迷惑をかけてしまったことへの自責の念、服役者や刑務官に対する嫌悪、疑念。とにかくネガティブで、向き合って読むのがしんどい感じだった。 三橋が出てきた時、こいつが片割れになるのかと思って、喜多川が出てきた時もあまり注目していなかったから、このあたりから動き出して引き込まれてきた。 三橋が裏切り、堂野が絶望し、喜多川が堂野を構い出した時、 喜多川の意図がわからなくてちょっと君悪いなと思ったくらいだ。 この時点でもこいつが主軸になるとは気付いていなかった。 私、鈍すぎかよ。 それが、喜多川が徐々に心を開いてきて、堂野に傾倒し、 渇きを癒すように堂野を求め始めた時、読み進めるのが止められなくなった。 ずっと堂野もやや引き気味だったし、うまくいかないんだろうと思いながら、 それでもどうなるのかと思ってページをくってしまう。 読めば読むほど、喜多川という男のまっすぐさに引き込まれた。 「あんたに家族がいたって、近くにいるぐらいいいだろ」 「同じ雨の降っている場所にいるんだって思うぐらいいいだろ。顔が見たいって思う時に、歩いて行ける場所にいたっていいだろ」 ああ、本当に好きで好きでしかたがないんだなあ 報われないってわかっていても止められないんだなあ と、雨降る外を眺めて堂野を思っている喜多川を想像したら、涙が溢れてきた。 彼にとっては、29年目にして初めて巡り会えた奇跡だから 私たちが大好きな物語やタレントと同じ時代に生まれてこれたことを喜ぶのと ちょっと似ている。 いやむしろそれより深いか。 正直、堂野の奥さんの所業もろもろが陳腐すぎて、 う〜んと思うところはあるけど、 そこは私にとってこの話の重きところではないので これで良かったとする。 芝もいいやつでよかった。
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びっくりした。本当にびっくりした。 まさか泣くなんて思わなかった。 「箱の中」での喜多川の勝手さや性描写に嫌悪感を覚え、顔をしかめながら読んでいたのに 「脆弱な詐欺師」で堂野を命を削ってまで探し 「檻の外」で会えても彼の心は遠い。 諦めろよと何度も思った。 怖い重い気持ち悪いっ...
びっくりした。本当にびっくりした。 まさか泣くなんて思わなかった。 「箱の中」での喜多川の勝手さや性描写に嫌悪感を覚え、顔をしかめながら読んでいたのに 「脆弱な詐欺師」で堂野を命を削ってまで探し 「檻の外」で会えても彼の心は遠い。 諦めろよと何度も思った。 怖い重い気持ち悪いって。 でも「同じ雨の降っている場所にいるんだって思うぐらいいいだろ」 このセリフを読んだ時に私の感情が溢れ出た。 名作。まさに名作。
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木原音瀬さんの本。 ある雑誌で読んだ木原音瀬さんの小説が性癖につきささったので、ほかの作品も読みたくなり購入した。 すばらしかった! 正直言って、これまでBLを少しばかにしていた。 だって、ありえない、とんでもない話ばかりだと思っていたから。 男性同士を恋愛に巻き込むために、普通ならありえないシチュエーションをこれでもか!と盛り込んだような話ばかりだと思っていた。 しかし、それは間違っていた。ばかにして、ごめんなさい。 本作はBL界の芥川賞と称されているそうだ。確かに文章がきれいで、登場人物の心のひだが丁寧に描かれている。 最初、箱の中では堂野の主観で話が進む。堂野は冤罪で投獄されたごく普通の男性で、共感できるし、大変気の毒に思った。 喜多川という少しおかしな男に一方的に好かれてしまうのだが、その喜多川が堂野に惹かれていくさまが、おかしいのだが悲しさもあって、読んでいて堂野と一緒にとまどった。巻末に三浦しおんさんの解説があるのだが、そこで主人公が困惑する話とまとめてあって、「ほんにそれ」と思った。読者も困惑しましたとも。喜多川という男は、少しおかしくて、かなり悲しい。 二人が出所した後の話である「檻の外」という話は、正直言って好きになれない。子供が死ぬ話はどうしてもだめだ。自分が子供を産んで育ててから、この手の話が生理的にダメになってしまった。同じ理由で伊坂幸太郎さんの「死神の浮力」も読み返すことができない。子供が殺されるなんて、絶対にいやだ。 しかし、喜多川という男に堂野を与えるためには、この不幸な子供を殺すしかなかったのかなあ?と思った。だあら★は一つ減らして4つです。 巻末の三浦しおんさんの解説が好きだ。というより、三浦しおんさんが好きだ。彼女の文章は愛にあふれている。作品に対してリスペクトしている。本当にBLが好きなんだろうな。 以前はそんな三浦しおんさんを一歩引いたところで「はいはい。好きなんですね」と見ていた。あなたが何を好きでもいいですよ、私はそれほどよいとは思いませんがねってな感じで。 でも今は、三浦しおんさんに激しく同意せざるを得ない。「箱の中」はいい!私は一途で粘着な性格が好きだ。自分がそうだからだ。一度好きになった人をずっと好きで何が悪い。喜多川という男は、堂野を好きになってずっと好きでい続ける。それは堂野が先に出所してからも変わらなかった。そして堂野が見つからなくて苦しみ続ける。でも好きでいることをやめない。 やめないのではなく、やめることができない。そういう性格だからだ。生活のすべてを投げ出しても堂野を探す資金を捻出するために働き続ける。 そんな喜多川にノックアウトされた。本作は大変よいものです。ただ「檻の外」だけは要注意です。幼い子供が理不尽な死を迎えます。 あと、この文庫本で話が完結するのではなく、ほかにも続きの話が2つほどあるらしい。しかも絶版となっているらしい。電子版でも読めないらしい。仕方ないので続きを読みたいなら図書館で探すが、中古で探すしかない。私は中古で探した。届くのが楽しみだ。
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BL小説との事で敬遠しがちでしたが、読んでびっくりまるでミステリーを読んでいるような、ハラハラドキドキでした。 連作になっていて3作とも感動しました。 ラストはすごく考えさせる終わり方しています。 解説を三浦しをんさんが書いていてすごく的を得ていました。続きの短編『なつやすみ』が...
BL小説との事で敬遠しがちでしたが、読んでびっくりまるでミステリーを読んでいるような、ハラハラドキドキでした。 連作になっていて3作とも感動しました。 ラストはすごく考えさせる終わり方しています。 解説を三浦しをんさんが書いていてすごく的を得ていました。続きの短編『なつやすみ』があるとのことで読んでみたいです。
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もともとはBLジャンルで出版されていたとのことなので、描写の単純さ(主たる読者層であるティーンに合わせているのだろうから稚拙さというのは憚られる)や、ご都合主義なストーリー展開や、女性の扱い(ヘテロ男性が女性不振に陥り、男性への愛情を抱くというくだりのために悪役)に対しては嫌悪感...
もともとはBLジャンルで出版されていたとのことなので、描写の単純さ(主たる読者層であるティーンに合わせているのだろうから稚拙さというのは憚られる)や、ご都合主義なストーリー展開や、女性の扱い(ヘテロ男性が女性不振に陥り、男性への愛情を抱くというくだりのために悪役)に対しては嫌悪感を覚えるものの、そういうものなのだと受け入れたほうがよいのだろうな… そして、それらを差っ引いても喜多川のキャラクターの鮮烈さはすごい。
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木原さんの名作と名高い「箱の中」と「檻の外」を同時掲載した文庫。 BLはこれくらいでも生々しすぎて、私には無理。やっぱりほのかな臭がするくらいがいいわ・・・ でも、喜多川の子供のような無垢さと堂野への一途な愛情は切ないし、最初は戸惑うばかりだった堂野の微妙な心の動き、喜多川に応え...
木原さんの名作と名高い「箱の中」と「檻の外」を同時掲載した文庫。 BLはこれくらいでも生々しすぎて、私には無理。やっぱりほのかな臭がするくらいがいいわ・・・ でも、喜多川の子供のような無垢さと堂野への一途な愛情は切ないし、最初は戸惑うばかりだった堂野の微妙な心の動き、喜多川に応えることで得られる解放がとてもよく描かれていて、自然に受け入れられた。 それにしても、堂野の妻が酷すぎ。BLだと女は酷く描かれるのがつねなのかしら? せっかくなら二人のその後を描いた「なつやすみ」もこの文庫に載せてほしかった~。
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