サエズリ図書館のワルツさん(1) の商品レビュー
再読。途中、以前読んだと気付いたけど2を読むためとやっぱり面白いので最後まで読んだ。ずいぶんな未来でそこにあるのは平穏とは言えない、停電が多く列車が止まったり汚染された都市があり本はあまりに貴重でガラスケースに並べられるもの。だけどワルツさんがいるサエズリ図書館だけは本に触れ借り...
再読。途中、以前読んだと気付いたけど2を読むためとやっぱり面白いので最後まで読んだ。ずいぶんな未来でそこにあるのは平穏とは言えない、停電が多く列車が止まったり汚染された都市があり本はあまりに貴重でガラスケースに並べられるもの。だけどワルツさんがいるサエズリ図書館だけは本に触れ借りられ読める。こんな世界がきたらと考えると恐ろしい、電子書籍は読まないのであまりに恐ろしすぎる。サエズリ図書館に来る人たちそれぞれの目線で見る本と図書館は本当に素晴らしい場所。ワルツさん親子の思い出や過去は優しく美しく切ない。
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図書館モノって珍しい?と、前知識全然無く飛びついたのですが思っていたのと全然違ってました。 舞台は近未来。本はほとんどなくなって電子書籍に変わってしまった。あっても高額で庶民には手が届かない…。嫌だわ〜、そんな世界…。紙の本への愛を感じるお話し。
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「サエズリ図書館のカミオさん」 ついていない日にも。 運勢なんて実際に一日を過ごさなければ分からないが、朝から気落ちした状態で始まったら良い一日にはならないだろうな。 「サエズリ図書館のコトウさん」 学校に行かなくとも。 ここまで細かな事柄まで調べ尽くしたからこそ、物語の中で動...
「サエズリ図書館のカミオさん」 ついていない日にも。 運勢なんて実際に一日を過ごさなければ分からないが、朝から気落ちした状態で始まったら良い一日にはならないだろうな。 「サエズリ図書館のコトウさん」 学校に行かなくとも。 ここまで細かな事柄まで調べ尽くしたからこそ、物語の中で動く登場人物達はリアリティが高い作品になるのかもしれない。 「サエズリ図書館のモリヤさん」 寄贈という名の詐欺。 そんなに本が好きであったのであれば、宝物が奪われることを前提とした手術など受けることなく手元に置き続けたのでは。 「サエズリ図書館のワルツさん」 絶対に譲れないもの。 この世に残った唯一の大切な想い出だったとしても、誰かが所持しているものを盗んでしまった理由にはならないだろうな。
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さえずり町のサエズリ図書館。 初めて「図書館」を訪れた女子社員の上緒さん。 娘によそのコドモのことばっかりじゃない、と呆れられる教師の古藤さん。 祖父が寄贈した本に固執する森屋さん。 そして、サエズリ図書館代表で、“特別保護司書官”のワルツさん。 「あなたがサエズリ図書館の本を持つ限り、地の果てであっても追い続けます」 話が進むにつれて、図書館、本の価値が変化していることに気づき、ワルツさんのこのセリフがどんどん重くなっていく。 実家の片づけでけっこうな量の本を処分したり、図書館で予約した本が300人待ち!で、電子書籍に気持ちが傾きかけているこの頃。 本と電子の違いってなんだろう。それを繰り返し問いかける物語。 「データは本じゃない、と言うかね。サエズリ図書館のワルツさんは」 「データが魂だ、と思います----でも----魂だけじゃ、抱きしめられませんから」 司書さんが身近な謎を解くのかな、と手に取ったので、話の展開にどこに行っちゃうのかとヒヤヒヤだった。最後の壮大な世界観にもビックリ。 それでも、最後はさわやかな余韻に。 「嬉しい日の読書は楽しいし、悲しい日の読書も、格別だから、大丈夫」
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私設図書館の館長であるワルツさんと図書館に来る人たちのお話。途中から設定に気づく。 2021/10/20
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今と経済やシステムが全く異なる時代に果たして本が存在するのか、という疑問から始まったような物語だったな、と思いました。今や電子書籍がみるみる力をつけてきていますが、紙のあのすべすべした触感や、本の確かにそこにある質量や、何度も読んで草臥れたページがやっぱり好きだから本を読むのだな、と再確認出来ました。 本を持つ人間がとても少なかったり、本に位置情報が分かるマイクロチップを埋め込んだり、と今では考えられない世界線でしたがもしかしたら物語のように変わってしまうのかもしれないと思うとちょっと怖かったです笑
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私設図書館での本と関わる物語。 だと思ったら、あちこちに違和感が。少しずつ明かされる作品背景。今の世の中と違う視点が加わるからこそ見えて来る本の魅力と価値。 データは魂だけど魂には形がない。本を愛するとは何か。本の未来はいずこに。
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本が貴重なものになった世界のお話。優しいけど物悲しい雰囲気が漂う。十分楽しめたけど、もうちょっと動きがあるほうが好みかなぁ
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この本自体がもう新刊では入手出来なくなっているという事実自体が寓話的に感じる。 せめて電子書籍化されていたら…と読後なお言ってしまいたくなる。
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「本は死にません」 美しく、微笑んで。当然のように言うのだ。 「だって、みんな、本を愛していらっしゃるでしょう?」 (P.83) 『どれだけ世の中が進もうと。滅びようと』 その真剣な目と、強い意志が、ワルツさんは好きだった。 『人は、すでに、活字から離れられないだろう』 (...
「本は死にません」 美しく、微笑んで。当然のように言うのだ。 「だって、みんな、本を愛していらっしゃるでしょう?」 (P.83) 『どれだけ世の中が進もうと。滅びようと』 その真剣な目と、強い意志が、ワルツさんは好きだった。 『人は、すでに、活字から離れられないだろう』 (P.278) データは魂かもしれない。けれど、魂には、なんの形もない。 滅びるものだから、信じられるものもあるし、美しいものもあるのだろうと、今ならばワルツさんも言える。 いつかは失われる日々なのだろう。それでもただ、今は。こうして本に囲まれながら、日々を幸福に生きる他にはない。 愛したものを、愛しながら。 (P.288)
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