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百年法(下) の商品レビュー

4.1

309件のお客様レビュー

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2019/06/14

不老を選択するかしないか、選択をした人はどうやって百年後を迎えるか。もちろんそれについてもきちんと書かれているのですが、日本共和国という国がどのような選択をし将来に備えるか、政治の駆け引きに国民投票、と先が気になって一気に読みました。今の日本と重ねて見てしまった部分もあります。政...

不老を選択するかしないか、選択をした人はどうやって百年後を迎えるか。もちろんそれについてもきちんと書かれているのですが、日本共和国という国がどのような選択をし将来に備えるか、政治の駆け引きに国民投票、と先が気になって一気に読みました。今の日本と重ねて見てしまった部分もあります。政治家と法律について哀しかったり恐ろしかったりもしました。大統領が倒れたときその思いがピークに達していたので、指令ゼロ号が発動したとき鳥肌が立ちました。いろいろと考えさせられましたが、とても読み易くよくできた面白いストーリーでした。

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2019/05/21

「人は、死の恐怖からは、なかなか自由になれません」  深町が静かに口をひらいた。 「人間の心は弱いものです。しかし、死を恐れるその弱さこそが、人類の文明をここまで発展させてきた原動力でもあると、私は考えます。人間の人間たる所以《ゆえん》は、その弱さにある。」 (P167)

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2019/05/21

人を不老化するウイルスの開発、不老化後百年を生存期限と定める法律の施行とそれに対する反発、安楽死拒否者の発生などを描く政治SF 名作

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2019/05/21

不老不死の社会を実現した日本の行方を描く。 人生は終わりがあるから美しいのかもしれない。 人間の死に対する本質を描く作品。

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2019/02/13

不老不死の技術を人間が手に入れたとき、社会はどうなっていくのかを描いた作品。 身体は老いずとも、精神は終わりのない人生に疲弊していく。また、新しい命を生むことをしない人たちも出てきて、世代交代もしない。 この本を読むと何事も「終わり」は必要で、終わりがあるからこそ人はその一瞬一...

不老不死の技術を人間が手に入れたとき、社会はどうなっていくのかを描いた作品。 身体は老いずとも、精神は終わりのない人生に疲弊していく。また、新しい命を生むことをしない人たちも出てきて、世代交代もしない。 この本を読むと何事も「終わり」は必要で、終わりがあるからこそ人はその一瞬一瞬を大切に生きるんだなと痛感した。読み応えばっちりの作品!

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2018/10/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

百年後が近付くとそれを回避した人たちが出てきた。国民投票の結果も百年法凍結だった。しかしそれでは国が立ち行かない。二回目の国民投票で百年法は施行された。百歳になるとターミナルセンターに出頭する。しかし百歳になってもアウトローとして社会から逃げ出す人々がいる。片や政治家や高級官僚は大統領の命令で百歳を超えても生きてくことができる。不公平への不満が社会に溜まってくる。そんななかとんでもないニュースが米国からもたらされた。

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2018/07/25

面白い! 大人になってこんなにもSFの話で没頭して読んだ本はなかった。 不老不死とその法整備、国民の混乱。 ゴールはハッピーエンドか地獄か? ハッピーエンドならどんな終わり方なのか?ドキドキしながら読み終えました。

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2018/06/18

パラレルワールドinジャパン。原子力爆弾が6個降り注ぎ完全に壊滅した日本に、アメリカからの新技術HAVIがもたらされ、戦後日本国民は永遠の命を得る事になるという突飛且つ妙なリアル感を持った物語です。 永遠の命を持つ事によって国や人間がどうなっていくのか、穴だらけではあるもののここ...

パラレルワールドinジャパン。原子力爆弾が6個降り注ぎ完全に壊滅した日本に、アメリカからの新技術HAVIがもたらされ、戦後日本国民は永遠の命を得る事になるという突飛且つ妙なリアル感を持った物語です。 永遠の命を持つ事によって国や人間がどうなっていくのか、穴だらけではあるもののここまで大風呂敷を広げてきっちり書き切り、そしてエンターテイメント性を高めていくのは相当力量と気力が要った事でしょう。登場人物数をあえて抑え気味にしているのか読んでいて混乱することもなく、人物の読みわけも容易で気が散らず物語に没頭する事ができました。 永遠の命を得ることによって、人間同士の関係が希薄になり親子関係ですら解消されてしまう。終わりのない時間の羅列に人はいつか倦み果て無気力になっていく。でも時間が区切られて死ななければならないとなれば恐怖で身がすくむ。想像しやすい人間の心の動きです。どんなに生きたって、いざ 死ぬと分かれば何とかして生きたいと思います。 死んでどんどん後進に道を譲らなければいつか世界が行き詰ると分かっていても、なんで自分が死ななきゃならんのじゃ。と僕も叫ぶでしょう。 荒唐無稽では有りますが、今の超高齢化社会とも少し被る所があり、みんなで読んで議論してみたい本です。

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2018/02/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

面白かった。 不老不死を手に入れてしまった人類はどうなるのか。 シミュレーション的な面でも興味深い。 舞台が日本だけというのは少し引っかかるところではある。

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2017/04/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

下巻に入って一気に物語がテンポアップ。 百年法拒否者ムラの誕生、大統領・牛島と首相・遊佐の軋轢、 SMOCという多臓器ガンの異常増加、テロリスト「阿那谷童仁」の正体、政府を揺るがすクーデター。 そして終盤にはかなり衝撃的な展開。日本を救った不老化技術と百年法が逆に日本を滅ぼしかねないという皮肉。 多くの登場人物の中でもケンの母・蘭子、友人の真世、そして恋人・由基美が印象深い。 現実を真正面から受け止めながら、愛する人に寄り添い自分自身の人生を生きる彼女たちの姿が潔く美しい。 スケールの大きい社会派SFであり「国家」の存在意義と「生命」の有り様を問う人間ドラマ。

Posted byブクログ