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百年法(下) の商品レビュー

4.1

309件のお客様レビュー

  1. 5つ

    100

  2. 4つ

    131

  3. 3つ

    44

  4. 2つ

    5

  5. 1つ

    2

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2012/09/22

"「我々は理解していなかったのだ。永遠の生と、その真逆であるはずの死の間には、紙一重の差しかないことを」"

Posted byブクログ

2012/09/20

下巻の最初はなんだか上巻の勢いはなく、つまらなく感じたけど読み進めるうちに気付けば、ページをめくる手が止まらなくなり予想してなかった方向に話は進む。 とはいえ、全く予想出来ないかとうとそうでもないのだけど予想できた部分があっても、さらにその上をこの本はいく。 ラストは泣きそうにな...

下巻の最初はなんだか上巻の勢いはなく、つまらなく感じたけど読み進めるうちに気付けば、ページをめくる手が止まらなくなり予想してなかった方向に話は進む。 とはいえ、全く予想出来ないかとうとそうでもないのだけど予想できた部分があっても、さらにその上をこの本はいく。 ラストは泣きそうになった。 ホントに面白かった。

Posted byブクログ

2012/09/20

驚異的な傑作。これほどまでにダイレクトに胸を打つ力強い本はなかなかないと思う。本当に様々な要素を盛り込んだ一大エンターテイメントの傑作であると同時に、力強いメッセージを訴える社会派小説の傑作。そして、ジャンル的には近未来SFの傑作と言ってもいいのだろう。話題になった「ジェノサイド...

驚異的な傑作。これほどまでにダイレクトに胸を打つ力強い本はなかなかないと思う。本当に様々な要素を盛り込んだ一大エンターテイメントの傑作であると同時に、力強いメッセージを訴える社会派小説の傑作。そして、ジャンル的には近未来SFの傑作と言ってもいいのだろう。話題になった「ジェノサイド」や「虐殺器官」もすごかったが、個人的にはそれをも超える稀に見る傑作であると感じた。 テーマは人の生と死。そして、それを前提とした人間の生き方の問題だ。 放り込まれた要素は、人との信頼、男女の愛、親子愛、信念をつらぬく大切さ、人の醜さ、弱さ、愚かさ、身勝手さ、などなどたくさんあれど、中でもきわだっているのは、まるで現在の日本の政治状況そのものを揶揄したかのような権力闘争の要素であろう。また、近未来SFとはいうものの、時代設定は奇妙に現代とリンクしており、これがまた奇妙なシンクロ感を醸し出す。この政治的な要素と時代設定の仕掛けから考えるに、この作品はある程度の大人が読んで初めて感動できるものなのかもしれない。 過去に著者の本は読んだことがないけれど、その小説的なテクニックもひどくうまい。場面や時制の転換が自由自在で、登場人物が思わぬところでつながってくる過程がとても見事だ。重いテーマを内包しつつも、堅苦しい文章になることなく、あくまでもエンターテイメントとして完成させていることに、著者の指向性と力量をみた気がした。 繰り返そう。これは驚異の傑作だ。今を生きる日本人が1人でも多くこれを読んで、自分の生き方を真摯に考えてみることを強く祈ります。

Posted byブクログ

2012/09/11

【ベスト級】【お気に入り作家】ラストまで一気。不老不死社会と生存制限法の施行から発生する問題に絞ったおかげで、物語が力強く、ブレなかった。「嫌われ松子」以来フォローしてきた作家が傑作をものにしたことが素直に嬉しい。

Posted byブクログ

2012/09/03

首相と大統領の関係が人間臭くていい。敵対していても、心の底では互いを認めている。立花という女性をもっと書いて欲しかった。異名が滑っている気がしてしょうがない。上巻で抱いた疑問は全て解決というわけにはいかなかったが、壮大なスケールの作品で楽しめた。

Posted byブクログ

2017/11/09

不老不死を取り入れた日本、「日本共和国」を書き綴った小説の下巻を読み終わる。 上巻は「HAVI」という処置で不老不死になるようになった時代背景と、それに伴って、高齢化や雇用問題を避けるために設けられた生存制限法の「百年法」にまつわるトラブルを中心に書かれていた。事件の幕開けとい...

不老不死を取り入れた日本、「日本共和国」を書き綴った小説の下巻を読み終わる。 上巻は「HAVI」という処置で不老不死になるようになった時代背景と、それに伴って、高齢化や雇用問題を避けるために設けられた生存制限法の「百年法」にまつわるトラブルを中心に書かれていた。事件の幕開けという感じで、登場人物のつながりもよく見出せないでいた。それに比べると、下巻は登場人物の関わりあいがはっきりとわかり、百年法が実施されたその後の社会がどういう風になったのかがよく書かれていた。 下巻の主人公は、仁科ケン。 彼は期を逃して、HAVIを受けなかった、いわゆる「老化人間」である。そのことだけで一般常識からはずれているようなはみだし人間になっていた。百年法にそむいて死ぬのを拒否する人々が、隠れ里のように山の中に移り住みコミュニティを作り出すようになり、さらには新種の癌SMOCの脅威も出てきた。 混沌とする日本共和国。独裁者となった大統領と首相。 この社会に終止符を打つのはだれか? ドキドキしながらの終章を迎え、新たな希望の灯に胸をなでおろした。 すべての原因は不老不死ということにある。 国のため国民のために、命の制限を百歳としたことから、悲劇は始まったのだろう。 百歳まで自然に生きるのは大変稀なことだが、ほとんどの人が百歳まで生きられるようになれば、自然の摂理に反するわけで、いろいろなトラブルも生じてくる。 一つの国においての法律を軸に、「人生の結末」というものを深く考えさせられた小説だった。生命の始まりと終わりは、人が決めるのではなく、自然にまかせるのが一番いいのだとつくづく思った。

Posted byブクログ

2012/09/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

壮大なテーマながら途中で破綻することなく、最後まで飽きずに読めました。 本書のように、世を憂い何とかしようと問題に真摯に向き合う、志の高い政治家がいることを願うところ。

Posted byブクログ

2012/09/01

上下巻800ページ、一気に読めた。 「経済衰退、少子高齢化、格差社会…国難を迎えるこの国に捧げる、衝撃の問題作。」Amazonより

Posted byブクログ

2012/08/08

げに醜きは男の嫉妬。 こんなに大風呂敷広げといて 急にちゃっちくまとめちゃうのかとガッカリしたが 更にもう一捻りされてホッ。 いくつか疑問点も残ったし 若干中弛みも感じたが(読み手のモチベーションかも) 総じて「スゴイもん読んだな〜」と満足。 終章には引用したい言葉が沢山あった...

げに醜きは男の嫉妬。 こんなに大風呂敷広げといて 急にちゃっちくまとめちゃうのかとガッカリしたが 更にもう一捻りされてホッ。 いくつか疑問点も残ったし 若干中弛みも感じたが(読み手のモチベーションかも) 総じて「スゴイもん読んだな〜」と満足。 終章には引用したい言葉が沢山あったけど やはりこの物語のラストのための言葉なので自粛。 生と死、生き方、政治、法、そして未来。 今の日本でこそ活きる壮大な物語。 【図書館・初読・8/8読了】

Posted byブクログ