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百年法(下) の商品レビュー

4.1

309件のお客様レビュー

  1. 5つ

    100

  2. 4つ

    131

  3. 3つ

    44

  4. 2つ

    5

  5. 1つ

    2

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2021/11/19

政治、陰謀、SFと難しめ要素たっぷりの長編小説なのに、躓くことなく引き込まれて読めた。若く健康な肉体を保ったまま、時限が来たら死ななければならない人たちのそれぞれの生き様。永遠を手に入れた人たちの狂気などどれもリアル。最後は、結局自然の力によって強制的に変わることを選ばされた日本...

政治、陰謀、SFと難しめ要素たっぷりの長編小説なのに、躓くことなく引き込まれて読めた。若く健康な肉体を保ったまま、時限が来たら死ななければならない人たちのそれぞれの生き様。永遠を手に入れた人たちの狂気などどれもリアル。最後は、結局自然の力によって強制的に変わることを選ばされた日本。PSYCHO-PASSの世界観にも似てる気がして好みの作品だったー。諸外国であったはずの物語も想像してみると面白い。今まで手に取らなかったのがもったいない、良い作家さん。

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2021/10/20

後半も見事に描き切った。だんだん明るみになってくる不穏な気配の描写も見事。病気の設定にはちょっと苦しい部分もあるけど、その病態に大きな意味を持たせなければならないから、些細なところは気にしない。そしてラスト。解説で北上さんも書いてるけど、圧倒的感動に震えました。素晴らしかった。

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2021/06/24

また言う、これは傑作だ。構想が雄大だし、こちらに突き付けてくる問いも鋭い。人物たちも生き生きとしていて、どの人物にも肩入れしてしまう。遊佐総理、牛島大統領、兵頭局長、加藤医師たちの動きから目を離せないが、遊佐以外のもう一人の主人公と言える仁科ケンの人物像が魅力的だ。由基美や貴世、...

また言う、これは傑作だ。構想が雄大だし、こちらに突き付けてくる問いも鋭い。人物たちも生き生きとしていて、どの人物にも肩入れしてしまう。遊佐総理、牛島大統領、兵頭局長、加藤医師たちの動きから目を離せないが、遊佐以外のもう一人の主人公と言える仁科ケンの人物像が魅力的だ。由基美や貴世、恵といった女性群もいい。遊佐も途中で、どうしちゃったのかという感じだったが、最後で思い切り力を発揮する。かっこいいぜ。 永遠の命を得られたらどうする?本当に幸せ?そんな人間ばかりになったら社会はどうなっていくのか?死があってこその人間?老化っていったいなに?独裁政治というのは可能か、有効か?それぞれが考えるべきことだろう。 この著者らしく、悲惨な結果にはならないが、一歩間違えば、どうなっていたか分からない設定である。実に面白かった。

Posted byブクログ

2020/10/28

紆余曲折ありながら、次世代の為に残された時間を捧げる献身的な人類の姿勢が素晴らしい。 自らの存在意義は何か。 深く考えさせられる。

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2020/05/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

面白かった! だけど、ラストはもっと違う方法でハビをなくして欲しかった。 100年法をうまくまとめきれなかった感がある。

Posted byブクログ

2020/02/05

老化しない処置をアメリカから導入して敗戦後の奇跡的復活を遂げた日本共和国だったけど、人的循環の停滞を避ける為の法"百年法"の施行が始まる。不老処置後100年で否応なしに死ぬことに疑問を持つ人々や抵抗する人々、そもそも不老処置を受けない人々など 様々な視点や思考...

老化しない処置をアメリカから導入して敗戦後の奇跡的復活を遂げた日本共和国だったけど、人的循環の停滞を避ける為の法"百年法"の施行が始まる。不老処置後100年で否応なしに死ぬことに疑問を持つ人々や抵抗する人々、そもそも不老処置を受けない人々など 様々な視点や思考や言動を展開して行く(下)巻。 政争ありクーデターあり別れありと結末に向けてのストーリーは、それなりに面白いけど かなりの力技で不老処置や百年法を止めるくだり等が(上)巻に比して物足りない感があった。 ともあれ構想10年とか、現代の抱える問題を上手く取り込んでいて楽しめる作品です♪

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2020/01/13

評価がとても難しいが、面白かった?と聞かれれば面白かった!と答えると思う。 百年法という法律や、それに伴う世界観は、決して現実味の無いSFでは無く、どこか到来する可能性の高い未来を見せられているようで、施行する行政の苦悩や、死に対する人々の苦しみなど、考えさせられる場面が多かった...

評価がとても難しいが、面白かった?と聞かれれば面白かった!と答えると思う。 百年法という法律や、それに伴う世界観は、決して現実味の無いSFでは無く、どこか到来する可能性の高い未来を見せられているようで、施行する行政の苦悩や、死に対する人々の苦しみなど、考えさせられる場面が多かった。 ただ、途中から少し路線が変わり、上巻で感じていたような物語の重さのようなものが薄れてしまっていたように感じる。 とはいえ、ストーリー全体としてはエンタメ要素も強く、所々死生観に関して読んでいるこちらが自問してしまうような場面もあり、中弛みしてしまうといったことは無かった。 個人的には展開があまり好みではなかったものの、感想を語り合いたいと思えるような、様々なテーマを含んだ良書だと思う。

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2021/06/24

百年法下 著作者:山田宗樹 角川書店 私は作中で泣けるシーンがあるとすぐに評価を上げたくなってしまう悪い癖があります。上巻では蘭子のシーン下巻では牛島の演説シーンでそれぞれ涙しました。やはりHaveで不死になって生が当たり前の世界では死が光って見えたゆえの涙でした。 タイムライン...

百年法下 著作者:山田宗樹 角川書店 私は作中で泣けるシーンがあるとすぐに評価を上げたくなってしまう悪い癖があります。上巻では蘭子のシーン下巻では牛島の演説シーンでそれぞれ涙しました。やはりHaveで不死になって生が当たり前の世界では死が光って見えたゆえの涙でした。 タイムライン https://booklog.jp/timeline/users/collabo39698

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2019/07/31

どっぷりと世界観に入り込んで読んでしまった。 率直に、おもしろかった。 細かくいえば、クーデターの終わりがあっけなかったけど、その後の話からすれば、しょうがないかな。

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2019/06/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

最後まで澱みなくするすると流麗な文章で気持ちよく読了。内容的にあまりドロドロさせないままでSMOCなる病気をもって収束させるのは上手いですね。事の始まりから終わりまで人間的な優等生がいっぱい出てくるし、人のダークサイドな部分もそんなエグさを出してない。相対的にいい人の集まり的な物語だからか、胸に刺さるようなザラザラとしたところがまるでなく、二日で記憶から消えてしまいそうな作品ですね。それでも読み進めるのが楽しい物語でした。

Posted byブクログ