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百年法(下) の商品レビュー

4.1

309件のお客様レビュー

  1. 5つ

    100

  2. 4つ

    131

  3. 3つ

    44

  4. 2つ

    5

  5. 1つ

    2

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2013/05/08

死ぬ。死なされる。死ねる。 死というものの捉え方を見つめ直させる。 非現実の設定の中に日本の政治の姿を風刺するのが面白い。 本当は、誰もが、生きている限りカウントダウンをされている。

Posted byブクログ

2013/05/06

中盤から結末へ。この下巻も、最後まで途中で読むのを止められかった。一日の午後を費やしての、久々の一気読み。 登場人物それぞれの視点や時系列の切り替えが物語を締め、硬質な展開の中にウェットなエピソードが絶妙なタイミングで織り込まれる。そして予想しうる中で最悪の終焉へ向けて、試される...

中盤から結末へ。この下巻も、最後まで途中で読むのを止められかった。一日の午後を費やしての、久々の一気読み。 登場人物それぞれの視点や時系列の切り替えが物語を締め、硬質な展開の中にウェットなエピソードが絶妙なタイミングで織り込まれる。そして予想しうる中で最悪の終焉へ向けて、試される世界。 涙を禁じえない結末。ラストの数行には、読む者の未来を変える力があると感じた。 この物語を読むことができた幸運に感謝します。

Posted byブクログ

2013/05/05
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※このレビューにはネタバレを含みます

不老化処置がもたらした弊害は国家や社会だけでなく人体にまで及びます。 国家存亡の危機に際し、 “国民投票”という形で日本共和国は最終決断を迫られます。 その結果はいかに。 上巻で描かれていたことが下巻で意味を持ってきました。 限りある生と死への恐怖から不老不死を望み、 実際に手に入れてみるとそれに翻弄され、 限りあるからこそ生きることができ、 死が訪れるからこそ次の世代に繋げることができる。 未来への希望を持たせる終わり方です。 余韻に浸りたい作品でした。

Posted byブクログ

2013/05/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

新規ウイルスが見つかり、遺伝子治療(HAVI)によって、人類が年をとらなくなった世界という設定での話です。その世界では、皆が永遠に生き続ける弊害を避けるために、その処置(HAVI)を受けたものは、百年以内に死ななければならないという法律が制定された。 国民投票で否定された百年法は、その実施にかかわっていた官僚の信念によって、国を独裁体制にすることで、施行されたが、その後百年法の特例で、永遠に生き続ける人がいることがいることが知られるにつれ、百年法を逃れる人が現れ、社会は荒廃していく。また謎の雁SMOCが発生し、結末へ影響する。後編は荒廃した社会での政治抗争のようなものが描かれ、そこが人間的とは言えますが、なんかこの壮大な素ストーリーに合わないような気がしました。最後の結末は、現代の閉塞的な社会や政治に対するメッセージとも思えました。

Posted byブクログ

2013/04/26

面白かった! ほとんどの人が不老不死の身体をもつようになった未来の日本。しかし、不老不死だからこそ『生』に期限を作ることとなった。 それが『百年法』 その最終章は感動した。 どうすることが未来に繋がるのか。 政治と国民、民主主義… 遊佐さんカッコいい。批判されても憎まれても...

面白かった! ほとんどの人が不老不死の身体をもつようになった未来の日本。しかし、不老不死だからこそ『生』に期限を作ることとなった。 それが『百年法』 その最終章は感動した。 どうすることが未来に繋がるのか。 政治と国民、民主主義… 遊佐さんカッコいい。批判されても憎まれても国のためにつき進む。しかも凶弾にあうなんて、J.L.みたいだ。 いろいろあるなぁ、この世の中は。 でも捨てたもんじゃないよね。

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2013/04/26

4月-12。5.0点。 百年法が施行された、日本共和国。独裁政治の中、不穏な動きも。 やがて、未曾有の危機が日本、世界を襲う。日本消滅の危機。 最高に面白かった。ラスト近くの大統領と、首相の会話には涙が出た。 上巻から張られた、数々の伏線が解決。すばらしい筆力だと思う。 ラス...

4月-12。5.0点。 百年法が施行された、日本共和国。独裁政治の中、不穏な動きも。 やがて、未曾有の危機が日本、世界を襲う。日本消滅の危機。 最高に面白かった。ラスト近くの大統領と、首相の会話には涙が出た。 上巻から張られた、数々の伏線が解決。すばらしい筆力だと思う。 ラストが急ぎすぎとの書評も多いようだが、個人的にはそう思わなかった。 危機に対する伏線は、上巻から小出し小出しにされていたのだから。

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2013/04/23

上巻を読み終えてから日にちが経ってしまい、少し熱が冷めてしまいました。 上下巻ものは一気に読まなければいけなかった…

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2013/04/22

上巻からをつなぐ伝説の"阿那谷童仁"と"ケン"。"永遠王国"をはじめ拒否者の共同体に「黒い渦」「溶解」が忍び寄り、そして国と「百年法」も衰亡へ向かい大きな転換期が訪れる。全くどちらが犯罪者側なのか?…人の真価を問う哲学的...

上巻からをつなぐ伝説の"阿那谷童仁"と"ケン"。"永遠王国"をはじめ拒否者の共同体に「黒い渦」「溶解」が忍び寄り、そして国と「百年法」も衰亡へ向かい大きな転換期が訪れる。全くどちらが犯罪者側なのか?…人の真価を問う哲学的な話と思いきや、過去の屈辱を晴らすべくのクーデターを謀る男たち、真の危機対策のラストへ…。絡み合うキャストの正体が明かされるシーンは流石に複雑で面白いが微妙な結末かな!。文中の繁華街の小さなバー、幾種のカクテル名にホッと一息♪

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2013/04/21

不老不死を政治力で制御できる時代を想起し、その次代と更なる将来を危惧することをテーマにした面白い内容でした。 下巻の後半のストーリー展開は急ぎ過ぎた感が否めないけれど、今を生きることの大切さを感じ取れた。

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2013/04/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

久しぶりに読み終わった時に心から満足してため息を吐ける小説。余韻に浸り過ぎて面白かった以外の感想がなかなか捻り出せない笑 SF巨編。 最後はSMOCに倒れる大統領は格好いいけど、人間って追い詰められてもそんなに美しくないと言われてしまうかもしれない。 この小説は性善説に根ざしていて、悪人は悪人であるけれども基本的に突き詰めれば人は人の事を考えられるのだという原則に基づいて物語は流れていく。それがあまり嫌でない。 人間は精神的に永遠を生きられない生き物っていうの、良かったな。 不老技術が使用するウイルスがSMOCを引き起こす原因であり、HAVIが害悪となる、という落としどころは分かりやすくおよそ驚きの展開というものはない。けらど一つ一つのエピソードが興味を掻き立てる。 読み易く、個性的な登場人物なしで物語が面白い小説。 個人的に地味なことだけど、仁科ケンが遊佐以来初めの独裁官でなく最後の独裁官だったのが面白いとおもった。

Posted byブクログ