百年法(下) の商品レビュー
上巻からをつなぐ伝説の"阿那谷童仁"と"ケン"。"永遠王国"をはじめ拒否者の共同体に「黒い渦」「溶解」が忍び寄り、そして国と「百年法」も衰亡へ向かい大きな転換期が訪れる。全くどちらが犯罪者側なのか?…人の真価を問う哲学的...
上巻からをつなぐ伝説の"阿那谷童仁"と"ケン"。"永遠王国"をはじめ拒否者の共同体に「黒い渦」「溶解」が忍び寄り、そして国と「百年法」も衰亡へ向かい大きな転換期が訪れる。全くどちらが犯罪者側なのか?…人の真価を問う哲学的な話と思いきや、過去の屈辱を晴らすべくのクーデターを謀る男たち、真の危機対策のラストへ…。絡み合うキャストの正体が明かされるシーンは流石に複雑で面白いが微妙な結末かな!。文中の繁華街の小さなバー、幾種のカクテル名にホッと一息♪
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不老不死を政治力で制御できる時代を想起し、その次代と更なる将来を危惧することをテーマにした面白い内容でした。 下巻の後半のストーリー展開は急ぎ過ぎた感が否めないけれど、今を生きることの大切さを感じ取れた。
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久しぶりに読み終わった時に心から満足してため息を吐ける小説。余韻に浸り過ぎて面白かった以外の感想がなかなか捻り出せない笑 SF巨編。 最後はSMOCに倒れる大統領は格好いいけど、人間って追い詰められてもそんなに美しくないと言われてしまうかもしれない。 この小説は性善説に根ざしていて、悪人は悪人であるけれども基本的に突き詰めれば人は人の事を考えられるのだという原則に基づいて物語は流れていく。それがあまり嫌でない。 人間は精神的に永遠を生きられない生き物っていうの、良かったな。 不老技術が使用するウイルスがSMOCを引き起こす原因であり、HAVIが害悪となる、という落としどころは分かりやすくおよそ驚きの展開というものはない。けらど一つ一つのエピソードが興味を掻き立てる。 読み易く、個性的な登場人物なしで物語が面白い小説。 個人的に地味なことだけど、仁科ケンが遊佐以来初めの独裁官でなく最後の独裁官だったのが面白いとおもった。
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不老不死という、現実を前に、人はどんな決断をするのか。 百年法にもとずきターミナルに行く人もいれば、それを嫌って拒否者となるものもいる。 決断が、日本共和国をうごかす!
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百年法の破綻は意外なことから起こった。一刻の猶予も許されない時期の政治のあり方とは。遊佐は独裁官を置くという大胆な提案をし、国民投票で信を問う。直前の大統領メッセージが大きく影響する。 命の操作が問いかけるものとは……。
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内容(「BOOK」データベースより) 不老不死が実現した社会。しかし、法律により100年後に死ななければならない―“生存制限法”により、100年目の死に向き合うことになった日本。“死の強制”をつかさどる者、それを受け入れる者、抗う者、死を迎える者を見送る者…自ら選んだ人生の結末が...
内容(「BOOK」データベースより) 不老不死が実現した社会。しかし、法律により100年後に死ななければならない―“生存制限法”により、100年目の死に向き合うことになった日本。“死の強制”をつかさどる者、それを受け入れる者、抗う者、死を迎える者を見送る者…自ら選んだ人生の結末が目の前に迫ったとき、忘れかけていた生の実感と死の恐怖が、この国を覆う。その先に、新たに生きる希望を見出すことができるのか!?構想10年。最高傑作誕生。
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感想は上下巻あわせてのものです。 永遠を与えられた人がどう生きるのか?国から定められた100年を迎え、どう死を受け入れるのか?静かに死を受け入れる人もいればパニックになりヒステリックな行動を繰り返す人もいる。そんな「死生観」を扱ってる小説。 個人的には「国の未来を考えて大人しく死を選ぶ」行為が善で「なにがなんでも、泥水すすってでも生き抜く」というのが割とろくでもない結末にしかなってないのが気になりました。永遠を生きることに飽きて死を選ぶ、というのが登場人物にすんなり普通のこととして受け入れられているのも。 実際にそんな状況に置かれたらどうなるんだろう?もし自分だったら別に永遠を生きるのでも特に飽きるでもなく楽しく毎日過ごしそうなもんじゃないかと思ってしまいましたが。「国のため」というのが序盤から語られていますが、百年で死ななけらばいけない、というのではなく永遠を生きる人たちの生産性を向上するという方向にはいけないものなのだろうか? 最後の「ウイルスによる癌化で結局は長生きできない」というのも、お話としてはうまく収まっていますが、「死生観」云々のテーマに立って考えたらなにも解決してないんじゃないだろうか?だって将来的にその癌化を抑制する方法が見つかったら同じことにならないのか? あとは・・「死生観」みたいなちょっとシリアスなテーマを根底にしている割には話の展開がジェットコースタームービーのように早くてエンタメ感が強いな、とw
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不老不死が日常となった世界、人工増加、失業率増加と様々な問題の解決として、百年法という寿命に制限を設ける法律ができた。 近未来の設定で登場してくるアイテムも面白い。 4部構成になっており各部の章では別人の視点で話が進む。 不老不死が単純に幸せには繋がらないという今までに考えた事...
不老不死が日常となった世界、人工増加、失業率増加と様々な問題の解決として、百年法という寿命に制限を設ける法律ができた。 近未来の設定で登場してくるアイテムも面白い。 4部構成になっており各部の章では別人の視点で話が進む。 不老不死が単純に幸せには繋がらないという今までに考えた事が無かったきり口で面白かった。 但し結末についてはちょっと強引にも感じた。
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老いない体と、永遠の命を手に入れたとき、人は/国はどうなるのか。舞台は近未来の日本。上巻に引き続き、時を重ねながら物語が進められていく。 読み終えて、良く出来ている作品だと思った。 …のだけど、少し設定面での「上手く出来過ぎ」感が否めないのが残念。 でもこういう設定でのSF(社会...
老いない体と、永遠の命を手に入れたとき、人は/国はどうなるのか。舞台は近未来の日本。上巻に引き続き、時を重ねながら物語が進められていく。 読み終えて、良く出来ている作品だと思った。 …のだけど、少し設定面での「上手く出来過ぎ」感が否めないのが残念。 でもこういう設定でのSF(社会派SF?)は初読。今後も色んなジャンルに手を出していけたらいいな。
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近未来の日本を描いたお話。不老化処置により、人間が死ななくなった社会を描いている。その世界では、日本は、中国や韓国に、全ての分野で置き去りにされた二流国として描かれている。庶民も政治家も二流で愚劣、死にたくないが故に、人としての矜持を失った人間たち。 読んでいて、作者が問いかけた...
近未来の日本を描いたお話。不老化処置により、人間が死ななくなった社会を描いている。その世界では、日本は、中国や韓国に、全ての分野で置き去りにされた二流国として描かれている。庶民も政治家も二流で愚劣、死にたくないが故に、人としての矜持を失った人間たち。 読んでいて、作者が問いかけたいのは、はたして近未来の話なのか? と疑問に思った。これって、まさに今の日本の状況じゃないか、と。 読み応えのある1冊でした。
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