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百年法(下) の商品レビュー

4.1

309件のお客様レビュー

  1. 5つ

    100

  2. 4つ

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  3. 3つ

    44

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2014/09/03

原子爆弾を6発落とされて壊滅状態となりながら奇跡の復興を遂げた日本が舞台。 医学の進歩により人間を不老不死化する手術が可能となり、人類のほとんどがこの手術を受けるようになる。 しかし、それによって爆発的に人口が増加し、日本は様々な問題を抱えてしまう。 その解決方法として、ほかの国...

原子爆弾を6発落とされて壊滅状態となりながら奇跡の復興を遂げた日本が舞台。 医学の進歩により人間を不老不死化する手術が可能となり、人類のほとんどがこの手術を受けるようになる。 しかし、それによって爆発的に人口が増加し、日本は様々な問題を抱えてしまう。 その解決方法として、ほかの国ではすでに導入されている「百年法」という法律の施行を本格的に議論し始める。 「百年法」とは、不老不死の手術を受けた者は、手術を受けた日から100年後には全ての基本的人権を放棄しなければならない、すなわち、死ななければならないという法律だ。 この法律を巡って様々な人々の思惑が交錯し、世の中は混沌としていく。 架空の歴史を持った架空の日本という設定のせいで、なかなか物語の世界に没頭することができなかったんだけど、政治の世界や経済の仕組みや医学について全然詳しくない私は、この世界観に対して具体的な矛盾点みたいなものには結局気付かなかった。 だけど、言葉ではうまく説明できない違和感みたいなものは最後までずっと感じ続けた。 こういうSFものとかパラレルワールドものって、フィクションであることを忘れさせてくれないと楽しめないんだけど、そういう意味ではまりきれなかった。 物語としてはすごく面白かったんだけどね。 たくさんの人の思惑が絡んでいったり、同時多発的に問題が起きてしまったり、息もつかせぬ展開で。 物語は面白いのに没頭できないという、私にとっては不思議な作品だった。

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2014/08/25

不老不死のお話。古くから権力者があの手、この手を使って手に入れようとした技術が万人が簡単に手に出来たら。テーマは非常に面白く、色々な立場の登場人物達と一緒に自分だとどう判断するかと考えさせられながら物語にのめり込んだ。豊かさあふれる我が国は、第四代独裁官 仁科ケンの言葉を考えるべ...

不老不死のお話。古くから権力者があの手、この手を使って手に入れようとした技術が万人が簡単に手に出来たら。テーマは非常に面白く、色々な立場の登場人物達と一緒に自分だとどう判断するかと考えさせられながら物語にのめり込んだ。豊かさあふれる我が国は、第四代独裁官 仁科ケンの言葉を考えるべきなんじゃないかなと思った。国レベルでなくとも毎日電車に揺られるサラリーだって自分の役割と為すべきことを見つめてみるとかね。 面白かった。

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2014/10/28

2014.8.23〜2014.10.27読み終わった。一気読みできるくらい面白かったけど、間にいろいろな本を挟んだので。 なかなか良かった。パパが買ったものだけど、貸してといったら、あんまり面白くなかったと言ってた。なんでかな。 なんでパパいないのかな。

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2014/07/22

上下巻の感想を合わせて。 不老の技術を手に入れた近未来というSF好きにとってはその設定だけで高評価を与えたくなる。 内容自体も、不老の技術を得たことによる弊害がなるほどなと思わせるものである上にエンターテイメントとしての魅力も十分にあった。現実に起こっている問題も織り混ざって...

上下巻の感想を合わせて。 不老の技術を手に入れた近未来というSF好きにとってはその設定だけで高評価を与えたくなる。 内容自体も、不老の技術を得たことによる弊害がなるほどなと思わせるものである上にエンターテイメントとしての魅力も十分にあった。現実に起こっている問題も織り混ざっているのがミソだったりもする。 また、作品そのものが不老や死に対する肯定的な哲学となっておりその面でも良い印象を受けた。

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2014/06/28
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人不老化ウイルスの開発で永遠の寿命を手に入れた人々。百年法の施行や独裁的な政治により衰退の一途をたどる日本共和国。増え続ける原因不明多発性ガン、SMOC。 日本共和国に未来はあるのか。 下巻、面白かったです。一気読みです。 伏線?が全て拾われ、すっきりした終わりでした。素晴らしいと思います。登場人物が多くてなかなか大変でしたが、それを上回る面白さでした。

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2014/06/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2014.06.紫山ターミナルセンター爆破テロで死んだはずの阿那谷童仁から犯行声明が出された.兵藤と南木大統領首席補佐官とが手を組み,クーデターを起こした.仁科ケンは,その一環で兵藤警察局長に阿那谷童仁として逮捕された.しかし,大統領直属の部隊であるセンチュリオンが牛島大統領がSMOCで支持ができなくなったため,遊佐首相の配下となりクーデターは失敗する.同時にアメリカのHALLO本部から,今後SMOCが急激に増え,16年後にはHAVIを受けたものが全員死ぬと連絡が入った.遊佐は,日本共和国を今後も維持するために,現役の国民に多大な負担をかけること,合理的にかつスピーディーに政策を実現するために独裁官を置くことを国民投票にかけることにした.国民投票は終わり,4代目独裁官の仁科ケンのスピーチが.エンターテイメント性が強く楽しくどんどん読める.

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2014/05/30

やはり自然の摂理に反することを行えば、それに見合った困難が訪れて辻褄があうようになるのが道理なのね。 自分たちが歪めた社会を未来を担う人たちの為に多少の犠牲は払っても自分たちにできることはやらねばならない。 うまく行くかどうか未来になってみないとわからないが危うい博打も打てるくら...

やはり自然の摂理に反することを行えば、それに見合った困難が訪れて辻褄があうようになるのが道理なのね。 自分たちが歪めた社会を未来を担う人たちの為に多少の犠牲は払っても自分たちにできることはやらねばならない。 うまく行くかどうか未来になってみないとわからないが危うい博打も打てるくらいでないと国を統率することはできないってことですね。 日本だから暴動にならないって前提で書かれてるって感じも(;´∀`)

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2014/05/22

2013年9月19日読了。 終わり方が「インディペンデンス・デイ方式」だったのが残念といえば残念だけれど、下巻の疾走感は良かったなー。

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2014/05/17

ちいさな偶然によって大きく変わってしまった世界の、日本のお話。「人間って捨てたもんじゃないな」という某人の感想を読後実感。折に触れて読み返したくなる。

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2014/05/09
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※このレビューにはネタバレを含みます

戦争で6つの原爆が落とされて敗戦し、大統領のいる共和国制として再スタートした、日の丸が3つの国旗を持つ日本共和国という国がある架空の世界では、HAVIと呼ばれる処置を受けることにより、不老の身体を手にすることができる。一方で死者がほとんどいないため人口が爆発的に増加し、国の新陳代謝が促されないことから、HAVI処置後100年で安楽死しなければならないという通称「百年法」の施行を巡るやりとりから物語はスタートする。上下巻800ページ以上にも及ぶ大作ながらサラっと読めてしまう。もし人間が不老の身体を手に入れた時のシミュレーションとして、とても面白く読ませてもらった。下巻では、謎の病気SMOCを巡って世界は大きく動き出す展開となるが、読後感もすっきりしており、良質のSF小説である。

Posted byブクログ