戦後史の正体 の商品レビュー
対米追随路線か自主路線か日本の政策を2極化し、その当時の政策や政治家を語るわかりやすい本。大変売れているようである。 小沢事件は「東京地検特捜部は、日本の正当な自主路線の指導者を意図的に排斥する役割をはたしてきたのではないか」という憶測が証明されるかもしれない重要テーマ。 日...
対米追随路線か自主路線か日本の政策を2極化し、その当時の政策や政治家を語るわかりやすい本。大変売れているようである。 小沢事件は「東京地検特捜部は、日本の正当な自主路線の指導者を意図的に排斥する役割をはたしてきたのではないか」という憶測が証明されるかもしれない重要テーマ。 日本総理大臣について田中角栄をはじめとする自主路線を貫いた首相はつぶされること(これは中国との友好条約)を記している。鳩山由紀夫は、沖縄基地を最低でも県外と言ってあっさりつぶされたこともある。 日本の多くの総理大臣が追随路線であったが、アメリカの隣国のカナダは歴代の首相が「アメリカに対し、毅然とものをいう伝統」を持ち続けている。イラク戦争への参加拒否については、国民の7割がその決断を支持。特にピアソン大統領は、北爆反対の演説をして当時のジョンソン大統領につるし上げられたにも関わらず、この伝統が生きていること。 カナダの外務省の建物はピアソンビルと呼ばれ、カナダ最大の国際空港も、トロントピアソン国際空港と名づけられている。そして、ピアソンの功績をカナダ人の多くが知っており、毅然として米国に対して生きていこうという意思が強いという。
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この本は読む価値がある。 米国は自国の利益のために、アフガンへの自衛隊派遣、破綻寸前の米国金融機関への巨額融資を強行に求めてきたが、時の総理である福田康夫は、米国に断固として立ち向かい、最後まで戦った。この本を読むことがなければこの事実を知ることがなかった。『あなたとは違うんで...
この本は読む価値がある。 米国は自国の利益のために、アフガンへの自衛隊派遣、破綻寸前の米国金融機関への巨額融資を強行に求めてきたが、時の総理である福田康夫は、米国に断固として立ち向かい、最後まで戦った。この本を読むことがなければこの事実を知ることがなかった。『あなたとは違うんです。』と言ったあの会見で、多くのメディアが彼を上から目線と叩いたが、そのメディアの戦略もあり支持率低下で辞任に追い込まれるが、あの時自分の首と引換に、日本を守るという強い信念があったのかと思うと胸が熱くなった。 この本は、戦後70年間の歴代首相を、対米国への姿勢という軸で2タイプに分類、評価し、同時に戦後の日本史をわかりやすく解説する。積極的に現状を変えようと米国に立ち向かった自主派と、米国に従いその信頼を得ることで国益を最大化しようとした対米追随派だ。米国の対日政策は彼らの利益を最大化するためにあり、環境の変化によって大きく変わる。彼らは利益を最大化するために日本に様々な要求をしてくる。このような厳しい状況にありながら、冒頭に上げた福田氏のように、日本のために戦ってきた総理が思っていた以上に多いことに驚かされる。メディアではなかなか報じられないが、この本からはそういった歴代の総理の信念や、陰の奮闘ぶりが読み取れる。最近は日本経済の長い停滞や毎年総理が変わることなどから、国民は日本政治への諦めのことばを口にするが、この本そんな印象を変えてくれる。
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アメリカは戦後、対米追随路線の自民党や官僚、新聞記者、安保改正に反対する安保闘争の幹部にまでも、CIAを通じて多額の資金供与を行ってきたという話。 一方で、対米追随に対して自主路線を選択した多くの政治家や官僚が、米国によって排斥された。 重光葵、芦田均、鳩山一郎、石橋湛山、田中角...
アメリカは戦後、対米追随路線の自民党や官僚、新聞記者、安保改正に反対する安保闘争の幹部にまでも、CIAを通じて多額の資金供与を行ってきたという話。 一方で、対米追随に対して自主路線を選択した多くの政治家や官僚が、米国によって排斥された。 重光葵、芦田均、鳩山一郎、石橋湛山、田中角栄、細川護煕、鳩山由紀夫などは自主反米路線、中国との国交回復、反核など米国の利益に沿わない政策をとった政治家は、アメリカからの圧力がかかって失脚したという。 日本がもうすこし自主自立すべきというのは、まあそうかもしれないが、だからといって戦後日本が親米路線をとらずにいれば、今の日本経済はないでしょう。
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対米追随路線と自主路線という軸から戦後史を俯瞰するとわかりやすい、のは確かだったがそれは過度な単純化によるわかりやすさに思えた。なるほど、戦後の占領期、安保闘争、沖縄返還などはもちろん対米外交なしには語れないし、最近でいえば原発事故対応に関する介入(浜岡原発停止など)や一昔前でい...
対米追随路線と自主路線という軸から戦後史を俯瞰するとわかりやすい、のは確かだったがそれは過度な単純化によるわかりやすさに思えた。なるほど、戦後の占領期、安保闘争、沖縄返還などはもちろん対米外交なしには語れないし、最近でいえば原発事故対応に関する介入(浜岡原発停止など)や一昔前でいえば貿易戦争など米国からの圧力が存在することは周知の事実である。 かといって、たとえば昨今ころころ首相が交代する要因まで、米国の意にそぐわなかったからだで片づけてしまうのは単純に過ぎるだろう。「郵政民営化で郵便局が普通の銀行のようになると米国債を買うから、それよりは財政投融資で無駄だろうが公共事業で国内に投資した方が良い」という主張もよくわからないし、米軍の駐留やTPPなど米国の主張・利益はすべからく日本の国益にそぐわないと、ろくに議論なく断定される筋合いもない。 (敗戦ではなく)終戦、高度経済成長と、知らずのうちに占領期を迂回した歴史認識になっていることや、冷戦や朝鮮戦争によってすんでのところで日本が成長曲線に乗ったことなど、あらためて気づかされた部分もあったので、残念であった。
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「米国からの圧力」に視点を置いた戦後史の本。高校生でも読めることを目標にしたようだが、教科書とは絶対的に内容が異なり、俯瞰的に物事を見る訓練の意味でも是非高校生にも読んで欲しい。もちろん、それ以外の人たちにも。この本に書いてあることすべてが、歴史の事実、解釈として正しいとは言えな...
「米国からの圧力」に視点を置いた戦後史の本。高校生でも読めることを目標にしたようだが、教科書とは絶対的に内容が異なり、俯瞰的に物事を見る訓練の意味でも是非高校生にも読んで欲しい。もちろん、それ以外の人たちにも。この本に書いてあることすべてが、歴史の事実、解釈として正しいとは言えないと思うが、自らの判断材料にはなるのは間違いない。 アメリカとの関係はその時の状況によって変化することは実感していたが、陰謀論に視点を置くことで、単に歴史本を読んでいる感覚というより、スリリングに読める内容になっている。 一部、話や推論に飛躍が見られ、後半になると駆け足になって散漫になるのが残念。 個人的には小沢一郎支持者ではないので現状では関係ないが、この本を読むと、検察やマスコミの彼に対する動きは納得できる部分もある。
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対米外交を中心に、歴史教育では見えなかった部分が見えてくる 首相が突然やめる理由、TPPも興味深い 北方領土の真意、吉田茂、昭和天皇など、 検証の価値大
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占領に始まるアメリカからの様々な干渉とそれに追従、抵抗する官僚と政治家たちを軸にして、日本の戦後史を描いた本。 賛否はあろうけれど、その分一種のスリルを感じつつおもしろく読んだ。鵜呑みにするのではなく、批判的に読むとよりおもしろいと思う。
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すべてはアメリカが操作していた。一見ただの陰謀史観、でも納得してしまう。戦後史の中で評価の低い首相ほどアメリカの圧力に抵抗していた。アメリカの利益に反するとメディアの大半が属米で世論操作を行い、検察を使って疑獄を作り、陰に陽に恫喝をする。官僚もサボタージュする。強いものに巻かれる...
すべてはアメリカが操作していた。一見ただの陰謀史観、でも納得してしまう。戦後史の中で評価の低い首相ほどアメリカの圧力に抵抗していた。アメリカの利益に反するとメディアの大半が属米で世論操作を行い、検察を使って疑獄を作り、陰に陽に恫喝をする。官僚もサボタージュする。強いものに巻かれるのが日本人の特性なのか。とにかくメディアを信じない。大きな国際社会とアメリカの目的の中で、今の政府がなにをしようとしているのかを自分で考えないといけない。個人的には福田康夫。アジア外交、内政含めいい政策をしていたと思う。応援していただけに何で内閣改造直後にあんな辞め方をしたのか不思議だったが、これを読んで納得した。
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アメリカとの関係はその時の状況によって変化する キッシンジャー 核兵器と外交政策 日本の戦後が以降は米国に対する追随と自主路線の戦い 1945/9/2にミズーリ号で降伏文書に署名 降伏文書 連合国最高司令官のすべての要求に従う 重光葵(まもる) 対米自主路線 朝日新聞をはじめ各新...
アメリカとの関係はその時の状況によって変化する キッシンジャー 核兵器と外交政策 日本の戦後が以降は米国に対する追随と自主路線の戦い 1945/9/2にミズーリ号で降伏文書に署名 降伏文書 連合国最高司令官のすべての要求に従う 重光葵(まもる) 対米自主路線 朝日新聞をはじめ各新聞のこびへつらいぶりは、本当になげかわしいことだ。 内務省警備局は特殊慰安所までつくった 対米追随路線のシンボルが吉田茂 ドイツ 直接統治 日本 間接統治 占領時代 日本は米軍駐留費の減額をもとめて追放されたのが石橋湛山、いうとおりにしたのが吉田茂 カナダのピアソン首相 北ベトナムへの空爆反対を間接的に表明 ジョンソン大統領に吊るしあげられた。たとえ弾圧をうけようとも米国に物をいうときはいう カナダ外務省の建物はピアソンビル マッカーサー時代GHQの内部には民主化を進めるGS(民生部門)と共産主義との対決を重視するG2(情報部門)との対立があった 特捜部はGHQの管理下でスタートした、隠匿退蔵物資事件捜査部を前身とする EHカー 歴史とは、現在と過去との対話である--歴史は過去を知るために学ぶのではなく、現在怒っている問題を理解するために学ぶのだ 講和条約はサンフランシスコのオペラハウス、日米安保条約は陸軍第六軍の基地の中の下士官クラブで調印された 日本人にとっての占領時代 外務省与謝野局長は、格子無き監獄だと表現している 占領時代 公職追放と占領軍による検閲があった 占領軍の検閲 高度の教育のある日本人5000人を雇用 900-1200円の高給がしはらわれた(預金封鎖でつき500円しか引き出せなかった時)日本人が日本人を検閲し言論統制していた 経済同友会 米国に協力することにまったく抵抗のない人を日本の経済界の中心においた われわれが望むだけの軍隊を、望む場所に、望む期間だけ駐留させる権利を確保する。それが米国の目標である 鳩山一郎 重光葵外相 対米自主路線 田中前首相を有罪にするために、三木首相は、過去に採用されたことのない異常な訴追方法を採用 日中国交回復が米国を怒らせた 福田首相 米国からの圧力ない時代 全方位外交
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非常に勉強になりました。米国に対して、政権・政策を自主と追従に分けると、戦後史の理解は進みました。米国の思いのままに操られる日本ではあるものの、政治家、外交官には、そのことも踏まえて、米国の裏をかくというよりは米国より一歩先んじた政策、運営をお願いしたい。 マスコミは、ちゃんと勉...
非常に勉強になりました。米国に対して、政権・政策を自主と追従に分けると、戦後史の理解は進みました。米国の思いのままに操られる日本ではあるものの、政治家、外交官には、そのことも踏まえて、米国の裏をかくというよりは米国より一歩先んじた政策、運営をお願いしたい。 マスコミは、ちゃんと勉強して報道して欲しい。日本の民度が上がらない原因となっているように思えます。
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