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東京プリズン の商品レビュー

3.4

105件のお客様レビュー

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    14

  2. 4つ

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  3. 3つ

    22

  4. 2つ

    15

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2018/02/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

A級戦犯のクラス分けについてや、枯葉剤作戦、パールハーバー奇襲の正当性?(『宣戦布告から一定の期間を経て攻撃する』という規定の一定の期間という曖昧な定義がそもそも破綻していた)など、興味深いところは多々あったものの、説明文としても散文としても中途半端という印象。 やはりこの人は短編か、せいぜい中編が、私としては好み。 ただ、この作品でもやっぱり感性は好きだなぁと思うところは多々あって、例えば 『私はそこで抱きすくめられて溶けそうになる。私の体は私のものだし私の心も私のもの、けれど私の欲望が誰のものか、私にはわからない。私は抱かれて、私のかたちを確認する。抱かれなければ、私は誰?いや本当は、抱かれたらさらに混乱する。わかっている。でも。抱かれることは、安楽。でもそれを得るのに何かを捨てた。何をなのか、よくわからない。わからないふりしているのかもしれない。いつかそれに、復讐される、そんな気もする。』 の部分とか、ああ、赤坂さんだなぁと思う。 結局母親の過去に関して何もあきらかにされることはないので(あきらかにされているところすら妄想との区別がついていない)、すっきりはしない。 赤坂真理の「女性の弱さと愚かさを恐れずにえぐり出せる」というところを秀逸として評価している私としては、日本とアメリカの罪と罰、勝ち負けよりも主として上記のようなものを中心に据えてほしいと欲に、どうしても駆られてしまう。 途中までは「この人ってこういう具体的な文章も描けるんだ」と思ったけど、中盤くらいから置いて行かれた感じがした。無論半生記である故に結末がつかないのは仕方ないところではあるけど。 実験的小説と言ったところか。

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2018/02/04

主人公の脳内?にしか登場しない結合双生児が・・・なんかこう・・・近親相姦じみてて・・・正直萌えましたね・・・

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2017/10/24

小説という武器を使って、天皇と日本、戦争と暴力の出自をむき出しにする、その手腕に脱帽。ある意味著者のバイオロジーを剥き身にして晒す。「愛と暴力の戦後とその後」とパリティにして読むと腹に落ちる。 読者に新たな日本人観、世界観の構築を促す力作。

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2017/02/02

現実と夢の間を行ったり来たり。この間の行き来についていけない。 戦後総括の論理展開は納得できる、知らなかった話もちらほらあり、改めて考えさせられる物語だった。

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2017/01/13

まず、最初の母親との間に何かあったのかと思わせる部分から、東京裁判に関するディベートへの繋がりまで、ちょっと苦しみを感じた。無理があるような?余り読みこなせていないような気になる。

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2016/06/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

作者マリが米国留学時に経験した天皇の戦争責任の有無のディベートを題材としているが、母と娘、祖母と母、自分と母、肉体と精神、時空を超えた超常的な対話が起こり構造が複雑。 東京裁判について日本人が誤解している2点を米国人から指摘させている。A級戦犯とは平和に対する罪のことで、犯罪の程度による分類ではないこと。真珠湾攻撃はハーグ陸戦法規定の不備もありだまし討ちではなくアクシデントと認定されていること。日本では近代史を教えないことが繰り返し出てくる。戦後の日本をどう解釈するのかを問う大作。

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2016/06/12

読んだことのない話でした。 テーマは深い。ただ、空想的というか、曖昧というか、ついていけないところが多々ありました。 よくできた作品だと思います。 いつかしっかり読み解けたらいいな。

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2016/05/09

幻想的な展開をしつつも、その中には硬く重い現実があって、そこが作品の魅力になっている気がした。主人公の国や歴史への考えはぼくとは離れたところにあると思うけど、主人公が個人的に自分の中で国と歴史に決着をつけていく感覚は好きだった。

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2016/03/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

戦争は忘れても、戦後は終らない…… 16歳のマリが挑んだ現代の“東京裁判"を描き、朝日、毎日、産経各紙で、文学史的事件と話題騒然! (アマゾンより引用) 疲れた… 何か意味分からないんだけど(;・д・) 裁判のあたりは面白かったんだけど、全体的にみると全然意味が分からん

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2015/10/16

扱おうとするテーマが大きく重いからなのか、そこへ辿り着くまでの物語の流れが迷走するようで、その足取りについていくのが難しかった。 いろいろなことをきちんと考えず、置き去りにして前へ前へと進んできているけれど、そろそろきちんと学び直し、考え直さなければ。

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