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東京プリズン の商品レビュー

3.4

105件のお客様レビュー

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2012/09/06

天皇の戦争責任が主なテーマだが、ベトナム戦争やキリスト教についても言及している.物語は村上春樹的ファンタジーのオブラートに包まれて読みやすい.しかしアメリカでアメリカンガーヴァメントの授業のなかで日本の天皇の戦争責任についてのディベートなんかやるんだろうか?

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2012/09/05

16歳少女のアメリカ留学、45歳の私、80代の母、祖母、 時間と空間を行き来しながら「東京裁判」を問いかける。 リメンバーパールハーバー、東京大空襲、広島長崎の原爆、天皇制、旧憲法と現憲法、A級、B級、C級戦犯、南京大虐殺、731部隊、ナチスノホロコースト、イエス、神話、 植...

16歳少女のアメリカ留学、45歳の私、80代の母、祖母、 時間と空間を行き来しながら「東京裁判」を問いかける。 リメンバーパールハーバー、東京大空襲、広島長崎の原爆、天皇制、旧憲法と現憲法、A級、B級、C級戦犯、南京大虐殺、731部隊、ナチスノホロコースト、イエス、神話、 植民地の甘い汁を吸った現地人、 英霊とは忘れられた人々、そして忘れた人々、 神の名のもとに戦争をする、 縁とはムスビである、ムスビとは自然に備わった生産力、そこからすべてがうまれ出る点、虚空である。 東京裁判の物語と思って読み始めたので、ちっとも東京裁判に行き着かないな〜と思いながら読み進んだ。赤坂まりさんの本は初めて読んだので、ペースが合わなかったのかな、 最終章「私の東京裁判」は素晴らしい、

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2012/08/26

天皇の戦争責任をめぐるディベート。 ヘラジカ、贄の大君、結合双生児、リトルピープル、母と娘の入れ替わりなど、混沌としたストーリーだが、それも必然と感じさせるほど圧倒された。 著者の渾身作。

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2012/08/05

母国の外に出て、改めてそれについて考えさせられることがある。母語以外の言葉を得て、当たり前のように思われた母国のことや、そこから連なって、現代に至る歴史を見つめ直し、洗い直して、改めて悟るものがある。1980年に米国北東部に留学した16歳のマリは、東京裁判をめぐるディベートに苦し...

母国の外に出て、改めてそれについて考えさせられることがある。母語以外の言葉を得て、当たり前のように思われた母国のことや、そこから連なって、現代に至る歴史を見つめ直し、洗い直して、改めて悟るものがある。1980年に米国北東部に留学した16歳のマリは、東京裁判をめぐるディベートに苦しみながら真理をつかもうとし、2010年の東京に生きる45歳のマリは、東京裁判に関わったという母と対話し、追体験しながら、時を超えたコレクトコールで過去の自分と向き合う。過去と現在、日本と米国、日本語と英語、母親と娘、これらの二項を対比させながら向かう先は、天皇の存在と、「people」の在り方…。断罪するではなく、答えの出にくい問いに向かい、考え、格闘すること。それは、もうすぐ70年になるあの戦争のことを決して簡単には忘れてはいけない、ということになるのだろう。非常に刺激的だった。

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2012/08/02

「東京プリズン」(赤坂真理 河出書房新社 2012/7/6)をやっと読了した。 この書物を、発行月内に”読んだ”と報告できることがちょっと誇らしい。 もの凄い小説である。 1980年中学卒業後、母親の意向でメイン州の高校に留学した主人公は、英語に苦しみアメリカの文化に...

「東京プリズン」(赤坂真理 河出書房新社 2012/7/6)をやっと読了した。 この書物を、発行月内に”読んだ”と報告できることがちょっと誇らしい。 もの凄い小説である。 1980年中学卒業後、母親の意向でメイン州の高校に留学した主人公は、英語に苦しみアメリカの文化に違和感を覚えながら日々を過ごす。 半年後、全校公開デイベートが行われる。デイベートでは肯定側、否定側2人づつのチームがそれぞれ立論、反対尋問、最終弁論を行い、審判が裁定を下す。 論題-「日本の天皇には第2次世界大戦の戦争責任がある。」 主人公マリ・アカサカは肯定チームに指名される。デイベートの完遂が進級の条件として与えられる。 私にはまだこの小説について感想や所見を述べる能力がない。

Posted byブクログ